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北京:団河労働教養所の法輪功修煉者に対する迫害手段と実態

(明慧日本)団河労働教養所は、中国の首都・北京の近くに位置している。中国共産党が法輪功への迫害を行う中で、団河労働教養所は他の労働教養所とは違う「役割」を演じている。
 
 期間と性質
 
 中共が1999年7.20より法輪功への迫害を開始してから、団河労働教養所の労働教養の期間はだんだんと長くなり、より巧妙に行われるようになった。団河労働教養所が実施している労働教養の期間は、全国のほかの労教所に比べて平均的に1年〜1年半長い。1999年には法輪功修煉者への拘置期間は1年だった。しかし、2000年になると1年半になり、2002年になると2年間というようにだんだんと延長されるようになった。2008年になると拘置期間が3年間にまで延ばされるケースも現れ始めた。
 
 団河労働教養所は任意に3カ月、4カ月、半年など、法輪功修煉者の拘置期間を延長し、長い場合は1年間延長して迫害を継続する。様々な圧力の前でも自分の信仰を堅持する修煉者に対しては、一度仮釈放をして安心させた後、再び610弁公室と協力して、新たに迫害を行う。例えば、法輪功修煉者の高昌澤さんへの迫害はこのケースの一つである。高さんは最初に収監されて迫害された際、暴行されても中共に妥協せず、「転向」しなかった。その後、高さんは釈放され4カ月で自宅に戻ったが、再び拘束されて迫害された。
 
 システム化する迫害の手段
 
 団河労働教養所での迫害のプロセスは分業化が進み、システム化されている。長年継続される迫害の中で、彼らはさまざまな「経験」を蓄積し、法輪功修煉者に対する迫害手段は「専門化」「システム化」され、精神や肉体を傷めつける手段や方法を数多く蓄積してきた。彼らは、労働教養所内に管理課、教育課、労働課などを設け、それぞれ人員を配置し専門的に迫害を行っている。
 
 具体的な管理状況は以下の通りである。まず、信仰を堅持するという理由で拘束された修煉者への手続きを管理課が担う。管理課は収容者への日常的な管理を担当し、また収容者の生殺与奪の権を持つ最大の権力を握っている。教育課はいわゆる「文化の授業」等を行うことで、収容者への思想的な「矯正」を施す役割を担い、実質上、修煉者に対する洗脳と自由意志への迫害を行っている。労働課は収容者に日々、過酷な労働を課すことで、身体的迫害を行うと同時に、労働による利潤を搾取している。

団河労働教養所の平面図

 団河労働教養所内は外の世界とは隔絶した、特殊かつプログラム化された規律によって運営されている。所内の看守たちは、修煉者への迫害を、規定されたプログラムに則って日常的に行っているため、道徳観念や良知が麻痺してしまっている。彼らは、迫害を自分が生きるために必要な「仕事」として捉え、異常な現実にいつしか慣れてしまい、迫害が日常の風景の一部となり、自分が迫害を行うことと、修煉者が迫害されていることを当たり前の秩序としてみなしている。つまり、労働教養所という空間の中に、ある種の閉鎖された世界が形成されており、労働教養所内部は「規律」が絶対であり、団河労働教養所に収容された人間は規定されたプログラム通り迫害のプロセスを受け、「教育」が終了しないと釈放されることは不可能とされ、収容者は定められたプログラム通りに進めなければ、自動的に刑期が「延長」される。さて、実際に労働教養所という「世界」の中はどのような状況なのだろうか。
 
 迫害の具体的な事例
 
  収容者は施設内を歩く時、通路の真ん中を歩くことは許されず、必ず隅の暗いところを歩かなければならない。壁の右側に沿って頭を下げ、まっすぐ前へ歩かなければならない。例えば、ドアが自分の斜めにある場合、斜めに直接入ってはならず、必ず90度曲がり、正面から入ることは許されない。このような規則は通常、精神病患者に対して行われるものであるが、労働教養所はこのように規定を、「品行を正すための規定」と呼び、施設内の秩序としている。
 
 また、収容者は何をするにも大声で看守に報告しなければならないと規定され、教養所は、これを「精神を正す規定」と呼んでいる。看守に会う時は常にこのように「報告」をしなければ規定に違反した者と見なされ、給水室やトイレに連れて行かれ、100回以上「隊長はすばらしい」などと大声で唱えなければならない。収容者は、すべてのことを「報告」しなければならず、体がかゆくても「報告」なしでは手を動かすことも許されない。
 
