【明慧日本2014年10月28日】米国の政府機関である「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(以後CECCと表記)」は9日、2013年度中国人権年度報告を発表した。報告では、中国の人権状況が過去の一年間、少しも改善しておらず、逆にある領域でさらに悪くなっていると強調した。
報告によると、中国当局は2013年も継続的に、大規模かつ系統的に法輪功を迫害し、残虐な拷問や虐待は深刻であり、法輪功学習者から臓器狩りをしている可能性もあるという。また、中国共産党は人権擁護者、人権弁護士、記者、インターネット、宗教などへの制限も強めている。
CECCによる2013年度中国人権年度報告(外部リンク:PDFファイル)
中国共産党は2013年も相変わらず大規模で系統的に法輪功を迫害している
多くの事例から、中国共産党は法輪功学習者の信仰を暴力によって放棄させようとしている。また、共産党は2013年から2015年までの3年を期間とする、あるプロジェクトを進めている。その目的は法輪功の活動を減らすことと、法輪功学習者を転向させることである。このプロジェクトは各省、市政府で展開され、具体的な転向数のノルマも設定されているという。
残虐な拷問が普遍的に存在し、法輪功学習者に対して臓器狩りが行われている可能性がある
CECCは今回、残虐な拷問や虐待が依然として普遍的に存在していると発表し、中国当局や610弁公室(1999年6月10日に設立された法輪功迫害の専門機関)による法輪功学習者への虐待に関する報告を継続的に注視していくと述べた。
CECCの報告では、明慧ネットの報道が多く引用されている。中国当局は法輪功学習者を自宅で拉致し、留置所や労働教養所、刑務所などの異なる施設に拘束する事例が多く存在している。
中国共産党は監禁者を転向させるために、睡眠と食事の禁止、強制的に食物を注入する、殴打、スタンガンで電気ショックを与える、精神的な虐待、性的虐待などの残酷な拷問を行っている。
CECCが2014年5月に発表した報告の中には、法輪功学習者・楊春玲さんが拘束された期間に虐待され、2014年4月に亡くなった事例が記載されている。報道によると、楊さんは刑務所で長期的に眠ることを許されず、ビニール袋を頭に被せて呼吸させないなど、精神や肉体に様々な虐待を受けた。
さらに、CECCは法輪功学習者からの生体臓器狩りが継続的に行われていると主張している。明慧ネットの2014年7月の報道によると、1999年7月20日、共産党が法輪功迫害を開始してから、少なくとも3769人の法輪功学習者が迫害されて亡くなった。
労働教養制度を廃止した後、形を変えて法輪功学習者などを迫害する
報告によると、当局が国際社会の非難を受けて労働教養制度を廃止することを発表した後、2013年の年初から、別の形で法輪功学習者などを拘束して迫害している。
例えば、当局は労働教養所から釈放した法輪功学習者を強制的に麻薬中毒者治療センターに送っている。以前の馬三家労働教養所はすでに「麻薬中毒者治療センター」と名称が変更され、これは遼寧省刑務所の一部分である。
アムネスティインターナショナルの報告によると、黒竜江省の労働教養所は「洗脳班」(いわゆる法制教育センター)に名称が変更され、法輪功学習者を拘束するために使われている。
報道によると、共産党は十数年以来、「法制教育センター」と称する施設で広範囲に法輪功学習者を拘束し、転向している。
2014年の春、黒竜江省の法輪功学習者を弁護する4名の弁護士が拘束され、残酷な拷問を受けていることが明らかになった後、建三江の「法制教育センター」が閉鎖された。しかし、報道によると中国共産党は黒竜江省チチハル市の「強制麻薬中毒者治療センター」を使って、依然として法輪功学習者を拘束しているという。
唐吉田弁護士は、黒竜江省の建三江で殴られて肋骨が数カ所折れ、病院に治療しに行こうとしたところ、現地の警官に妨害された。
人権弁護士や、政治的に敏感な人も迫害している
報告によると、中国当局は法輪功学習者を応援する人や弁護士たちに対しても、拘束、残酷な拷問などの手段で迫害を行っている。
2014年3月、唐吉田弁護士、江天勇弁護士、王成弁護士、張俊傑弁護士は拘束された法輪功学習者を釈放するために、黒竜江省建三江の「法制教育センター」を訪問した。
報告によると、現地の政府はホテルで4人の弁護士を拉致して、現地の公安機関に拘束した。
共産党当局は弁護士たちを殴り、「社会秩序を乱す」の罪を認めさせて、書面による声明文に強制的にサインさせた。また、「生き埋めにする」と唐吉田弁護士を脅した。