もし「4.25」の陳情がなかったら(写真)
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文/陸振岩

(明慧日本)1999年4月25日、一万人の法輪功修煉者が北京の中南海近くの府右街で集団陳情を行い、今日まで11年が経った。中共はその3カ月後、法輪功修煉者に対して大規模な迫害運動を起こした。「もし、一万人の法輪功修煉者が北京に行かなかったら、中共による弾圧も引き起こされなかったでしょう」と、多くの人がこの二つのことを原因と結果の関係であると思っている。本当に陳情がなければ迫害は起きなかったのだろうか?

1999年4月25日、「国務院信訪弁」に真実を伝えようとする法輪功修煉者たちが静かに待っている

 まず、「4.25」の北京に陳情した直接の起因を見てみる。当時、天津では現地警察が45人の法輪功修煉者を殴打して逮捕する事件が発生した。天津の警官は請願する法輪功修煉者に「私たちは北京の命令を執行しているから、あなたたちは陳情するなら、北京にいきなさい」と話した。つまり、天津の警官は法輪功修煉者に北京への陳情を催促していた。

 地方当局は普通、民衆が北京へ陳情することをさせない。恐らく自らの官職に影響が出ると思っているからであろう。特に1999年4月末、ちょうど中共「6月4日」の天安門事件の10周年を迎える敏感な時期で、天津警官は随意に民衆が北京へ行って陳情することを扇動するはずがない。換言すれば、天津警官は本当に北京からの命令を執行し、なるべく修煉者たちに北京へ陳情することを促した。法輪功修煉者は一夜で北京に現れたため、中共が激怒したという話は、まったく捏造されたことで、宣伝のための作り話だった。

 天津での法輪功修煉者を殴打と逮捕の背景というのは、天津教育学院の雑誌に政法委の羅幹の親戚・何祚シウが法輪功を攻撃する文章を発表したため、法輪功修煉者が雑誌編集部に事実と反すると伝えた。出版社側は事実を理解した上で、訂正の声明を発表する準備した。しかし、4月23日、天津市は急に特殊警察300人を出動させ、自発的に編集部に出向かい事実を説明する法輪功修煉者45人を殴打し、逮捕した。

 天津事件の前、1996年に中国宣伝部に所属する新聞出版署は全国各省新聞出版局に内部伝達書類を発した。「迷信を宣揚する」という理由で、当時、北京の10位内のベストセラーであった『転法輪』、『中国法輪功』などの法輪功書籍を出版しないという内容であった。

 1997年の初めごろ、法輪功に対して羅幹は公安部に指示を出し、証拠を集めるため全国調査を行った。法輪功を「邪教」と決めようとしたのだ。1998年7月、公安部一局は「公政1998第555号」の文件で『法輪功に対する調査の展開の通知』を発した。その文件は、まず法輪功を「邪教」に決定し、続いて、法輪功の活動状況を掌握し、違法の犯罪証拠をつかむため、各地の公安政保部門は深く調査しなければならないと書かれていた。

 全国各地で2回にわたる調査では、法輪功の犯罪証拠が一つも見つからなかった。しかし、遼寧省、新疆自治区、黒龍江省、河北省、福建省などの地方公安部門は法輪功修煉者の集団煉功を強行解散させ、民家に入って、個人に属する私有財産などを没収した。

 振り返ってみると、羅幹らは「法輪功事件」を起こさせたかったである。仮に「4.25」の陳情がなければ、羅幹たちは同様に別のことを捏造して「法輪功事件」を起こさせるだろう。最終的に1999年4月25日に1万人の陳情が起きた後、江沢民は、歴史に前例のない大規模な法輪功への弾圧を起こした。

 弾圧から7年後、出版された『江沢民文章の選集』の中に、中共が法輪功への弾圧を起こした本当の原因が発表された。江沢民は1999年4月25日夜、政治局宛の手紙(選集のテーマ『一つの新しい信号』)に、明らかに早いスピードで発展する法輪功に対して、民衆の心を凝集する力を恐れていたという。江沢民は「われわれ共産党はマルクス主義理論を持っていて、唯物論、無神論を信奉している。まさか、法輪功が宣揚するものに勝てないわけがない」と発言した。

 法輪功は佛家の修煉法で、いかなることも争奪しないのである。しかし、今日の道徳が破壊された社会に、「真・善・忍」を基本原則とする修煉は多くの人の目を引いた。法輪功修煉者は社会でとても高い評価を得た。人心が善の本性をもっており、これはいわゆる「凝集する力」である。

 この角度からみると、法輪功への弾圧の発端は、「4.25」の事件と因果関係はない。科学的か非科学的か、薬を飲むか飲まないかなど、何ら関係ない。中共が法輪功を弾圧する原因は、はっきりと言うと「学ぶ人があまりにも多い」とも関係なく、本当の原因は「良い人が多くなった」ということである。多くの民衆は「真・善・忍」を信条としている。それに対し、嘘と暴力を頼りとする中共政権は怖くなり、結果的に弾圧を行ったのである。

 
(中国語:http://minghui.org/mh/articles/2010/4/21/221890.html)     更新日:2011年12月7日
 
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