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カナダ勲章の受章者:法輪功は遅かれ早かれ中国で流行する(写真)

(明慧日本)カナダ勲章の受章者で、国際人権弁護士であるデービッド・マタス(David Matas)氏は2009年5月30日、トロント大学で開催された中国宗教および人権研究討論会で講演を行なった。会議の参加者は、マタス氏の法輪功および中国におけるイデオロギーに関する研究成果を分かち合った。

カナダ勲章を受賞したデービッド・マタス氏

 法輪功は性と命を共に修煉する伝統健康法であり、1992年に中国大陸で伝えられ、修煉者は心身ともに健康になったことで、わずか7年間で一億人近くの修煉者を有する人気の気功となった。1999年7月から、中国共産党は法輪功に対して残酷な迫害を行い、現在、最も注目を集める世界の人権侵害となっている。

 2006年7月、カナダ外交部のアジア局の局長であるデービッド・キルガー(David Kilgour)氏はマタス氏と共に独立調査を行い、中国大陸で生きた法輪功修煉者からの臓器狩りを行なっていると報告した。マタス氏は、調査のため世界各地の法輪功修煉者を訪ねた。マタス氏の話によると、西洋社会において自分ほどこんなに数多くの法輪功修煉者を知っている人はいないだろうと話す。

 以下はマタス氏の講演の内容をまとめたものである。

 イデオロギー上の対立

 中共は自分が操ることのできない信仰に対していつも弾圧の手段をとるが、法輪功に使っているあらゆる誹謗中傷の宣伝と弾圧の酷さは他の信仰団体をはるかに超えている。一つ重要な原因として、法輪功の修煉者が多いからである。中国政府当時の推算によると、1999年までに中国本土において7千万人の法輪功修煉者がおり、社会各階層に分布していたという。それに対して、共産党員はわずか六千万人しかいなかった。

 法輪功は当時、共産党に反対していないが、彼らの大多数は共産主義者ではない。これ自身は共産主義者にとってすでに一つの憂慮となっている。もっと肝心なのは、法輪功が唱える原則は真善忍であり、これらの原則は特殊には見えないが、不誠実、凶悪と暴力を原則とする中共から見ると、脅威となっている。中共はこれらの原則を声明していないが、数十年来の行いから見ると、不誠実、凶悪と暴力は中共の特徴となっている。二つの団体の唱える原則が相容れないものであるからこそ、数多くの中国民衆が法輪功を信じることが中共に恐怖を感じさせたのである。

 一人の悪者にとって、最も恐ろしいのは誠実な人に遭遇することであり、腐敗の天敵は賄賂を断る人である。物は類を以って集まり、人は群を以って分ける。法輪功修煉者に対して中共は話すこともできず、暴力に訴えるしかない。

 共産主義の失敗が中共に恐怖を覚えさせた

 共産主義の旧ソ連、中欧および東欧の崩壊に中共は苦しみを感じた。法輪功は天安門事件および共産主義の世界各地での崩壊後に伝え出され、7年間に共産党を上回る規模にまで発展した。これほど大きな団体が現れ、しかも法輪功が唱える原則は中共と全く異なっていることを見て、他国の共産党と同じ結末になる恐れ(つまり、コントロールを失う恐れ)があるため、無辜の民衆を故意に敵に回して大規模の弾圧と迫害を始めた。

 法輪功修煉者の能力も中共に恐怖を感じさせた。1999年に中共がある青少年科学雑誌に文章を掲載し、法輪功を誹謗中傷した。数多くの法輪功修煉者が天津市にある当該雑誌のオフィスに駆けつけて抗議した。警察が暴力を加え、数人の法輪功修煉者が捕まった。

 同年4月25日に、一万人あまりの法輪功修煉者が北京中南海付近に駆けつけて、捕まった法輪功修煉者の釈放と法輪功の修煉を認めるよう求めた。この陳情活動は非常に平和的であり、スローガンさえなかった。これは、天安門事件後に北京に集まった人数が最も多い事件であり、当時の中共の総書記である江沢民はひどく驚いた。

 法輪功に組織はなく、リーダーもいないのに対して、中共は組織である。しかも中共は、法輪功が組織であり、イデオロギーにおいて中共と異なると考えている。法輪功のリーダーが見当たらないことが中共の疑心と恐怖を強めた。

 法輪功には組織がない

 法輪功には組織がなく、国民運動でもない。法輪功は単なる5セットの動作と精神上の原則を持っている。何も登録する必要はなく、いかなる組織に参加しなくても法輪功を始めることができる。いつでも止めることもできる。法輪功に関するあらゆる情報は皆公開されている。

