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中国の有毒粉ミルク事件は世界を震撼させた(写真)

(明慧日本)中国三鹿集団の有毒粉ミルク事件は国際社会に広がり、世界を大きく震撼させた。中国各地の多くの乳幼児は有毒物質メラミンが混入した三鹿集団の有毒粉ミルクを飲んで腎臓衰弱や、腎臓結石に罹り、死亡したケースもあった。世界各国が中国の乳製品を輸入して、被害を被っている。
有毒粉ミルクを飲用して腎臓結石になった乳幼児は約5万3千人に上った(Getty Images)
中国政府は各地の病院に乳幼児の無料検査を要求。四川成都の病院に親子が殺到した(Getty Images)


 中国で被害者数が増え続けている

 中国各地では被害者数が増え続け、病院に人が押し寄せ混乱している。報道によると、中国政府が公表した統計では、1万3千人の乳幼児が、有毒粉ミルクが原因で健康に問題を起こし、入院治療を受けたという。中国ネット使用者は、中国共産党官員は被害者数をまだ隠蔽していると指摘した。

 中国の衛生署によると全国でメラミン混入粉ミルクが原因で病気に罹った乳幼児は5万3千人に上り、52,857人が病院で診療を受け、12,892人が入院していると表明した。また、病気に罹った5万3千人の中で82%は2歳以下。新しく公表された数字は以前より増えており、以前公表した数字は6,244人だった。

  各地では病院に押し寄せる親子が増え続けている。北京のBBC記者・ジェームス・レイノルズさんは、取材を受けた両親は非常に立腹して、当局に不信感を抱いているという。

 有毒ミルク事件は世界を震撼させた

 三鹿集団の粉ミルクに有毒物質「メラミン」が混入されていることが発覚して以来、その影響はさらに拡大し、ますます多くの中国乳製品メーカーとその乳製品に関わっていることが判明した。世界保健機関(WHO)は 9月21日に、中国政府が有毒粉ミルク事件に関し、すぐに国際社会に情報を開示しないことを批判した。

 BBC報道によると、WHOの西太平洋ディレクターの尾身茂氏はマニラで、中国政府のこの事件に対する処理が非常に不透明であったことを批判した。事件が起こる前に、すでに問題を知っている人がいたと指摘し、中国政府内部には明らかに問題があり、情報を共有していないと話した。

 ここ1週間、海外各国はそれぞれに対応措置を採った。消費者を保護するために、ヨーロッパ連合、アメリカ、ニュージーランド、日本、韓国、ミャンマー、マレーシア、ブルネイ、台湾、香港そしてアフリカのタンザニアなどは、中国から輸入した乳製品を緊急に回収、処分した。

 デンマークの食品会社は中国蒙牛乳製品による生産を停止

 デンマークの食品会社は、しばらく中国の蒙牛乳製品会社による商品の生産を停止すると9月17日に公表した。

 デンマークの食品会社は、中国の蒙牛乳製品会社と提携している。現在、蒙牛の生産した28製品中3製品からメラミンが検出されたと公表し、問題があった製品はすぐに回収され、フフホトの蒙牛とデンマークの食品会社の工場はしばらく生産を停止するという。

 台湾政府は中国製乳製品をすべて回収、処分

 BBCの報道によると、台湾の衛生署はすでに止めている汚染された三鹿集団の粉ミルクを処分し始めているという。輸入された粉ミルク25トン中の10トンが流通し、粉ミルクを原料にした食品は、一部香港で流通した。ニュージーランドの乳製品会社から輸入した25トンの汚染された粉ミルクは、重さ25KGのパッケージ1000個に分けられ、衛生署はまだ売れていない564個を回収し、処分した。

 流通した400個以上の粉ミルクは、肥料や、調剤として使用されるという。通常の粉ミルクとして販売されているものはまだ発見されていない。台湾衛生署の官員は各地でまだ売られていない商品を調査中だという。

