　【明慧日本2012年9月20日】黒竜江省双鴨山市の尖山区裁判所で9月4日午前、正門前と裏庭にパトカーがあふれ、大勢の警官と私服警官が配備されていた。警官は、傍聴を阻止されて裁判所の外に集まっている人達を録画していた。警官らは大敵が攻めてくるような体制だったが、法廷で法輪功修煉者・許啓蘭さんの裁判が行われていただけであった。

　許さんの親戚と友人20～30人ほどが裁判所の外で、このような恐怖の場面に直面してもなお、許さんが無条件で釈放されることを待ち望んでいた。裁判が終わった後、親や友達はまだ許さんにも会っていない間に、許さんはすでにパトカーに押し込まれた。その時「法輪大法は素晴らしい」「法輪大法は正法である」という叫び声が裁判所の周辺に響き渡った。

　2012年5月10日昼ごろ、許さんは、世界トップレベルのショーと評判となった全世界華人新年祝賀祭のDVDを人に贈ったことが理由で連行され、家財を没収された。現在、依然として双鴨山市留置場に拘禁されている。　

　許さん（47）は、双鴨山市尖山区に在住。32歳の時、炭鉱で勤務中の夫は遭難して亡くなった。許さんは1人で3人の幼い子供を育て、大変苦労した。最も苦しい時期に、許さんは法輪大法に出会って、それから健康になり、子供達も母の笑顔を見ることができ、3人の娘をみな大学に進学させた。　

　自ら法輪大法の中で恩恵を受けたため、13年も続いている法輪功への残酷な迫害の中で、許さんは依然として「真・善・忍」の信念を堅持し、町内・派出所・公安局に何度も迫害され、拘禁された。　

　法廷で法律執行者が法律違反　

　一、開廷する前に弁護士を妨害　

　家族は許さんのために2人の弁護士を依頼した。9月3日、北京の李蘇彬弁護士は裁判長・高志新から「大した案件ではないから、1人弁護士がいれば十分で、あなたは忙しくて時間がないだろう」と言われたという。李弁護士は「私は当事者から委託を受けて、責任を果すべきであり、ぜひ翌日の弁護をさせて頂きたい」と返事をしたところ、裁判長は「上に伺わなければならない」と答えた。9月3日午後、3人の警官は李弁護士が不在の間、弁護士の滞在ホテルに行き、部屋の番号を尋ねて中に入ろうとした。李弁護士が帰ってきた時、支配人が「注意して下さい」と教えてくれたという。翌日、2人の弁護士は同時に出廷した。　

　二、法廷職員が弁護士のバソコン没収　

　法廷の職員は許さんの3人の娘に対して身体検査をし、カバンの外から中までチェックし、携帯電話の電源を切るように命令した。同時に弁護士のパソコンバッグを捜査して、コップを没収した。法廷で、弁護士がコンピュータの中の資料を見ながら弁護していた時、パソコンを別の部屋に持って行かれた。しかし、裁判長と他の職員の携帯電話はひっきりなしに鳴り続き、裁判長は法廷で携帯電話に出ていた。　

　三、国民の合法的な権利を剥奪　

　開廷の2日前、3人の娘と家族は、身分証をコピーして親族身分証明を政府機関からもらうように要求された。開廷時、あれほど広い法廷で、3人の娘を含めて5人の親族以外に、ただ1人の女性がいた。20～30人の傍聴希望者は皆、裁判所の外に追い払われ、中には杖をついた70歳過ぎの男性がいた。裁判所の事前の通知には午前8時半開廷と書かれていたが、当日になって突然8時に変更された。　　

　四、醜態の限りを尽くす司法官

　弁護士が証人に法廷に出るように求めた時、裁判長は「事前に私達に申告していないため、今はもう間に合わない」と言った。また、弁護士は許さんに「派出所はあなたの家が捜索された時、捜査令状はありましたか？」と聞き、許さんが「いいえ」と答えた途端、検察院の課長が捜査令状を弁護士に見せた。捜査令状には2012年5月10日午前9時と書かれていた。これは、後になって作成されたものだとすぐに見分けがつき、しかも時間まで記入し間違えていた。

　休廷の時に、書記が「先ほどの捜査令状の時間が一致しないことを、私に記録するように弁護士は言いましたが、私は記録していません」と裁判長に報告した。裁判長は「記録する必要はない」と言った。また、弁護士が、「我が国の法律では宗教信仰の自由を定めており・・・」と読み上げていた時、裁判長は「ストップ、この部分は本件と関係がないため、簡単明瞭でよい」と、弁護士の話を打ち切らせた。許さんが答弁していた時も、裁判長は「当案件と関係がないから言わなくてよい」と話を阻止した。尖山区検察院の副課長・崔晶は、何度も法輪功修煉者から説明を聞いたが、法廷で相変わらず「許啓蘭は法律を犯し、証拠は確実で、法律に基づいて判決を下す」と言い、また「許啓蘭は罪を認めず、態度も悪く、3年以上5年以下の懲役を科すべき」とし、このようにして、「真善忍」を信仰する罪のない人を刑務所に入れた。