 法輪功の創始者である李洪志先生は本を書いたことがあり、公開講演をしたことがあり、これらの本は皆インターネット上で見ることができる。彼は単なる精神的リーダーであり、いかなる組織の首脳でもない。

 法輪功には組織がないという特徴により、中共は法輪功をコントロールすることができない。他の信仰団体には組織があり、中共が彼らを排除する方法は彼らの組織に取って代わることだ。例えば、中共政府がバンチェンラマを任命する。ローマカトリック教の主教、ムスリムの司式僧を選定する。このようなやり方によって、中共はこれらの宗教信仰団体を弾圧するときに多少遠慮する。なぜなら、中共が自分の任命した宗教リーダーのイメージを破壊したくないからである。

 法輪功には組織がないため、中共はこのようなやり方で法輪功をコントロールすることができない。この原因があるからこそ、中共の法輪功に対する弾圧はより残酷である。中共に不法に捕まった法輪功修煉者は、自分の職場や家族に迷惑をかけたくないと考えて自分の姓名や住所を言い出さないことにした。彼らは行方不明になりかねず、さらに臓器狩りの対象となりかねない。

 法輪功は中国で流行する

 法輪功は中国に生まれ中国で育ったもので、中国の伝統文化に根を下ろしたものであり、動作があれば、精神的内包もある。ソ連の解体と共に世界が共産主義を信じないことからきたしたイデオロギー的な空白は、中国において法輪功で補充された。当時、中国にたくさんの信仰が現れたが、主流は法輪功であった。

 中共が現在遭遇した問題は、単なる法輪功が中国伝統からきたものに留まらず、共産主義は明らかに外来のものであり、西洋のイデオロギーが中国に輸入されたものである。中国伝統を基礎とするイデオロギーが中国で速やかに成長すると、絶えず共産主義が存在する基礎を弱めている。中共の生存基礎である、数十年来絶えず中国民衆の頭に教え込んだイデオロギーがなくなりかけている。いったん、中国人が中共のイデオロギーを信じなくなったら、中共が政権を失う日はもう遠くないだろう。

 共産主義が中国を統治することは、社会主義という経済概念を基礎とするものであるが、中共はすでにこの概念を放棄した。毛沢東以降の中共リーダーは彼ら自身の理論の提出を試みたが、効き目があまりなかった。目下、中共政権は群衆基礎を失っており、腐敗、暴力および恨みを宣伝、扇動することで統治を維持することしかできない。正当なイデオロギーのない政権は非常に脆弱なものであり、中国は現在、懸崖の縁に立っており、いつでも落ちる可能性がある。

 法輪功は政治的なイデオロギーがなく、政治的な訴えもない。もし中国に明日革命が起きたら、ある人は政権を法輪功に預けたいと希望するかもしれない。しかしながら、彼らが最初に遭遇した問題は法輪功の誰に言えばいいかということである。なぜならこの団体にはリーダーがいないからである。たとえ適当に数人の法輪功修煉者を選んで政府を作らせるとしても、彼らは、そのやり方について見当もつかないだろう。なぜなら、迫害を停止するように要求する以外に、法輪功修煉者にはなんら政治的な計画も持っていないからである。

 信仰の作用は無視できない。歴史上、キリスト教はある意味ではローマ帝国の弾圧に抵抗していた。いかなる政治的主張もないキリスト教徒は残酷な迫害を受けていた。ローマ帝国は最後にやはりキリスト教を信仰する国となった。

 ローマ皇帝であるコンスタンティンは、312年からキリスト教徒となった。391年にローマ皇帝であるテオドシウス一世は、キリスト教を国教と定めた。

 弾圧を好む政府は、ときとして覆されてしまう。覆されなくても内部から自然に腐敗してしまう。今日の専制被害者は明日のリーダーになるかもしれない。そのとき、彼らに迫害を加えたイデオロギーを投げ捨てられると同時に、新しいイデオロギーを探し始めるだろう。遅かれ早かれ、彼らは法輪功を探しにくる。法輪功は共産主義が解体した後、中国に出現した最も注目を集める信仰体系であり、中国伝統に根を下ろしたこの信仰体系こそ中国人を結束することができ、本当の調和した社会を実現することができる。

 遅かれ早かれ、法輪功は中国で流行することになる。現在の法輪功修煉者が将来の中国のリーダーになるからではなく、将来の中国リーダーが法輪功修煉者になるからである。1700年前のローマ帝国の皇帝、コンスタンティンがそうであったように。

 2009年6月17日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2009/6/16/202839.html