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最後の授業

(明慧日本)以下の文は、ある法輪功修煉者の大学教師が、大学で行なった最後の授業の内容である。
 
 皆さん、こんにちは!
 
 今日はテストを行います。テストの題は具体的に決まった問題ではありません。私にも正しい答えはありません。この世で決まった標準の答えは存在しないのです。私達は自ら探し当てなければなりません。先生はただ、皆さんにいくつかの意見を言い、道は皆さん自身が歩んできたのです。皆さんが解こうとしているこの問題は、言うことが理にかなっていれば、私は皆さんに高い点数をつけます。私との意見の一致は必要ありません。今学期、皆さんに授業をしてきて、自分なりの、そして理性的な考えを持つよう励ましてきました。あなたたちのテストも原則に従ってやれば良いのです。
 
 これは、私と皆さんがそろう最後の授業です。皆さんはこれから社会に出ます。だから、ここで少し話したいと思っていますし、皆さんの助けになれば幸いです。今学期の最初に、私は皆さんに対する期待を二つ言いました。一つ目は、嘘をつかないこと、二つ目は、正義を持つことです。今、課程が終わり、私はまた三つのことを言います。
 
 一つ目は、広い心を持つことです。皆さんの意見が一致しないのは当たり前のことです。たとえ自分が自らの観点が正しいと思っていても、他人に強引に押し付けたりしないでください。違う見方をする人たちを優しい心で見つめるのです。これは正しい社会、正しい人間になるための基本的な要求です。あるフランス人がこう言いました。「私はあなたの話に賛成しないが、あなたが意見を言う権利を必死に守ってみせる」と。皆さんがこの点について何か認識があれば良いと思います。
 
 私は企業で何年間か管理の仕事をして、社会現象について考えました。皆さんと同じように、教科書で勉強したことと実際の生活との差は大きいと感じました。たくさんの生徒たちが社会に入り、しばしば迷ったり、挫折しやすくなったりしてなかなか慣れないだろうと。だから、私は授業で皆さんといくつかの現象を分析し、皆さんがそれぞれ独自の考えを持って、一人一人が順調に社会に出て、傷つけないように期待しています。
 
 一人の独立した人間になるには、寛大な心を持ち、強靭にならなければなりません。困難に遭っても情に心を動かされず、理性をなくしたり、まして神経衰弱になったりしないこと。たとえば、皆さんが小さいころから学校で受けた教育はすべて法輪功を迫害するようなものばかりですが、皆さんがこの国を出て、香港や台湾、タイ、マレーシア、インド、アメリカ、ヨーロッパ、日本などであなたたちが法輪功のパレード、チラシを見たとき、皆さんはどう思いますか? 皆さんは教科書で「天安門自殺事件」を読んだと思います。しかし、その件に関するビデオを客観的に分析すれば、偽造されたもので、一つの陰謀であることを知り、そして国連がその偽造を記録に載せたことを知ったとき、皆さんはまたどう思うのでしょうか? あなたは相手に突き進んで殴るでしょうか、それとも心の中で冷静に考えるでしょうか?
 
 皆さんは44年前のあなたたちと同年代の人たちが何をしていたのかを知っていますか? では、皆さんに教えましょう。そのときは皆、紅衛兵をやっており、「文化大革命」や「四つの古いものを破る(思想を破り、文化を破り、風習を破り、習慣を破ることを意味する)」など、先生を批判し、教師を告発して殴り殺し、社会では言論で攻撃し、武力で戦っていました。これはまさに大災害なのです! 民族の災難です。私は皆さんには紅衛兵にならず、理性的な社会の一員になって欲しいのです。
 
 今日は、私がこの学校で最後の授業をする日でもあります。私の契約の期限が来てしまい、学校は引き続き私を雇ってはくれません。学校のほうは理由を言いませんでしたが、私はちゃんと分かっています。もしかしたら、私が授業で分析した社会現象が、誰かが理解できずに学校に告発したのでしょう。これに対して、私は皆さんを恨んだりしません。ただ、残念で悲しさを感じます。先生である私がしっかりと教えることができず、皆さんと一緒にもっと理性的で、公正で、独立した思考と心理状態を育むことができなかったことに、私はとても後悔しています。
 
 二つ目は、私たちは自分たちの命を大切にし、この国を愛し、社会に対する責任をしっかりと負うことです。私たちの中国の歴史はとても長いですが、近年になるとたくさんの災害が起こっています。中国にはもうすぐ天変地異の変化が訪れてきます。皆さんは検証者になり、体験者になるでしょう。そのとき、皆さんには自らの良心や理性と勇気、そして良き選択で中国と世界の新紀元を迎えて欲しいと思います。
 
 三つ目は、皆さんが人生の道をしっかりと歩んでいけることを祝福します。我々がここで会えたのも何かの縁です。半年だけの先生と生徒の関係を過ごすのではなく、私は皆さんの一生の友達になりたいのです。皆さんがこれから何かの問題に遭った時は私に言ってくれてもかまいません。
 
 最後に、私は皆さんへの祝福を三文字で贈ります。皆さんがこのような人間になれることを願っています。三文字とは「真・善・忍」です。
 
 ありがとうございました。
 
 あなたたちを愛している先生より。 
 
2011年01月18日

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