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陳紹基提訴に対して外交官特赦免除権適用に踏み込む豪州政府

(明慧日本)オーストラリアでの訴訟に対して中国共産党は無謀な行動に出ている。11月初旬、法輪功に対する犯罪で告訴された中国共産党高官・薄煕来に欠席裁判を行ったオーストラリア法廷は、中国共産党高官・陳紹基に対する欠席裁判の審問を予定していた。しかし、中国共産党高官・薄煕来に対する欠席裁判で原告が勝訴となった後、予期せぬ手紙がニューサウスウェールズ高等裁判所に届けられた。手紙は、公的・私的行為に拘わらず、中国共産党高官の行為には特赦免除が適用されるべきであり、高官の告訴は不法であるという内容だった。

 李富英さんと謝イエンさんの原告弁護士が欠席裁判の申請に法廷に出向いた際、オーストラリア法務長官事務所から3人の弁護士も同時に到着。中国大使館からの手紙を法廷に提出した。アレクサンダー・ダウナー外相は、陳紹基被告は裁判所の管轄外にあるとして、外交官特赦免除権を認める証書を2007年11月15日に署名・発行した。22代目のオーストラリア法務長官が1985年の外国国家免除法を適用し、訴訟手続きから陳紹基を保護する書類を提出したことになる。

 原告・謝イエンさんは11月23日にオーストラリアの国民に向けて次のような手紙を書いた。「政府高官であったアドルフ・ヒトラーは、ナチ・ドイツの法律に基づいて残虐な行為に出ました。今日、ヒトラーが裁判にかけられたら、ダウナー外相は同じ理由でヒトラーを特赦免除するのでしょうか? 是非教えていただきたいと思います」。

 高等裁判所は不法監禁および拷問の罪で告訴されている中国共産党高官・陳紹基の審問を行った。法輪功修煉者である原告・李富英さんと謝イエンさんは、被告である陳紹基が広東省政治法律委員会書記および広東省公安庁長であった時に、監禁・拷問を受けた。謝さんは当時、未婚の若い女性であり、李さんは70才を越えていた。

 現在、李富英さんは80才近い。法輪功への揺るぎない信念を維持したため、広州で2回監禁された。娘の顔海玉さんは何の法的手続きもなく槎頭女子労働教養所に2年の刑期で送還された。肉体的・精神的な拷問や幾度もの潅食を受けた。顔海玉さんは2年の労教の後、広州市の法律学校洗脳センターに送られた。ここでは24時間に一度だけ外気を採り入れることが許される状況下で、顔海玉さんは様々な拷問・洗脳、その他の残虐な迫害に遭い、口では言い表せないほどの精神的な苦痛を負った。李富英さんは、中国で自分や家族、他の法輪功修煉者が遭った中国での迫害、今も続く残虐な迫害のことを思い出し、悲嘆にくれ、何度も審問の席で泣き伏してしまった。

 原告の謝イエンさんは、「真・善・忍」に対する信念を放棄しなかったために、中国で不法に2年間監禁され、労働教養所で残虐な拷問に遭いました」と語った。原告である謝さんは、労働教養所に2年3カ月拘留され、監獄で残虐な拷問を受けている。最初の48時間は、手錠をかけられ、つま先がほとんど地面に着いていない状態で窓の金属枠から吊るされた。その後3日間にわたり、1日18時間、同様に吊るされた。その他、長時間にわたって縛られたり、強制潅食、洗脳、1日16時間の強制労働などの拷問を受けた。

 陳紹基被告は610弁公室を直接率いて、警官に法輪功修煉者に対する洗脳方法を強化させるなど、数多くの罪を犯した。陳紹基は広州の法輪功修煉者に対する犯罪への関与責任を回避することはできない。

 2006年12月、謝イエンさんと李富英さんが陳紹基を告訴し、シドニー訪問の広東省代表団団長を務める被告に法廷への召喚状を送り付けた。法輪功に対する被告の犯罪審問およびオーストラリア法廷での判決は、現在の中国では果たせない正義が自由主義国家オーストラリアで叶うと原告は語る。ニューサウスウェールズ高等裁判所は数回にわたる審問を行ったが、陳紹基は応じなかった。被告が応じなかったことを受けて、原告は欠席裁判を申請。薄煕来の判決例を参考とすることを期待している。

 オーストラリアの法輪功修煉者・潘宇さんは中国共産党商務部長・薄煕来を拷問の罪で告訴。薄煕来が答弁しなかったため、シドニーのニューサウスウェールズ高等裁判所は、2007年11月5日、欠席裁判で潘宇さんに有利な判決を下した。潘宇原告の勝訴となり、薄への損害賠償を求めることも可能になった。

 中国共産党の前外交官・陳用林さんは次のように推測する。「中国共産党高官・薄煕来のオーストラリアでの敗訴は、今後誰も裁判を回避することができないことを意味し、法輪功修煉者の迫害を直接率い参与した中国共産党高官に衝撃を与え震え上がらせました。薄の敗訴の影響は甚大で、陳紹基も同様に欠席裁判で負けることになれば、次々に中共の高官が欠席裁判にかけられることになります。このため、中国共産党は豪州政府に対して、外交を打ち切るか自由貿易条約を取り消すなど、豪州経済に多大な損失を与えかねないことで圧力をかけたにちがいありません」。

 2007年11月13日の中国大使館からの手紙は次の通り。「該当する高官が、私的もしくは公的のいずれの立場で行動したかに拘わらず、外交官特赦免除権は適用されるべきものである。現職であれ、これまでの職務に就かない者であれ、これらの高官に対する告訴手続きは不法である」。

 原告・謝イエンさんは、オーストラリアの裁判制度が中国共産党の圧力に屈せず、薄煕来への告訴と同様の公平な手続きに準じ、被告・陳紹基に対する欠席裁判をやり抜くことを期待している。また謝さんは、陳紹基の中国共産党高官への昇進は法輪功修煉者の血で染まっており「中国共産党高官の手による法輪功修煉者に対する人権侵害の罪は、永遠に歴史に刻み込まれる」と語気を強めた。

 2007年12月13日

(中国語:http://minghui.ca/mh/articles/2007/12/4/167741.html
(英語:http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2007/12/7/91914.html