文/中国黒竜江省の大法弟子
【明慧日本2015年12月28日】今年の初冬の晩はとても寒かったのです。午後4時ごろ、実家からバスに乗って家に帰る時、バスの後方へ向かって歩いていたら、70歳過ぎのお婆さんが片手で杖をつき、片手は荷物をいっぱい積んでいるカートを押しながらバスに乗って来ました。
そこは始発駅から3番目の駅で、乗客はまだ少なかったので、そのお婆さんは前方の階段の空いてる席に腰を掛けようとしたところ、バスはもう動き始めました。お婆さんはふら付いて、転びそうになりました。私は駆け足で、おばあさんのそばに行き、支えながら彼女が席に腰を下ろすのを手伝って、彼女のカートを傍においてあげました。
次の停留所で、ドアの真向かいの席の乗客が降りる時に、私に席を譲ってくれました。もうすぐラッシュアワーの時間になるので、お婆さんは降りずらくなるのではないかと思いました。お婆さんに、「ここならすぐ降りられるので、私の席にお座り下さい」と言いました。お婆さんは喜んでお礼を言いました。「私は当たり前のことをしただけなので、お礼は要りませんよ」と言い、彼女を私の席に座らせました。お婆さんは「一本前のバスの運転手は私が大変そうにしていたのを見て、慌ててバスのドアを閉めて、発車して行ってしまったのです。このバスにも乗れなかったら、本当に凍え死ぬところでした」と不満をこぼしました。「前のバスはあなたと無縁でしたが、このバスとはご縁があるのかもしれません、バスの運転手さんに感謝しなきゃね」と冗談を言いました。お婆さんは「あなたの言うとおりです。でなかったら、あなたみたいな良い人に会えなかったのですもの」と答えました。
この機会を借りて、真相を伝えようとしたら、バスはまた次の停留所に着きました。繁華街で、ましてラッシュアワーのため、たくさんの人が乗り込んで満員になりました。ここ数年あまり遭遇したことのないほどです。こんな満員バスの中では、お婆さんに近づくことができません。急いで人を救わなかったことを後悔しました。あのお婆さんの手助けをすると同時にもっと大切なことをしなければならなかったのでした。彼女に真相を伝えることが出来るように、私と同じ駅で降りることを期待しました。そして、停留所に降りていく乗客に注目して、正念を発し始めました。「大法弟子が迫害されている真相を話して、人を救うことを妨げる全ての邪悪要素を取り除き、正念で縁のある人々が真相を知り救われることをお願いします」
その時、傍にいた2人の女性が仕事の大変さについて話し始めました。1人はタイムカードを押し忘れたため、会社へ一度引き返したと話しました。彼女たちの会話から、スーパーの店員さんだと分かりましたので、笑顔で声を掛けました。「あなた達の会社はそんなに厳しいのですか? 正社員ですか?」と聞くと、「契約社員です、元勤めていた会社が倒産した時にレイオフさせられました」と不満をこぼしました。「中国共産党はでたらめなことばかりしています。レイオフと言っているけど、仕事に復帰させることはあるでしょうか。レイオフは実際のところリストラなのです。国民がコツコツと働いて稼いだお金を全部共産党の汚職官吏は懐に入れたにも拘らず、共産党から給料を支給されているので、共産党に感謝しなければならないと洗脳しています。実は私たち国民が税を納めて、彼らを養っているのですよ。こんな独裁政権が倒れない限り、私たちには幸せな日々はやってきません。中国共産党の過去の数々の運動や迫害は専ら善良な自国民を迫害しています。江沢民が法輪功を迫害したため、20万人に訴えられました。天は必ず中国共産党を滅ぼしますよ。『三退』すれば平安を保つこと出来るということを聞いたことはありますか?」と聞きました。彼女らはにこにこしながら頷きました。1人は共青団に入団したことがあり、もう1人は少先隊に入ったことがあると言いました。「あなたたちははとても美しい良い人なので、私はあなた達にそれぞれに綺麗な仮名を付けて差し上げます。『三退』して平安を保ちましょう」とアドバイスをすると、彼女たちは喜んで賛同して、私が渡したお守りを受け取りました。私は彼女たちに「法輪大法は素晴らしい。真・善・忍は素晴らしい」を覚えるように教えました。
そして、彼女たちに席を譲り、先のお婆さんのそばまで移動しました。お婆さんは嬉しそうに「さきほどは、お陰さまで助かりました。本当に優しい人ですね。ありがとうございます。私は某駅で降ります」と、また私にお礼を言いました。「私も一緒に降ります、また荷物を持たせてくださいね。ついでですからお礼は要りませんよ。誰にも老いる日がやってきます。おかあさんの足が辛そうなので、傍に寄って来たんです」と彼女に教えると、自分の足はリューマチ骨蕀で、いつも痛くて、あまり出掛けることはありませんが、今日は用事のため外に出てきたのだと言いました。「私の母もかつてリューマチ患者でしたが、今は完治しました。80歳ですが、とても健康です」と教えました。お婆さんは、なぜ治ったのかと私に尋ねました。「ある秘方がありますよ。誠意だけもっていれば効果が見られます」と告げると、お婆さんは、バスを降りたら教えてくださいと頼みました。私のすぐそばにいた若い女性はすぐに「どんな秘方ですか?」と聞きました。バスの乗客全員に聞こえるように、私は大きな声で答えました。「それは、誠心誠意に『法輪大法はすばらしい、真善忍はすばらしい』と念じることです、誠意を込めれば報われるのです」
わぁ、本当に驚いたと、バスの中は突然とても静かで和やかな雰囲気に包まれました。平常のバスの中のディスプレイの音や、音声案内の音はいつの間に消え去り、世人はまるで大法の福音を聞くためにずっと待ちわびていたかのようでした。私の事をけげんな目で見ていた人たちも、ほほ笑んでくれました。
傍にいた女性に、この言葉を必ず覚えておいねと念を押しました。すると、彼女は自分のお母さんは法輪功を実践しており、とても健康で、なんでも食べられると話してくれました。「『一人が煉功すれば、一家全員が受益』【注1】するので、あなたはとても幸運な方ですね」と話しました。その時、バスは停留所に着きました。私は先のお婆さんの手荷物を持って、彼女を支えながら、降りようとしたら、車内の人々は次々と道をあけて、気をつけてねと声を掛けてくれました。これは乗客たちが大法の福音を聞いてからの善い行いだと思います。私もありがとうとお礼を言い、さようならと別れを告げました。
私はお婆さんの手荷物を持って、ずっと彼女の家の近くまで送りました。歩きながら、大法の素晴らしさや、三退して平安を保つこと等の真相を話すと、彼女も快く脱退に同意しました。そして、何度も「法輪大法はすばらしい、真善忍はすばらしい」の言葉を彼女が覚えるまで教えました。彼女は私に何度もありがとうと言い、御縁があれば、是非もう一度会いたいと別れを惜しみました。
お婆さんが名残惜しげに帰った後姿を見て、彼女の足取りが軽快になったことに気付きました。私は縁のある人々が救われたことを大変嬉しく思い、心の中で何度も何度も師父に感謝の気持ちを申し上げました。
注:
[1] 李洪志师父の経文:『オーストラリア法会での説法』