 台湾衛生署は汚染された三鹿集団の粉ミルクを原料とする「プレミアムブルーマウンテンコーヒー」665箱を香港に輸出したが、関係部署はすでに香港当局に通知したという。台湾行政院(日本の内閣府相当)は、中国は輸出食品の安全性をモニターすべきであるとして、輸出食品の安全性に責任を負うことを要求した。台湾政府は各方面から指摘された後に、今後は三鹿集団の粉ミルクだけではなく、三鹿集団の全商品を輸入禁止にし、さらに中国から輸入する乳製品に対して、すべて厳しいモニターを課すと表した。

 香港政府は緊急立法

 香港政府は9月18日に輸入業者の販売停止を要求し、すべてのイーリーの乳製品を回収した。香港政府はイーリーの8商品からメラミンを検出した。

 食品安全委員・陳漢儀氏は、イーリーの高カルシウム低脂肪乳1リットルを飲用しないように呼びかけた。当商品からは100万分の9.9のメラミン値が検出され、2歳以下の子供が1日2杯を飲用すれば、毎日の許容摂取量を超えると、9月18日の記者会見で試験結果を公表した。

 別の情報によると、香港衛生局の消費者保護.センターは9月22日に、メラミンによる汚染された乳製品を飲用して腎臓結石に罹った男児1人が増えたと公表した。これは香港の2番目のケースになった。

 この4歳の男児は香港で生まれ、中国に住んでいた。彼の父親は香港マーガレット病院に検査に連れて行き、血液と尿検査の結果、腎臓結石に罹っていると判明し、すぐ入院したが、現在は安定しているという。マーガレット病院では他にメラミンに汚染された乳製品を飲用した63人を診療した。年齢は2カ月から17歳までの男児34人、女児29人で、入院の必要はなかった。

 香港政府は緊急立法し、食品への過量メラミン添加を禁止した。香港衛生局局長は9月22日に、関連の法律を23日の香港政府官報に載せ、即有効になると頒布した。

 シンガポール政府は「白兎キャンディ」を輸入禁止

 シンガポール政府は、中国からの輸入乳製品に有害メラミンが含まれていることを検出した。上海で生産された人気の「白兎キャンディ」である。

 シンガポールの農業穀物および獣医局は9月21日夕方に、中国上海で生産した「白兎キャンディ」を食べないように呼びかけた。

 シンガポール政府は、すべての販売先と輸入業者に必ず中国から輸入した牛乳と乳製品を回収し、全商品を店頭から下げ販売を停止することを要求した。中国から輸入した牛乳と乳製品には、牛乳、アイスクリーム、チーズ、クッキー、チョコレート、キャンディを含むと告知した。

 シンガポールの食品法によると、身体に有害な食品を販売した場合、最高1万元の罰金、または3カ月の投獄に直面する。

 BBCによると、上海生産の「白兎キャンディ」にメラミンを含まれていることが検出される前に「イーリー果物ヨーグルトアイスキャンデー」と中国で生産された「Dutch Lady」の「いちごフレーバーミルク」など中国産乳製品に、すでに先週水曜日と金曜日にメラミンが検出された。

 日本の会社は中国牛乳を原料にした商品を自主回収

 BBCによると、日本の丸大食品会社は、中国製牛乳を原料とした1000以上の菓子を自主回収した。

 丸大食品は、中国イーリーの牛乳を使用した菓子商品で、「クリームパンダ」など3種類の商品を自主回収した。中国イーリーの牛乳からもメラミンが検出された。

 中国では最初、乳幼児用粉ミルクからメラミンが検出されたが、後に光明、イーリー、蒙牛の牛乳、チーズ、アイスクリームからもメラミンが検出された。

 現在、シンガポールとマレーシアは中国の牛乳と乳製品の輸入を停止し、ミャンマーも、土曜日に、中国産の牛乳を輸入停止し、輸入したものを処分すると公表した。

 ヨーロッパ連合の健康衛生事務を担当するスポークスマンは、ヨーロッパ連合は中国から直接牛乳を輸入していないが、汚染された乳製品が第三国から間接に輸入されないように、より厳しい国境審査を要求した。

 2008年10月21日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2008/9/23/186436.html
(英語:http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2008/9/26/100962.html