文/陸振岩
2011年6月29日に、中国・石家荘テレビ局の「情感密碼(情感暗号)」というインタビュー番組で、「私は子供の孫になる(子供に卑屈にへりくだり、召使いのようになること)」という映像が放送され、インターネット上で話題となっている。この映像は親不孝の息子が父親に対して、言葉遣いが傲慢であったり、色々な方法で親を虐げるという内容のストーリーだ。これを見たネットユーザーらは歯ぎしりし、この親不孝の息子を激しく非難した。しかし、「不孝子」を演じていたゲストの許峰氏はこの一連の圧力に耐えられず、その内幕を暴露してしまった。いわゆる「インタービュー」番組は、事前に作られた芝居にすぎず、「父親」と「息子」は、共に会社の同僚が演じていた。このことは大きな波紋を引き起こし、ネットユーザーらは「テレビ局が大衆の感情を弄ぶなんて!」と、再び怒りを爆発させた。このような世論の圧力の下、9月14日に中国の放送総局は、やらせ番組を放送したテレビ局の当該チャンネルに30日間放送禁止の処罰を下した。また、番組を制作した「河北九天傳媒有限公司」は、営業許可書が3年間取り上げられた。
今回、いわゆる「インタビュー」がやらせであり、「大衆の感情を弄んだ」ことを指摘されたが、なんと言っても道徳的に是非をわきまえ、番組の全体を通して、不孝子の息子が正しいとは表現されていなかった。そのため中国で、社会を最も酷く害した捏造番組は、CCTV「焦点訪談」の「焼身自殺」に他ならない。
2001年1月23日に、中国及び海外を驚かせ、法輪功学習者を陥れることを目的とした天安門「焼身自殺」事件が発生した。この数年来、人々は法輪功に対して誤解があり、さらに法輪功に憎しみを持っているが、その内のかなりの人達はCCTV「焦点訪談」の「焼身自殺」の捏造番組が宣伝した、憎しみを信用してしまったためである。
CCTV「焼身自殺」番組のスローモーション分析‐1
消火器が噴射されると同時に、一つの腕が振るわれ、劉春玲氏の頭部を強打した
CCTV「焼身自殺」番組のスローモーション分析‐2
鈍器が劉氏の頭部を強打した後、弾き出された
CCTV「焼身自殺」番組のスローモーション分析‐3
鈍器が消火器の噴射の流れの逆に沿って警官のほうに飛び向かった
CCTV「焼身自殺」番組のスローモーション分析‐4
一人のコートを身に着けた男が、ちょうど手を出して自殺者の方向に立ち、一秒前に自殺者を力を入れて殴った後の姿勢を保っていた
CCTV「焦点訪談」の焼身自殺事件に関する番組は、石家荘テレビ局の偽インタービュー番組よりもさらに感情を扇動するものであった。しかし、多くの人が思いもしなかったのはいわゆる「焼身自殺」に参与した人たちの中に、法輪功の学習者一人もいなかったということだ。2001年2月4日に、アメリカ「ワシントンポスト紙」より、「焼身自殺の炎が中国の黒幕を明かす」という記事が発表され、ワシントンポスト紙の記者が自ら、現場で死亡した焼身自殺者の劉春玲氏の故郷、河南開封へ実地調査に訪れた。隣近所の人たちは、劉氏が妓女であり、しかも劉春玲氏が法輪功を練習しているところを誰も見たことがないと述べた。CCTVが放送した番組をスローモーションでみれば、劉春玲氏は実際には焼死ではなく、現場にいた警官に鈍器で殴り殺されたとわかる(上記のスローモーション分析図を参照)。法輪功は人に善を教える修煉功法であり、決して宗教のような戒律はない。しかもある点においてとても明確である。それは修煉者にとって殺生は厳禁であるということだ。法輪功の著作の中に、自殺も殺生に属し、同様に有罪であることが明確に記されている。明らかに、CCTVが発表した、いわゆる法輪功は焼身自殺を通じて「円満を求める」というのは、ただ中国共産党が法輪功の著作を焼き捨て、海外の法輪功ネットワークを封鎖した後に行われた、人を騙す手口に他ならない。
(続く)