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ベルギー高等裁判所:中共の法輪功修煉者に対する嫌がらせ事件の公聴会を開催(写真)

(明慧日本)ベルギー在住の二人の法輪功修煉者は、中共の「610弁公室」による嫌がらせ電話事件をベルギー裁判所に告訴し、2009年5月28日午前、ベルギーの高等裁判所がこの事件に関して公聴会を行った。国際的に著名な人権弁護士のG.H. Beauthier氏は二人の告訴人を代表して、ベルギーの司法部門に対して、法律に基づいた行動を取るように促し、この事件を詳しく調査すると共に、中共の経済と政治的な影響に左右されず公平性を保つようにと促した。裁判所の審議官と裁判官が公聴会に参加し、事件に対する弁護士の説明を聞いた。この裁判官は近いうちに判決が出るだろうと話した。
ブリュッセルのベルギー高等裁判所


 電話による嫌がらせ事件を詳しく調査するように要求する

 人権弁護士のG.H. Beauthier氏は二人の法輪功修煉者が受けた被害を詳しく説明し、法輪功修煉者が中国国内で中共による残酷な迫害を受けている状況を説明した後、記者会見に臨んだ。

ベルギーの著名人権弁護士のG.H. Beauthier氏が、ベルギー高等裁判所でベルギー国家テレビ局のインタビューを受けている様子

 Beauthier弁護士は「ベルギー在住の法輪功修煉者は、中共当局による嫌がらせを受けました。彼らは電子メールや匿名の電話による嫌がらせ、脅迫を繰り返したのです。これに対して、我々は2005年時点で司法告訴を起こし、中共の『610弁公室』が直ちにこうした違法行為を停止するように要求しました。予審で裁判官は中共政府に対して、電話はどこから誰がかけているかを調査し報告するよう質問状を送っています。我々は、中国国内から電話をかけてきている証拠があります。彼らは電話の中で脅迫し、大きな騒音を流して嫌がらせをし、罵っていました。残念ながらベルギー政府は中共政府から回答を得られませんでした」と話した。

 Beauthier弁護士は「今日、我々はベルギー政府の司法機構を通して、ベルギー政府は中共当局に対して引き続き回答を求めるように要求します。また、裁判官は調査範囲を拡大するように要求します。なぜなら、新たな電話による嫌がらせが起きており、ベルギー在住の法輪功修煉者を脅迫しているからです。よって、司法調査をお願いします。中共はヨーロッパや中国内の中共と異なる意見を持っている人たちを脅迫し、脅威を感じているからです。しかし、中共は何の処罰も受けていません。これは非常に大きな問題です」と指摘した。

 中国人の人権問題に関して、Beauthier弁護士は次のように述べた。「中共は中国国内で法律もなく勝手に人権侵害をしています。アムネスティ・インターナショナルと人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ (Human Rights Watch)は中共の人権侵害に対して、確実な証拠による報告書を公開しています。今さらに中共はヨーロッパでベルギー人やベルギー在住の中国人の人権を侵害し、人々の安全を脅かしています。ですから、これはとても大きな問題です。今回は彼らをヨーロッパの法律による刑罰から逃してはいけません。20年前の天安門事件での若い大学生たちに対する大虐殺から、十年前の法輪功修煉者に対する残酷な迫害、中共は中国国内での自国民に対する弾圧をますますエスカレートしています。我々は引き続き『610弁公室』を強く非難します。中共の人権侵害を世界中に暴きます」

 法輪功修煉者たちは迫害制止を求める

 告訴人の一人であるベルギー在住の法輪功修煉者・侍さん(女性)は公聴会が終了した後、質問に対して、「法輪功が不法に迫害されてから十年が経ちましたた。迫害制止十周年において、電話による嫌がらせ事件の公聴会と司法部門に対する私たちの要求は大きな意義を持っています。なぜなら、中共の迫害には何の法律的な根拠もないからです。そして、中共の迫害はベルギーの法律を違反しており、国際法にも違反しているからです」と答えた。

