9月8日、楊さんの父と家族、および弁護士は共にロウ山区裁判所を訪れ、弁護士が楊さんの弁護できるよう要求した。裁判所の警備員は裁判官が会議中ということで、弁護士が裁判所に入ることを阻んだ。彼らはまた、ロウ山区裁判所の陳情部門を訪れたが、得られた回答は「裁判官らはいない」ということだった。楊さんの家族は道理をもって陳情部門の担当者を説得して、やっと裁判官に電話してもらった。しかし、裁判官は電話で、「これは上層部の指示であるため、司法局に行ったらどうだ」と言った。弁護士は裁判官に「弁護士の仕事を阻止しているのは、ほかでもなくあなただ。私はあなたを上訴する」と言った。この時、裁判官は電話を切った。9月9日、楊さんの父はロウ山区裁判所の裁判長に電話をかけ、家族が裁判を傍聴できるよう要求した。裁判長は「あなたはどうやって私の電話番号を知ったのか。午後開廷する際に、傍聴証明を作る」と言った。
9月9日午後2時、楊さんに対して不当に裁判が行われ、現場には司法警察と20人以上の警官がいて、弁護士の弁護を阻み、楊さんの家族が傍聴することをも阻んだ。当時、楊さんの母、夫、妹、妹の夫、その他の親族と親友らも現場にいた。楊さんの父は弁護人の身分で法廷に入り、楊さんのために弁護した。裁判所は楊さんの妹ひとりだけを傍聴させた。楊さんの妹が法廷に入ってみると、すでに一部の人が傍聴していた。裁判所は事前に傍聴人を用意していたのだ。楊さんの妹は、政府部門で仕事をしているらしき傍聴人に「あなたは楊雪艶を知っていますか」と聞いた。その人は黙って席を移った。
開廷中、裁判官は何度も楊さんの父の弁護を立ち切った。一度、楊さんの父が発言しようとして、まだ話を始めていないのに、検察官は手を上げ、裁判官に抗議した。楊さんの妹は憤慨の気持ちを抑えられず「まだ話をしてないのに、あなたは何を抗議しているのですか」と聞いた。この時、司法警察が、楊さんの妹のところに歩いてきて、「次に同じことをすれば、法廷から追い出すぞ」と言った。楊さんは法廷で「真・善・忍は良い人になることを教えており、間違ったことではありません。法輪大法を修煉することは無罪です」と述べた。
法廷の外にいた弁護士は、法廷に入ることを阻んでいた司法警察に「江青(毛沢東の妻)、ナチスにも弁護人がいるが、あなたたちに人を弁護させない権利があるのか」と問い詰めた。
楊さんの母は泣くあまり、地面に倒れてしまった。何度も全力を尽くして法廷に入って、娘の姿を見ようとしたが、司法警察に阻止された。楊さんの母は現場にいる人々に「真・善・忍には何ら間違いはありません。私の娘は人に害を与えたことがなく、良い人が監禁され、悪人を管理する人はいない。私たちが幹部らに賄賂していないからですか? あなたたちはみな子供がいるでしょう、自分の将来のために考えてください」と伝えた。
居合わせていた民衆は心中の怒りを口に出す勇気がなく、ひとりの女性は黙って涙を流していた。居合わせていたひとりの司法警察は、楊さんの妹婿の携帯電話を奪い去ろうとしたが、家族が阻止しようとし、対峙した。警官らは写真とビデオを撮っていた。それが終わると、現場にいた警官や傍聴人は去って行った。
楊さんの家族や友人らはこの一部始終を見て、「もし自分の目でみなければ、迫害がこんなに悪質だとは想像もできなかった」と話した。