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于宙さんと妻の許那さんを偲ぶ(写真)

(明慧日本)私が于宙さんと妻の許那さんに会ったのは、冬の暖かな冬の午後だった。簡素ながらも独特なジャケットを着て、ぴったり呼吸のあった様子で並んでいた。

于宙さんと妻の許那さん

 許那さんは、数ヶ月前に北京の監獄から出てきたばかりだった。痩せこけてはいたが目には輝きがあった。監獄で5年間苦しんできたのは知っていたが、苦しみに触れないようにしながら体験を聞こうとした。結局自分の話ではなく、修煉者の董翠さんが監獄の中で致死的な迫害を受けたことを語ってくれた。1999年以前、中国大陸で法輪功が盛んだったことから、邪悪な共産党による鎮圧が始まって以来、多くの近しい修煉者が迫害にあったことまで、私たちは多くのことを語り合った。許さんは、欧州議会の副議長に会っただけで投獄されてしまった。甘粛省出身の曹東さんと妻の楊小晶さんについても「ご夫妻からは修煉について多くの助けを受けましたが、迫害が始まってから常に拘留されるようになり、お目にかかることができなくなりました。」と語った。

 于宙さんは暖かく会話に耳を傾け、時折言葉を挟んだ。ほとんどは許さんの父親のことだった。 ご夫婦は許さんの両親と同居しており、拘留された許さんのことをご両親はいつも心配していた。「5年間の拘留期間、妻の両親はひどく苦しみました。彼らにとってとても辛い日々でした」。拘束期間中、許さんが信念を曲げなかったため、家族を苦しめるために監獄の看視者も隊長も家族に何も伝えず、その結果娘が死んだのではないかと危惧し辛い日々を送った。監獄から出た後も北京の監獄管理局と610が家族への嫌がらせを繰り返した。また当局は、姚という共謀者にしつこく電話をさせて許さんの情報を得ようとした。許さんの家族は静かに生活することが許されなかった。

 その後、また夫妻と会う機会があった。私たちは、修煉者が一緒になれるひとときを大切にした。于宙さんはより多くの人に真実を分かってもらうため、直に人に会って真相を効果的に語る方法に強い関心を示していた。居住ビルで真相を伝える資料を熱心に配っていたからだ。こうすることで一件一件に連絡していたわけだが、直接会って説明できればと常に願っていた。大法弟子の心は黄金でできている。年齢、性別、社会的地位に拘わらず、大法の力でより多くの人を済度している。

 許那さんはちょっと名が知られた油絵画家だった。投獄中、台湾の実業家が彼女の絵を全て買い取り、一部は本のイラストという形で発表された。許さんは中央美術大学油絵専攻の研究生として認められ、教授や美術界の多くの人々が許さんの才能を称賛された。「大法が私の心身を純粋で正しいものにしてくれるのです。大法のおかげで深遠な創造ができるのです」と語った。

 音楽家である于宙さんは、神韻芸術団への称賛を公にし、この聖なる公演に参加できる機会を望んでいた。「神韻芸術団に加入する必要があるなら、何を失っても構いません」とまで語っていたのだが、無念にも2008年の全世界華人新年祝賀祭のDVDを見る機会に恵まれなかった。旧正月前夜、中国共産党の手で拷問死したのだ。報告(http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2008/3/19/95478.html)によると、2008年1月26日、警官が于宙さんと許那さんの自動車を止め、北京市通州区拘留所へ連行した。2008年2月6日、家族は、清河救急センターに収容された于さんをすぐ訪れるようにとの通知を受けた。家族が着いた時には于さんは既に亡くなっていた。享年42歳だった。遺体には白布が被せられていたが、酸素マスクはそのまま装着されていた。足は氷のように冷たかった。拘留所は、妻の許那さんが葬儀に出席することを拒否した。

 于宙さんと許那さんのご両親、親戚、友人、于さんのファンを気落ちさせる悲壮なニュースとなった。中国共産党政権はまたもう一人の心優しい人、「真・善・忍」の理念を信じる法輪功修煉者を殺害した。

 『平穏な五輪』の一環として計画された法輪功修煉者に対する迫害であった。于宙さんと許那さんの逮捕前に、北京監獄管理局と610の人が自宅に電話を入れ、直接許さんと話すことを求めたが、許さんは断った。北京女史監獄内の情報によると、電話を入れた。董翠さんの致死的な拷問についての情報がインターネットで公表されて以来、監獄当局では許那さんが情報を流したと疑ったのだ。逮捕前の数日、私服警官が許那さんを尾行していた。

 善良で才能のあった于宙さんは虐殺された。妻の許那さんは今も北京市崇文区拘留所に拘置されている。

 2008年7月6日
 
(中国語:http://minghui.ca/mh/articles/2008/6/24/180717.html
(英語: http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2008/7/1/98579.html