文/日本の大法弟子
【明慧日本2012年6月16日】敵を愛することができなければ、修煉は成就できないという師父の言葉が心に響きました。私にとって、前妻は敵でした。しかし、彼女は常人で、私は修煉者です。彼女を愛することができなければ、修煉者ではないと悟りました。本当に彼女と夫の立場にたって、相手のために考えなければなりません。私は前妻の身になって考えてみました。前妻は夫と共に中国からやってきて、日本に住んでいます。夫との結婚生活はケンカが絶えず、夫から離婚されてしまいました。夫や夫の家族によると、彼女は気が強いタイプで、あまり友人もおらず、仕事も不安定だといいます。彼女の親族は皆、中国にいて、相談できる人は側にいません。異国の地で一人ぼっちとなり、なんとも可哀想ではないでしょうか。私は、修煉者として取るべき態度を考えました。
まず、前妻が夫にコンタクトを取ってきても、不満を言わず、二人の仲を疑ったりしないことです。前妻は一人で寂しさと戦い、悩みを抱え、相談する人がいないのです。夫が「相談に乗っているだけだ」という以上、妻として夫を信じることにしました。同時に、私の嫉妬心も根こそぎ取り除く決心をしました。それからは態度を改め、夫が内緒で前妻と会っていても問い詰めず、メールや電話が来てもそっとしていました。このようにしていると、夫も気軽に前妻の状況を私に伝えるようになりました。しばらくすると、前妻はまた新しい男性を見つけて、結婚したいと言っていると夫が打ち明けてくれました。その後、前妻は結婚相談所に登録し、すぐに理想的な男性を見つけてスピード結婚しました。私が自分の執着心に気づき、取り除こうと決心してからほんの数カ月で状況が変わってしまいました。今では彼女にも子供が生まれ、幸せに暮らしているそうです。
この一件で、もう一つ、修煉の奥深さを知りました。師父は、『転法輪』の中で次のようにおっしゃっています。
「物質と精神は同一のものです」(第一講 煉功してもなぜ功が伸びないのか)
「心性が高まってくると、身体にも大きな変化が起こります。心性が高まってくると、身体を構成している物質も間違いなく変化が起こります」(第一講 煉功してもなぜ功が伸びないのか)
子供が生まれてから、私は腕の皮膚がガサガサになり、痒みが止まりませんでした。子供の夜泣きがひどく、睡眠が極端に減っていたので、身体の疲れが原因だとずっと思い込んでいました。ところが、前妻の結婚が決まったと夫から聞いた時に、はたと気づきました。私を悩ませていた痒みの原因は、実は睡眠不足などではなく、私の嫉妬心による「業力」ではないでしょうか? それに気づくと、心が軽くなりました。半年以上、私を悩ませていた腕の痒みはあっという間に消え、一週間後には皮膚がツルツルになりました。私が自分の嫉妬心に気づき、取り除く努力をしているのを見て、師父が私の身体にある汚い物質を取り除いて下さったのです。もし私が修煉していなかったらどうなっていたでしょうか。頑固な私の嫉妬心が原因で、夫婦ゲンカが耐えなかったでしょう。また、気が強い私のことですから、きっと前妻のところへ行って文句を言い、醜い言い争いとなって彼女を傷つけていたかもしれません。
師父は、難に遭ったら必ず内に向けて探すようにと教えて下さいました。私たち修煉者は、個人修煉の過程であっても、法を正す道を歩んでいても、常に自分の心に向かって探さなければなりません。修煉の道はとても狭く、ときに前に進むのは困難に見えます。しかし、どんなにつらくても、法の勉強をし、内に向けて探し、絶えず自分の悪い部分を取り除く努力をすれば必ず乗り越えられます。自分がどのようにすればよいか迷った時、二つの選択があると思います。一つは、己のため、自分のためという「私心」を基点として行動すること。もう一つは、本当に相手のことを考え、自分の利益を考慮に入れず、相手を優先して行動すること。法を繰り返し勉強すれば、必ず他人を先に、自分を後にという無私の心を修めることができ、それを繰り返せば、慈悲心を修めることができるのです。
(完)