文／中国の大法弟子

　【明慧日本2016年2月5日】誓いを立てるということは小さい事ではありません。このことについて私の実体験を例に挙げて交流したいと思います。

一つ目の物語

　私の父は3人兄弟で、1番上の伯父は20歳を過ぎたばかりの時に亡くなり、三男である父は私が生まれて3カ月の時、まだ中華人民共和国が成立する以前の事で、兵役を課せられ、今だに帰ってきません。１番下の叔父は生まれながらにして障害を持っているため、妻子を持っていません。2番目の伯父だけが健康で普通の生活を送っています。

　3人もの息子が亡くなり、障害を持ったりと祖父母は毎日涙を流し、悲しみに満ちた日々を送っていました。それから少し経ち、祖父が先に亡くなり、そしてその後を追うかのように祖母の病状が危険になり、臨終の際に2人の叔父をそばに呼び寄せて、一番年下の叔父の世話を健康な伯父に頼みました。伯父は祖母の前に跪き、「お母さん、僕はもう30を過ぎているのに、未だ子供に恵まれていません。できることなら僕に息子を授けてもらえば、きっと弟の面倒を見ると約束します。もしこの約束を破ったならば、一生乞食をしてもかまわないと神様に誓いますよ」と言い、祖母にも誓いました。これを聞いた祖母は目を軽く閉じ、息を引き取りました。

　偶然なのか、それとも祖母が霊験を現したのか、伯母は翌年にとてもかわいらしい男の子を産みました。赤ん坊が日に日に大きくなっていき、叔父もどんどん年を取っていきました。しかし、約束した叔父の面倒を見ることに関して、伯父は一言も口にせず一切世話をしませんでした。仕方なく、叔父を私たち姉妹の家に迎え入れて世話をし、最期を見届けました。その後、伯父の果たされなかった誓約が現実のものとなり、間もなくして伯父は半身不随になり、亡くなる時も非常に苦しみの中で亡くなりました。私と伯父の息子だけが伯父を埋葬したのです。

二つ目の物語

　70年代初頭、私がいた農村はもちろんの事、ほとんどの村は自給自足では到底足らず、政府から援助される食糧に頼らなければ、生きていけないような貧しい生活を送っていました。援助される食糧は、頭数で1人に500gのお米が分配されます。ある日、援助米を配給する場所から、お米を村まで運んでくるのが遅くなり、村にはまだ電気がなかったため、村長は「日没後でよく見えないから、明日の朝、お米を配給しよう」と言って、お米を倉に運び入れ、Aさん、Bさん、Cさんの三人に門番を頼みました。

　後になって分かったことですが、その晩Aさんが倉に来たとき、BさんとCさんがまだ来ていないのを見て、悪知恵を働かせ、お米の半分を持ち帰りました。Bさんが来たとき、AさんもCさんもおらず、電気もついていなかったため、そのまま布団を被って寝てしまいました。Cさんが来たときは、誰かが寝ていることに気づき、同じように眠りました。それから倉に戻ってきたAさんも寝入りました。

　翌朝、3人が起きた時、お米が半分なくなっていたことに気づき、「俺は最後に来たから盗んでない」とAさんがすぐに宣言し、Bさんも「僕が来たときは暗かったし、あかりすらつけていないから、僕じゃない」と言い、Cさんも「私が来たとき、誰かが眠っていた。どっちにしろ、私は盗んでない」と言い張り、3人とも、それぞれの言い分で声をあらげて言い争いました。

　結局村中の人々が駆けつけて調べましたが、一体誰がお米を盗んだのかは分かりませんでした。この時、ある人が「神に懸けて誓いを立てよう」と言い出し、皆この提案に賛成しました。

　お昼頃、村長は鶏と犬を1匹ずつ連れてきて、これを囲むようにAさん、Bさん、Cさんに輪を組ませ、そして順番に「もし、自分がお米を盗んでいたのなら、3日以内に、最も大切なものを失っても構わないとここに誓う」と3人に誓いを立てさせました。誓いの儀式が終わるなり、鶏と犬の首を切り落としました。

　雲一つなく快晴な空模様でしたが、儀式が始まった途端、黒い雲に覆われ、強い風が吹き荒れ、雷も轟いて今にも嵐になりそうな天気になりました。しかし、儀式が終わると天気も元に戻り、一体誰がお米を盗んだのかと皆ガヤガヤと言い合っていました。

　Aさんにはとてもかわいらしい5歳の息子がいましたが、誓いを立てた翌日の晩、突然の病で亡くなりました。BさんとCさんの家には何も起こらなかったのを知った村の人々は、すぐに誰がお米を盗んだのかが分かりました。

　これは何十年も前に起こったことですが、未だに昨日の出来事のようにはっきりと覚えています。同修と協力して大法が迫害されている真相を伝え、人々に「三退」を勧めていますが、何度言っても脱退しようとせず、「神の存在」と「誓約」を全く信じない人が結構います。その時は以上の二つの出来事を話すと、「神の存在」と「誓約」を皆理解し、脱退に応じてくれます。

同修たちへ、我々が「誓いを立てた」ことは小さな事ではない

　我々修煉者は、人間界に降りてくる前に師父への誓約は戯言ではありません。衆生を救うことの重大さについて師父は、何度も繰り返して説いておられます。しかし、このことを軽く見ている修煉者が、どの地域にもいるのは事実です。当地域では、昨年の5月に始まった江沢民を告発する運動からすでに半年以上経ち、署名活動を行っている中、同修たちの様々な執着心が出てきていると思います。

　昨年の7月から、警察側も署名活動に参加している同修に対して尋問を開始し、このことについて同修たちの恐怖心の程度の違いが現れ始めました。以前、毎日街で「三退」を薦めたり、DVDやチラシ、『九評』などの真相資料を配ったりしていた同修も、今ではその人影すら見えません。

　それから、同修たちがお互い会うなり、真っ先に話すのはそれぞれの家庭状況や料理の事で、どのように修煉するのか、また、どのように多くの衆生を救えるのかに関しては、全く一言も口にしないのです。たまに真相を伝えることに関して話そうとする同修がいても、「今は大変な時期だよ」とすぐに他の同修に言葉を遮られてしまいます。

　また、自分自身が法を正す時期の大法弟子であること、そして、師父が常にそばで我々を見守っておられることをすっかり忘れ、中国共産党や邪悪を怖がっている同修もいます。警察官に捕まえられると、恐怖で正念を失って言われるがまま「保証書」に自ら署名し、その場を凌（しの）ぐとすぐに「声明文」を書く同修もいます。これで、大法弟子と言えるのでしょうか。

　時間は我々を待ってはくれません。以下の説法を復習し、心に深く刻んでおきましょう。

　「師父は焦っています。このときになればなるほど師父は焦っています。邪悪が猖獗し、はびこっていたとき、師父も焦っており、皆さんは耐えられるのかと心配していました。しばらくして、どれほど邪悪であっても大法弟子は耐えることができると気づき、師父は本当にとても嬉しかったのです。この迫害がもうすぐ終わるとき、師父はますます焦っています。一部の人はどうしてもはっきりと認識できず、大法弟子の間でいい加減に過ごしています。どうしたらいいのですか？」[1]

　「弟子：数多くの大法弟子が円満成就できなければ、法を正すことが終わってしまったら、これらの大法弟子はどうなるのでしょうか？　残って引き続き修煉するのでしょうか？

師父：どうなるのか、私も言ってはいけません。別々のことです。通常、交わした誓約通りになります。二回目の機会はありません。二回目の機会はありません」[1]

　注：
　[1] 李洪志師父の経文：『二〇一五年米国西部法会での説法』