 また、トイレに行く時は必ず集団で行かなければならず、行きたくなくても行かなければならない。全員が用を足し終えるまで、ほかの人は待たなければならない。
 
 食事の前には、必ず皆で隊伍を組んで、整列し、スローガンを復唱した後、司法部の23条(編集者注:収容者が守らなければいけないとされる所内のルールのようなもの)を暗記してからでないと食事をすることができない。食事は茹でた野菜だけで、食堂の壁には様々な統計のグラフが掲示され、大きなスクリーンに食事(茹でた野菜)のメニューが表示されている。彼らはこれを「科学的管理」「健康的な給食」と呼んでいる。また、収容者は市価よりも高い給食費を請求される。
 
 拷問の事例:細い椅子に座らせる
 
 また軍隊式の姿勢を強制したり、小さい椅子に座らせたりして虐待する。年齢を問わず、収容者は1つ20元で、プラスチック製の小さな子供用の椅子を買わされる。体格や体重に関係なく、小さな椅子に同じ姿勢を保って座らなければならず、座るときにも立ち上がる時にも集団で同じ行動を取らなければならない。同じスローガンを復唱し、7〜8からなる一連の動作を完成しなければ座ってはいけない。座る時、腰を椅子に触れてはならない。この一連の動作は、彼らが人の人間性や尊厳を崩壊させるために実施している迫害の一部である。教養所は、最終的に修煉者たちの意志を崩壊させ、奴隷のように扱うことを目的としている。
 
 精神的な迫害:全面的な洗脳を実施
 
 団河労働教養所での法輪功修煉者に対する洗脳は精緻さを増し、全面的かつ徹底的に行われる。一般の刑事犯、政治犯は、毎日施設の規定や中共の法律を暗記させられるが、法輪功修煉者はそれに加えて毎日洗脳講習を受ける。法輪功を中傷する内容のビデオを毎日見させられ、毎回見た後には感想文を提出しなければならない。週に一度、洗脳班ごとに集会があり、そこで修煉者は必ず看守が意図する通りの態度を表明しなければならない。これは、「規定」が絶対であることを修煉者の心の奥深いところまで浸透させるのが目的である。
 
 洗脳の具体的な手段
 
 心理学を専攻する協力者たちが、一人一人の修煉者の動向や行動を全て監視し、精神面・心理面から修煉者たちの意志を崩壊させるように「教育」を行う。彼らは心理学の見地から神・佛の存在を否定し、『真・善・忍』を否定する理論を作り上げている。修煉者は、彼らの理論と思想を認めることを強いられる。少しでも異なる態度を示すと打撃、暴力の対象になる。
 
 「転向」された人は彼らが用意したいわゆる「三書」に必ずサインしなければならない。その後、法輪功を批判する文書を書かせられる。批判する文書は自分の感想を入れて書かなければならず、書いた文書をみんなの前で読むことが求められる。この行為を労働教養所は、「自分自身による説法」と呼んでいる。その後、さらに釈放前の試験に合格しなければならない。いわゆる試験に合格した人は、閉鎖した「管理」から半開放的な「管理」へと移行する。洗脳、労働、隊列も通常の形に戻され、買い物もできるようになる。重点的に「管理」されている時は買い物もできない。
 
 残虐かつ隠蔽
 
 最近、団河労働教養所は迫害の方針を転換し、「転向」に応じない法輪功修煉者、「転向」されたがその後に迫害を否定する法輪功修煉者に対して、より巧妙に迫害を行うように方針を転換した。高昌澤さんは「転向」を拒否した。すると彼らは高さんに対して数人態勢で人のいない監房に入れて24時間小さな椅子に座らせ、大小便を完全に禁じて、暴力をふるい、精神的に侮辱した。一連の迫害は他の収容者から密かに行われた。

北京の団河労働教養所の刑罰(実情を表現したデモ):上半身を曲がった形で壁に押し寄せ、下半身をまっすぐ立たせる。足の指を壁に揃わせて立たせる

北京の団河労働教養所の刑罰(実情を表現したデモ):椅子の上で固定され、両足を椅子に縛らせ、口を封じして手を縛り、頭を足に向かせ固定する

 また、法輪功修煉者の王エン琳さんは、団河労働教養所・第一大隊に長期にわたって迫害された。かつて18日間、眠ることを許されず、15日間大小便を禁じられた。4、5人が交代で王さんに暴力をふるった。法輪功修煉者の温継宗さんと徐承早さんは第三大隊で李偉、李柏林らに頭を壁に強くぶつけさせられて迫害された。その後、看守らは「自ら頭を壁にぶつけた」とデマでごまかした。
 
 (注:法輪功修煉者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)
 
2011年03月09日


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