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訴訟事件に参与する過程で真相を伝えることの体験(上)


 文/豪州法律チーム

(明慧日本)師父、こんにちは! 同修の皆さん、こんにちは! 以下は豪州法律チームがここ数年来、訴訟事件に参与する過程で真相を伝えることの体験です。

 一、世間の表象に心を動かさず、師と法を堅く信じる

 ここ3年来、シドニーの法輪功修煉者は法を正すことの要求に応じて、ニューサウスウェールズ州最高裁判所に法輪功を迫害する元凶・江××及び中共の官僚・薄煕来、陳昭基に対する告訴を提出しました。これらの訴訟事件を行う初期、原告には弁護士がいないため、法律の知識が多少分かる修煉者の協力の下に訴状を起草し法廷に提出したのです。しかし、訴状をどのように被告に引き渡すか、法廷での陳述をどのように行うかについてはすべて見通しが立たなかったのです。やむを得ず、修煉者は自ら法廷で原告の修煉者の通訳という方式で真相を伝え、邪悪を暴露するしかありませんでした。しかし、訴状をどのように引き渡すかという問題はやはり解決できず、訴訟事件は一回また一回の延期の中で袋小路に入ったように見えました。

 修煉者たちはたくさんの弁護士に会いましたが、殆どそのことは不可能だという回答をもらいました。それは豪州の法廷はわりと保守的であり、それが国家管轄権、訴訟の引渡し、治外法権、判決の執行の問題などに関わっているからです。知り合いを通して、シドニーの有名な人権弁護士に会いましたが、暫く検討してから、その弁護士からやはり成功する見込みがほとんどなく、このような訴訟事件に時間の無駄使いをしたくないという返答をもらいました。

 甚だしいことに、薄煕来に対する訴訟事件開廷の数日前に、元々出廷を予定していた弁護士が急に電話をかけてきて、同僚と検討した結果、このような訴訟事件はほとんど成功する可能性がないから、もう出廷することができない、自分に出来る唯一のことは私たちの代わりに裁判所にこの訴訟事件終止の申請を出すことだと伝えてきました。それに、私たちが出廷しても同じ結果を免れないと教えてくれました。その時、他の大法のプロジェクトも非常に時間が必要で、法律組に参与する修煉者も少なかったのです。そして、アメリカや他の国の弁護士である修煉者からもこれらの法律訴訟事件にたくさんの時間と人力を使う必要はないという助言も受けました。確かに、成功する見込みのなさそうな訴訟事件をやめると、皆の圧力も軽くなるし、もっとたくさんの時間を他のとても大事で緊迫した大法を実証するプロジェクトに使うことが出来るのです。

 しかし、交流を通して、これらの迫害の元凶を告訴することは間違っておらず、彼らを告訴すること自体が邪悪を暴露し、震え上がらせ、真相を伝えることになる。もし訴訟事件を撤回してしまえば、邪悪を喜ばせることでしかないと参与した修煉者は悟りました。そして、いくら難しくても、我々が諦めずに頑張って続けていけば、きっと正しい道を歩むことができると堅く信じました。

 その後、何人かの法律専攻の学生と他の修煉者が弁護士からの協力がない状況下で訴状を改正し、期限までに順調に法廷に提出し、そして、数日後開廷する時、弁護士がいない状況下で、修煉者が原告を代表して法廷での質問に答え、順調に次回の開廷の許可を得ました。それから次回開廷するまでに、他の修煉者との広範囲にわたる交流を通して、皆が正念で支持してくれたおかげで、正義感のある弁護士が参与することを承諾し、それによりこの訴訟事件を推し進めることが出来るようになりました。

 薄煕来が豪州で2007年のAPECに参加する間、何人かの中国人と西洋人の修煉者は協力し合って、厳重に警備された中で、薄煕来の泊まるホテルでみごとに本人に訴状を引き渡し、また「法輪大法は素晴らしい!」と叫びました。弁護士はこの事を聞いて不思議に思うと同時に、深い感動を受けました。後で訴状を引き渡した西洋人の修煉者は訴状を引き渡したという証言を起草し、また次回開廷する時に法廷に提出して、被告に対する欠席判決を申請しました。法廷は事項を確認したのち、それに同意しました。11月5日再び開廷するとき、法廷は原告の申請に同意し、原告である法輪功修煉者の勝訴を判決しました。

 この訴訟事件は各国で薄煕来を告訴する事件の中での初めての法輪功修煉者の勝訴判決なのです。この2年間を振り返ってみて、最初は薄煕来を告訴してからどん詰まりになったという状態でしたが、最後はやはり訴状の引渡しに成功し、勝訴を勝ち取りました。この結果を見て、参与した弁護士は不思議に思い、参与した修煉者は師父の言われた「弟子の正念足りれば 師に回天の力有り」(『洪吟 二』<師徒の恩>)という法理を更に深く会得するようになりました。

