日本明慧
■印刷版   

国連:特別調査官、中国の拷問問題について報告

(明慧日本)国連の拷問問題専門調査員マンフレッド・ノワク氏は、国連第13回人権理事会において、6年にわたって世界の多くの国で現地調査した結果を報告し、各国の関心を集めている。同教授は報告の中で、人権問題が存在する国々の拷問の実情を詳しく分析した。特に中共(中国共産党)が法輪功修煉者への迫害で用いている拷問について、報告の中で引用した。

  報告は、「拷問は人の尊厳に対する最も残忍な攻撃であり、最も厳しい人権侵害である。特別な場合、例えば戦争や国内の動乱下においても、拷問や虐待は禁止されている」と述べた。

  「最も危険なのは、政府が自分たちと異なる政治意見を持つ人々、あるいは政府の政策を批評する人々に対して拷問を加え、自国民を恐怖に陥れることである。拷問の被害者は多くの場合、政府と異見を持つ者、政権の反対派を含む、信仰団体、民族団体のメンバーおよび人権を守る人々である。拷問は、いつも強制連行および恣意的拘禁とつながっており、異議者の声を消すために用いられる。拷問の実施者は軍隊、警察、あるいはこれらに属する国有でない部門である」

  報告では、中共が法輪功修煉者に加えている拷問を重点的に述べた。「中国政府は、異議者を弾圧する制度化された方法を持つ。中国政府は政治に対する異見者、人権活動家、分離主義の傾向の疑いのある少数民族(特にチベット族、ウイグル族)および信仰団体、例えば法輪功修煉者に対して、政治犯、国家の統一を破壊、国家や政治の転覆を計る、国家の機密漏洩などの罪名で逮捕する。彼らは拷問される危険性が高い」

  「中共のような集権国家は、労働教養所を利用して政治犯に刑罰を与えている。労働教養所の中では政治犯に対して、圧力、屈辱や懲罰などの手段を用いる。その目的は、拘禁者の人格や意志を変え、破壊しようとするものである。労働は精神的な拷問ではないが、その本質は非人道的で、人格を侮辱し、懲罰を与えている」

  同教授は、「中共が過去2年間、政治的に拷問を使用した、信憑性の高い告発を何度も受けている。中共は法輪功修煉者への迫害手段として拷問を使用している。拷問の手段については、被害者が受けた多種類の拷問手段に、私は恐怖を感じた。ここで拷問手段の詳細を列挙したとしても、被害者が当時受けた恐怖を表すことができないが、拷問手段の一つ一つについて検証する必要はある。私が強調したいのは、被害者が抵抗できない虐待の残忍性に、極端に驚いている。このほか、われわれが注意すべきことは、拷問の手段について、創造力と発揮力が極悪の境地に達しているということだ」

  同教授は、拷問の種類について陳述した。「被害者は経験したことのない、制約されない暴力や虐待に遭っている。被害者らが、日常茶飯事のように受けている拷問は、意識を失うまで殴る蹴る、棍棒、警棒、鉄棒、銃把あるいは金槌で殴打され、鞭やチェーンで打たれ、頭部にビニール袋あるいは防毒マスクを被せて窒息させる、刺激度の高い唐辛子の粉などを入れる、タバコや熱した金属器具を用いて皮膚を焼く、身体の敏感な部位を殴打、電気ショック、生殖器、大、小腿を踏みつける、爪に針を差し込む、銃撃などである。また、拷問の手段は簡単に強めることができる。被害者を椅子や湯暖房器具に手錠で固定する、裸にする、天井につるし上げるなど。その中で被害者は自分を守る能力を失っている」

  「悪名高い拷問手段は、名前を聞くだけで拷問の内容を想像できる。例えば『飛着』(空中に飛ぶ)、『焼鶏大窩ポ』(両手を背中に回して手錠で固定し、首と両足が水平になるようにロープで縛り付ける)、『トラの椅子』、『アオ鷹』、『開飛機』などがある。動物や商品名を利用して拷問を命名するということは、被害者をさらに侮辱し、被害者を非人道的に扱っている証拠である。これらの拷問手段は法輪功修煉者の迫害に広く使われ、修煉者の信仰を止めさせるため、人体が耐えられる能力への最大の挑戦である」

  「中共の司法は、国連拷問禁止条約を締結した国として、規約を守っていない。規約第15条では、この条約を締結した国はいかなる訴訟をも保障しなければならず、拷問をもって供述させた内容を、裁判の証拠として採用してはならないと明確に書かれている。その一、供述を取ろうとして、取調べに拷問をよく用い、規約を保護するのは、拷問を根絶するための意図的な方法である。その二、供述の信憑性を保つため、拷問をもって得た自白内容は信用できない。これらの自白内容を採用させないのは、冤罪者を出すことを防止するためである」

  「例えば、中国においては、罪を認めさせることが重視されている。刑事訴訟法にも拷問、脅し、誘導、騙し、また他の方式で自白内容を取ってはならないと明確に規定されている。しかし、裁判所は訴訟期間中に不当に得た自白内容を、採用してはならないと規定されていない。この一点から言えば、最高裁判所は拷問をもって得た自白内容に基づいて罪を決めてはならないと称しているが、実質的には刑事訴訟法には禁止されていない。これでは拷問の根絶を希望する国連の目的に達することはできない」

  同教授の報告は国際社会に重視されている。今年度の報告は、中共政権が国際契約を無視し、ならびに人権案件を徹底的に暴露した。報告内容は国連に記録され、ホームページ掲載され、各国政府や人権組織に参考資料として提供している。

  報告内容は、以下の国連ホームページからダウンロードできる。
 http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/docs/13session/A.HRC.13.39.Add.5_en.pdf

  2010年5月30日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2010/5/24/224230.html

■関連文章
中国共産党の薬物による法輪功修煉者への迫害実例、国連で報告される
国連の拷問に関する特別報告員:中共の法輪功に対する迫害が激化(写真)
国連拷問問題の調査官、総括レポートで実地調査を妨害した中共を非難
国連は医療の道徳的モラルに関心を寄せ、迫害案件に注目
多数の法輪功修煉者が2009年に迫害された案件を国連に提出
カナダ国会:シンポジウムで中国の司法の真実を暴く(写真)
国連特別調査官:中国共産党による法輪功修煉者への臓器狩りに関する報告
国連2010年レポート、中国の人権弁護士の状況に注目
信仰の自由への侵害として、中国が再び自由弾圧特別関心国と指定される(写真)
ラジオフリーアジア「米国、中国における宗教の自由の著しい侵害を懸念」