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特別取材:波瀾万丈な生命の風景(下)

(明慧日本)法輪大法が世に伝えられて16年間になりました。人種・職業が異なる1億人はなぜ法輪大法の修煉に入ったのでしょうか。彼らが残酷な迫害に直面して、決して屈しない勇気と力はどこから来たのでしょうか。そしてどんな心境で彼らは自身の栄辱と安否を問わずに世間の人々に真相を伝え続けているのでしょうか。

 現在カナダ・トロント市在住の呉艶霞さん(女性)はごく普通の法輪功修煉者です。彼女はかつて天津市庭園学校で18年間教鞭をとり、毎年「優秀教師」に選ばれて、国家の「第8次5カ年計画」の表彰も受けました。呉さんは長い間熟考をした後法輪功の修煉に入ることを決心して、それから波瀾万丈の生命の風景を体験してきました。ここでいっしょに彼女と彼女の同修の物語を分かち合いましょう。

  (前回に続く)

 嵐のような日々

 多くの人々が修煉をはじめ、個人のみならず家庭や社会にもよい影響をもたらしている最中に中国共産党は自らの利益のために、法輪功への攻撃や弾圧を始めた。

 2000年に私と弟、妹は修煉をやめないため、不法に監禁されるようになった。父親は13歳から軍に入っているが、それでも中国共産党の法輪功への迫害を理解できない。「私の子供たちがもし窃盗とか強盗とかで逮捕されたなら、私に責任がある。でも、子供たちは『真・善・忍』にしたがって、いい人になっている。親戚も近所の人たちもそれを認めてくれている。社会的に彼らはいい人と評判なのに、なぜ殴られたり、捕まったりするのか? なぜだ?」と当局に陳情したが、何の答えもなかった。

 ある日、一人の20代の若者がわざわざ弟の妻を尋ねてきた。「彼を待ってあげてね。ご主人はすばらしい人だよ」と、この若者は自分の遭遇したことを話し始めた。彼はもともと債務の取立て屋で、仕事によりいろいろな不法行為を行ってきたといい、その不法行為で逮捕され、弟と同じ部屋に入った。監禁されているのは地元でないため、彼の家族たちも知らされていなかった。

 そこの夜は寒いため、弟は自分の枕や布団をあげて、自分は座禅して煉功していた。そのためこの若者が感動した。このような逆境の中でも人を優先するということは考えられなかったからだ。なぜこのような人が捕まってしまったのだろうと疑問に思い、弟に聞くと、その答えは法輪功の修煉をやめなかったからとのことだった。「私はもう少し早く法輪功を知っていたら、ここに入らなくて済んだかもしれない。でもこのような罪を犯していなければ、これらの真実を知ることもできなかったかもしれない」。

 1カ月後、この若者が釈放されてから、真っ先に弟の妻を尋ねた。「そのような環境でもしご主人がいなければ、私はもう・・・。ご主人は私の面倒を見てくれ、道理も教えてくれた。今の中国にはこのような人が必要だ。共産党の弾圧が間違っている。私もこれから修煉するつもりだ。どんなに危険であっても、ご主人のことをみんなに伝えていく」と話した。

 人々は修煉者の善良、寛容や真心や、弾圧されてもいい人になろうとする姿勢を崩さない態度を目の当たりにして、共産党の迫害に対する不満が日に日に増している。もともと真相をあまり知らない人々、さらに迫害に参加していた警察官までも修煉者の行動に感心している。

 洗脳クラスにいた時に梁さんと呼ばれる修煉者と出会った。梁さんの上司は1週間以内に梁さんに修煉をやめるようにしろと命令されて、最初自信満々に約束をした。しかし、その説得の1週間を利用して、梁さんは上司に法輪功の原理を説明し、修煉して得たものを語った。上司は聞き入ってしまい、自らの任務も忘れてしまった。

 1週間後、任務が終えられなかった上司はさらに上司に怒られた。「あと1週間をあげよう。それでもできなかったら、君も一緒に懲戒するぞ!」と怒鳴った上司に対して、梁さんの上司は負けずに「いい加減にしろ! 懲戒されるなら僕だって修煉を始めるぞ! 今ならやり方もわかった」と言い返したという。

 彼の上司は言葉を失った。梁さんの上司はすでに50代になっており、共産党政権の歴代の運動を経験している。したがって、彼は共産党についてよくわかっており、その発言によって発生することもわかっている。この言葉は決して一時的な興奮によるものではなく、彼はただ善の力により本当の心が表れただけだった日に。

