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遼寧省:馬三家労働教養所の迫害の内幕(一)

(明慧日本) 遼寧省瀋陽市の市内から郊外に出て、高速道路を車で30分くらい走り、田舎道を15分程走ると、馬三家子鎮(町と同等の行政機構)に到着する。この街には、高い塀と電流が流れる鉄条網で外界から隔離された施設がある。この施設の正門には「遼寧省馬三家労働教養所」という看板が掲げられている。馬三家労働教養所には、現在、二つの男性監獄と一つの女性監獄がある。
 
 十数年来、遼寧省馬三家労働教養所では、法輪功修煉者を洗脳し「転向」させるため、暴力が日常的に用いられており、法輪功修煉者が心神喪失、身体障害、死亡などに陥った例が多数報告されている。この施設での拷問の残虐さと、種類の多さは驚くほどで、馬三家労働教養所は法輪功修煉者たちから「邪悪の黒い巣」と呼ばれている。
 
 どうして馬三家労働教養所では、中共(中国共産党)の指示の下で、法輪功修煉者に対する迫害が行われているのだろうか? それは、法輪功修煉者を搾取し、強制労働に従事させることで、教養所の職員が私腹を肥やすためである。
 
 一、不合理な経費と罰金が頻繁に徴収されている
 
 馬三家労働教養所では、受刑者の現金・財産などは労働教養所の職員に完全にコントロールされている。受刑者は、教養所に入所した直後に口座を作らされ、手持ちの現金と家族からの送金を全てそこへ預けなければならない。このようにして、職員は受刑者の財産を搾取する。職員らは本人の同意なく、受刑者の口座から様々な口実で、任意に不合理な罰金や経費を引き落とすことができる。さらに、受刑者は自分の口座の金を使って生活用品を買うとき、職員の許可を得なければならず、そのためには日々、職員の命令に従って行動しなければならない。
 
 受刑者に科せられる経費と罰金の名目は様々である。以下はその一例である。
 
 夏と冬の制服が一式ずつ職員から販売される。これらはすべて出所した受刑者が着ていた古着であるにもかかわらず、新品の価格で販売される。
 
 馬三家労働教養所では、生活用品の持ち込みは禁止されている。布団、布団カバー、スプーン、茶碗、お盆など、様々な必需品は全て教養所から買わなければならない。しかし、教養所での価格は、すべて市販のものよりも高く設定されている。しかも、販売されている品物の仕入れ先が代わった場合、職員が「生活用品が統一されておらず見苦しい」と一言いうだけで、全員が、新しい生活用品を買わなければならない。さらに、職員は受刑者の古い生活用品を廃棄用品として売り(中国では、大型ごみや廃棄用品を売り代金を得る)、その代金を全て彼らの懐へ入れる。
 
 公共場所での用品も例外ではない。食堂の魔法瓶、洗剤、フライ返し、整理箱、ごみ袋、洗濯用洗剤、トイレットペーパー、時計、照明用ライト、扇風機など、すべての公共用品は受刑者の金で強制的に購入させられる。さらに、壊れた物の修理費も受刑者が払わなければならない。例えば、脱水機が壊れたら、受刑者の金で修理される。その上、受刑者が脱水機を使うときは、毎回1元を払わなければならない。
 
 さらに、受刑者が強制労働をさせられる時に使う、労働用具の費用さえ受刑者が負担しなければならない。
 
 このような徹底的な搾取と迫害の構造は、教養所を調査する専門機関の職員が査察に訪れる際には、隠蔽される。この時、普段より良い環境が演出され、綺麗に畳まれた新しい布団などがベッドの上に置かれる。もちろん、受刑者がこれらを使うことはできないが、そのふとんの費用は、受刑者の口座から引き落とされる。また、実は査察に訪れた職員たちも、馬三家労働教養所の実態を知っているが、見て見ぬふりをしている。
 
 また、教養所内で紛失物があれば、その損失は受刑者の口座から引き出せば済むので、職員は自分の家に必要なものを所内から持って帰ることがよくある。
 
 二、腹黒い商人
 
 馬三家教養所では、最大の利益を得るために、社会から大量の業務を請け負っている。その業務は、商品加工、紙の花や飾りなどの工芸品の生産、服の生産、重労働が必要な商品の加工、屋外での積み下ろし作業、農産物の刈り取りなどであり、ありとあらゆる仕事を大量に請け負っている。また、女性受刑者が収容されている第一、第二大隊は、服飾の加工部門であり、数年前から「瀋陽宜華服装工場」として、国外や国内向けの災害救助服などを生産している。
 
 馬三家労働教養所は、労働による再教育という名目で業務を請け負っているため、人件費はもちろん、光熱費や税金すら納める必要がない。さらに、労働監査部門からの監督を受けることもないため、残酷な強制手段を用いて、休憩もなく長時間の残業を強制し、受刑者を限界まで働かせている。
 
 近年、馬三家労働教養所は「遼寧欽益服装工場」という企業と協力し、綿の代わりに劣悪な材料を使って、防寒服を作っている。2008年の四川大震災の時に、劣悪な材料で作られた数万着の防寒服を被災地域に発送した。その後、この「腹黒い商人」は事の発覚を恐れて、一部の商品を回収し、急いで受刑者に作らせた1万着の良品を、粗悪品の中に混ぜてから、再び震災地域に発送した。
 
 2009年から、馬三家労働教養所では、販売用の防寒服と綿入りベストを作り始めた。これは、外から裏まで何種類もの材料を使うが、全てが劣悪な材料で生産され、良質の綿は少しも使われていない。これらの材料は人間の血液や肌にとって非常に有害で、刺激作用が大きい。馬三家労働教養所は、服を作っている受刑者だけでなく、これらの服を使用する消費者の健康をもおびやかしている。
 
 (続く)
 
2011年05月03日

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