　【明慧日本2015年10月16日】（明慧ネットのレポーターが遼寧の報道により）

　瀋陽市沈北新区の法輪功学習者の奚常海さんは、刑務所の迫害で半身不随になり、釈放された後2年の間何回も入退院を繰り返し、2015年9月25日午後5時頃に冤罪が晴れないまま、この世を去った。享年68歳。

　奚常海さんは瀋陽市沈北新区財落鎮財落小学校を定年退職した体育の先生で、妻は財落中学の先生だ。夫婦の教え子は財落鎮のいたる所にいる。地元の人々は奚さんの訃報を聞いて、嘆き、悲しんだ。地元の人は「奚先生の家族への迫害は本当に酷かった。奚先生は刑務所に入る時は、立って歩いて入り、出る時は、坐って車いすで出てきた」と言った。

　2008年の北京オリンピックの頃、沈北新区の610弁公室は奚常海さんに、懲役11年を宣告し瀋陽第1刑務所に収監した。背の高い健やかだった奚さんは、刑務所の拷問で、見る影もなく、息も絶えだえの状態に陥った。家族は何度も奚さんが重病であることを理由に、一時出所させるように奔走したが、沈北新区の610弁公室主任の高潔氏（女性）は毎回、それを拒否した。

　2013年、迫害で半身不随になった奚常海さんが、車椅子に乗って一時出所して家に帰って来た。当時、奚常海さんは歩くことができず、大小便の排泄もままならない状態だった。

　遼寧省内のすべての重罪判決を受けた法輪功学習者は、瀋陽第1刑務所に拘禁されている。ほかに数名の法輪功学習者が、瀋陽第1刑務所で惨死(訳注：むごたらしい死に方をすること）した。明慧ネットはこの刑務所の残虐な体罰を数回にわたり掲載した。奚常海さんのような「家に帰って死ぬ」のやり方は、中国共産党の刑務所が新しく考えだしたやり方である。もう生存ができないと思われる人を、意図的に釈放して「家で死なせる」ことで刑務所側は、いかなる責任をも負わないのである。

　亡くなる前の2015年7月12日、奚常海さんは江沢民を起訴する人が増えたことを聞いて、自分の被害事実を刑事告訴状に書いて、江沢民に対する告訴状を、最高人民検察院と最高人民裁判所に送った。

以下は奚常海さんの刑事告訴状（個人の部分）の大筋である

　1996年、私は幸運にも『轉法輪』に出会い、その夜一気に最後まで読んだ。この本は千年の間、万年の間待ち続けても、出会うことができないほどの価値のある最高の佛法の本だと感じ、すぐに法輪功を修め始めた。私を長年悩ませた不眠症、神経衰弱、リューマチ、神経性胃腸炎はすべて完治した。長年のタバコとお酒への依存症も治った。私は「真・善・忍」を基準にして自分を律し、家庭も仕事も順調になった。

　江沢民が1999年に始めた法輪功への迫害から16年間、悪影響を受け続けた。長期的に監視と尾行をされ、人身の自由を奪われ、家族も安定した生活ができなくなった。迫害で2度の不当留置、3回の不当家宅捜索、労働強要1年、不当懲役11年の判決を受けて、肉体と精神に巨大な苦痛をしいられ、家庭生活は精神的にも、経済てきにも極めて大きな損失を受けた。これはすべて江沢民が、権力を乱用し国家の憲法と法律に違反したせいで、それで私は江沢民を告訴した。具体的な事実と理由は次の通りだ。

　1999年7月20日、江沢民が法輪功への迫害の命令を出した日の午後、鎮政府の官員は家まで押しかけ、私の所有する法輪功の書籍などを奪い取り、政府のビルに連行し、3日間叱責し続け、法輪功の修煉をやめるように強要した。同時に私の家を厳重に監視した。私の家族は周りから嘲笑や蔑視を受けた。

　2001年2月、私は1年の労働教養を不当に判決され、張士労動教養所に拘禁された。この期間、満足に眠らせず洗脳された。

　2008年の北京オリンピックの頃、不当に連行され懲役11年の判決が下された。2009年、瀋陽第1刑務所城に拘禁された。長期にわたり日の当たらない湿気の多い部屋に押し込められ、小さい腰掛けに座らされた。そのため、お尻の皮膚が破れた。迫害で高血圧、心臓病、糖尿病、脳梗塞、腎臓障害になった。目も見えにくくなり、足は歩くことができず、車椅子に座るほかなかった。何度も刑務所で気絶することがあった。家族は刑務所に一時出所を申請したが、沈北新区の610弁公室は許可しなかった。3年半の後、私が意識もうろうとした状態になったため、ようやく2013年に一時出所が許可された。

　私の2008年から今日までの年金は、理由もなく支払われなかった。息子は私の迫害のせいで仕事を失った。彼は大きな精神的、衝撃を受けた。このような家族をも傷つける罪は数えきれないほどの多くの例がある。

　今、私は法律に基づいて、最高人民検察院と最高人民裁判所に告訴状を送り、世の中に公平と正義を取り戻し、江沢民の刑事責任を追及する願いを告訴状に込め、精神的・経済的な損害の弁償を強く求める。