 妹が労働教養所に監禁されていたころ、1人の女性警察官が彼女に「あなたたちの師父は誰もやったことのないことをして、あなたたちもそれをやっている」と感心していた。また、私を説得しようとした1人の警察官も「あなたたちのすばらしさを目の当たりにしていたから、風向きが変われば、私も修煉する」と言った。

 2001年交番まで強制連行されたときに、警察官たちは法輪功を非常に不思議に思っていた。なぜなら、ある煉功点のリーダーを捕まえて、それで組織が崩れると思いきや、翌日にまた異なる人が出てきて、この人たちを逮捕しても、その翌日にまた異なる人たちが出てくるのだ。次から次へと出てくるため、この法輪功という組織は厳密すぎると思ったようだ。

 実は法輪功に「組織」はない。ただ、「真・善・忍」の理が修煉者の心に根をおろしているために、誰もがこのような貴重なものを捨てることができないだけだ。心のそこから自分の追及しているものがわかり、うそにより弾圧や迫害を受けるときに当然のようにみんなで守り、人々に法輪功及び迫害の真相を伝えようとする。ほかの人が捕まったら、命も惜しまずに自分が出ていく。

 もう流されない女の子

 出国する直前の2001年、多くの教え子がわざわざ天津まで来ようとした。しかし、みんながわざわざ来るより私が直接行った方がいいと思い、ある町のホテルを予約して、その周辺の教え子たちと会った。そこで、以前に会ったことのない女の子と会った。彼女は私の教え子と同じような年齢で、私が修煉者であることを聞いて、わざわざ来てくれた。一日中ずっと一緒に行動した。

 彼女は自ら自分の経歴を話してくれた。もともと、10%の合格率しかない公務員に合格して警察官になったという。就職してから1年が経つと、家族も誇りに思っていたその仕事は法輪功への弾圧がメインになっていた。陳情や真相説明する修煉者に対することが仕事内容であった。共産党の宣伝では法輪功が邪教であるため、彼女は迷いもなく、一生懸命に働いた。

 その後、多くの修煉者と接触しているうちに、どんな悪い態度で対応しても、修煉者のみんながとても善良で友好的で、ただ真相を伝えることに集中していた。彼らの行動は明らかに何か高尚なものを守るためのように見えた。

 彼女はいよいよ我慢できなくなり、それらの修煉者を殴打しないように上司と相談した。上司が怒鳴った。「こんな話をするやつは警察官になる資格がない!」と言った。彼女も負けずに「ああ、なる資格なんてないね。はっきりいいって、この人たちはみんないい人よ!」と反論した。それで懲戒免職となり、家族も落ち込んだ。

 しかし、彼女は後悔しなかった。「真相を知らなければ、別にそれでいい。しかし、これだけの修煉者と出会い、そんなに善良な人々が真実を追究している最中に迫害することは、私にはできない。良心をなくせば、命の意味もなくなる。ほかの人たちはもったいないと言うかもしれないが、私はまるで何かから解放されたように身軽になった。なぜなら、正々堂々と本当の自分を貫いたからだ」と明言した。

 そのとき、この女性はまだ修煉をはじめてもいなかった。それでも彼女には人類の道徳の下落がわかっていたはずだ。彼女は真実を語らなければ、命に意味がないこと、「真・善・忍」を弾圧することが人類には危険であることをわかるようになった。自分の考えを貫き、もう流されないようになったのだ。

 迫害が始まって9年間に、中国共産党はずっと卑劣なでたらめで法輪功を侮辱してきた。あらゆる方法で「真・善・忍」の原則を人々の心から消そうとしていた。しかし、法輪功修煉者たちは決して諦めることなく、人々に大法のすばらしさと邪悪な迫害を伝え続け、誰もがいい人になれる権利を得ようとしている。あのような残酷すぎる環境でも、この女性が前途を失っても、自分の心の純粋さを保とうとしているのを知ったとき、私は本当にうれしく思った。

 李洪志先生が1992年5月13日から大法を伝え始められてから、16年が経った。平和の日々でも、嵐のような日々でも、修煉者たちは修煉を通じて、心身ともに昇華し、誰もが自分の命で大法の尊さとすばらしさを伝え、世の中の人々に善の心を呼び戻そうとしている。多くの人々が「真・善・忍」の原則を認識し、人類に明るい未来をもたらすことになるだろう。

 (全文終わり)

 2008年6月12日

(中国語:http://minghui.ca/mh/articles/2008/5/26/179029.html