 二、弁護士を探す過程は真相を伝え、衆生を救い済度する過程でもある

 訴訟事件を行うにあたっては、常人の弁護士や裁判官と付き合わなければならず、たくさんの法律の詳しい内容に関わるので、ともすれば具体的な内容や結果に陥りがちです。私たちはお金がないので弁護士を雇えないとか法律に関する知識に乏しいという困難に遇いました。豪州の法律と法廷はわりと保守的で、他の国で発生した迫害や拷問に関しては管轄しようとしないのです。原告である法輪功修煉者は法律上の諮問が必要ですが、普通の弁護士の費用は大体300オーストラリア・ドルくらいで、書類を読むだけでその費用は1000オーストラリア・ドル以上かかり、とても弁護士を雇えないのです。ただでやってくれる弁護士もなかなか見つからないのです。修煉者たちは交流を通して悟ったのですが、弁護士を探す過程はつまり法律界に真相を伝え、衆生を救い済度する過程であり、弁護士が見つかるかどうかという結果に執着せず、いくら困難があっても、大法弟子はやるべきことをやっていけば、必ずそれなりの按排があるのです。

 修煉者たちがこの事を悟ったら、師父は巧みに按排してくださいました。何人かの修煉者が探し当てた人権弁護士にメールを送り、訴訟事件や中共の法輪功への迫害、原告である修煉者が中国で迫害された経歴を紹介すると、一日の内に何人かの弁護士が相次いで電話をかけてきたり返信したりしました。中にはただで訴訟事件に参与したいという弁護士もいるし、一回待ち合わせてからもっと詳しい状況を知りたいという弁護士もおり、自分は忙しいから、ちょっと手伝ってあげられない。しかし、法輪功修煉者に同情し、中共の法輪功に対する迫害に反対するという意志を表明する弁護士もいるのです。次の何週間の間、英語の出来る修煉者が原告である修煉者に付き添って、何人かの弁護士と会い、中共の法輪功に対する迫害や臓器摘出事件、なぜ豪州で中共の官僚を告訴するのかについて更に詳しく真相を伝えました。すると、その真相が分かってから、何人かの弁護士は相次いで江××と薄煕来に対する訴訟事件に参与するようになりました。これらの正義感のある人権弁護士が手伝ってくれてからは、鬼に金棒で、江××と他の何人かに対する訴訟事件が順調に進み、既に訴状の提出が終わり、欠席判決の申請に取り掛かる段階に入ったのです。

 陳紹基に対する訴訟事件を例に挙げると、開廷までもう2週間もないのですが、私たちはまだ弁護士を探し当てていません。しかし、私たちはよく分かっているのですが、たとえ表面上難しそうに見えても、我々の正念が足りて、法に則って道を歩みさえすれば、すべては師父が按排してくださるに違いありません。そうしたら、直ぐにただで手伝ってくれるという意向を示した弁護士を見つけました。その弁護士というのは我々がある真相を伝える活動の時に、真相チラシをもらい、内容を読んでから、法輪功に対する迫害は絶対受け入れられないことだと思ったので、その場で自分の名刺を修煉者に渡し、これから手伝うことがあったら、電話をくださいと言った方なのです。

 実は我々が弁護士と協力する過程は大法弟子が正しい念と正しい行いをもって訴訟事件を推し進める過程でもあるのです。別に我々が弁護士に頼るとか、裁判の結果を待つだけだとかいうのではなく、大法弟子が背後でこの訴訟事件の進展を推し進めているのです。我々の修煉状態と全体で協力する状態も直接に弁護士の状態に影響しているのです。我々の状態がよくて、力を合わせて協力する時、弁護士も正念が強く、法廷での発言も正義感に満ちているのです。しかし、我々の気が緩んだり、間隔があったりするとき、弁護士にも体や仕事や家庭などの面での妨害があるのです。ある段階ではずっと開廷していなかったし、修煉者たちは他のプロジェクトに取り組んでいたので、訴訟事件のために真相を伝え、正念を発することを疎かにしてしまいました。そうしたら、ずっとただで手伝ってくれていた弁護士が急に仕事を無くし、職探しをしなければならず、もうこれ以上手伝うことができなくなると教えてくれました。その時、あと3日で開廷することになっていました。私たちは集団で法を学ぶ時、このことについて交流し合い、訴訟事件の重要性を更に深く認識するようになり、またその弁護士のために正念を発しました。そうしたら、翌日の朝、その弁護士から自分がいくら困難であっても、やはり手伝っていくという電話をもらい、これにより、訴訟事件をまた順調に推し進めることができたのです。

 (2007年豪州法会での発言原稿、下に続く)

 2008年1月5日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2007/12/29/169234.html