 侍さんは「この事件について、今日ここで公聴会を行ったことは中共の犯罪を暴くチャンスであり、ベルギーの公民としてベルギー国内にいながら中共による嫌がらせを受けているということは、もちろん中国国内にいる千万人の法輪功修煉者たちが直面している中共の残酷な迫害が想像以上に残虐で卑劣なものであることが分かるでしょう。ベルギー政府と国際社会が一体となって中共の法輪功に対する迫害を停止させ、犯罪者を法律に基づいて処罰するべきです」と指摘した。

 この事件の今後の進展に対して、彼女は、ベルギーの司法部門が諦めずに中共に対して調査を続け、ベルギー政府も法律の公平性を尊重し、中共の経済的誘惑と政治的な誘惑に負けないでほしいと話した。

告訴人の一人であるベルギーの法輪功修煉者の二コラスさんがベルギー国家テレビ局のインタビューを受けている

 もう一人の告訴人であるベルギーの法輪功修煉者の二コラス(Nicolas)さんは、「私は一ベルギー国民として、また被害者として、今回の事件は中共の人権侵害の一つの事実です。中共がすべての法律を無視して人権侵害をしていることの証拠です。より大勢の人々に中共はいかに国の法律と国際法を無視しているかを知ってほしいです」と話した。

 二コラスさんは「ベルギー司法システムは引き続き中共を調査するように要求します。中共のこのような残酷な政権を放置してはいけません。彼らは国内、国際の場を問わず、法輪功修煉者たちに嫌がらせをして、中共の洗脳術を世界に広げ、インターネットでウイルスを世界中に配信しています。これは決して許してはいけないことです。ベルギーの裁判所が法律に基づく行動を取るように強く要求します」と話した。

 事件の背景

 1999年7月、中共は中国国内で不法に全国範囲で全面的に法輪功を迫害し始めた。同時に、こうした法輪功修煉者に対する迫害を国内から「輸出」して国際社会に悪の手を伸ばしている。様々な卑劣な手法を使って嫌がらせ、脅迫を法輪功修煉者に強制した。特に2004年末から2005年始め、大勢の海外に暮らす法輪功修煉者たちがこうした脅迫と嫌がらせを受けた。

 2005年7月19日、二人のベルギー在住の法輪功修煉者の二コラスさんと侍さんは、ベルギーの高等裁判所に中共の「610弁公室」、中共政法委書記・羅幹、公安部長の周永康、副部長の劉京、及び国家安全部長の徐永躍を騒乱罪で刑事告訴した。

 「610弁公室」は中共の法輪功への迫害を目的とした指定機構である。国家法律を踏みにじり、国家の資源を利用して、法輪功への迫害を計画し、実施してきた。

 ベルギーの高等裁判所は当時、この事件を正式に受理した。その後、調査を展開した。ベルギー国内の調査が終わると、ベルギー政府に中共政府当局に対して調査に協力するように要求したが、返事は得られていない。

 現在、ヨーロッパではスペインの国家司法部門も中共に対する調査を始めている。2003年、法輪功修煉者は中共の元主席の江沢民、羅幹を刑事告訴することに成功している。彼らは集団虐殺、拷問罪に問われている。2004年、中共の賈慶林はスペインを訪問中に拷問罪と人道に反する罪で、スペインの法輪功修煉者に告訴されている。

 また、スペイン国家裁判所のSantiago Pedraz氏は2009年5月上旬、中共当局に対して、チベット人権侵害について8人の中共幹部に対する集団虐殺罪を調査するように要求している。容疑者には中国公安部長、国安部長、国防部長らが含まれている。この告訴は、2008年にあるチベット人団体がスペインの司法部門に提出した。2008年3月の中共のチベット弾圧は、集団虐殺罪に当たるとして告訴した。

 2009年6月4日

(中国語:http://www.minghui.ca/mh/articles/2009/5/31/201984.html