【明慧日本2016年10月11日】カナダの著名人権弁護士のデービッド・マタス氏と、元カナダの検察官で前国家議員のデービッド・キルガー氏が、9月27日、スウェーデン国会の招待を受けた。非公式ではあるが不法な臓器移植を、特に中国に渡航して不法に臓器を買収し移植をする流れを制止するため、いかに法律を設定するかについて、討論会が開催された。
「医学週刊雑誌」はスウェーデン最大の医学誌で、欧州の医学界にとって重要な医学誌である。この雑誌は9月28日のネットニュースで「工業化した大規模な人道に反する犯罪」と題して報道した。
この報道には、最新の報告の書物によれば、中国共産党当局が数えられないほどの良心犯を殺害して、彼らの臓器を移植用に使用していることや、この書物の共同著者の2人が火曜日に国会で政治家、マスコミと面談したことが記されている。
以下は報道文を翻訳したものである
「工業化した大規模な人道に反する犯罪」
最新の報告書物『血まみれの臓器狩り』によると、中国共産党は数えきれないほどの良心犯を殺害して、彼らの臓器を移植用に使用している。この報告の書物の著者の2人が、9月28日(火曜日)国会で政治家やマスコミと面談した。
中国の全土で行われた臓器移植手術について、中国政府が発表した数字は1万例ほどである。しかし報告書物によれば、実際の数字は1万例を遥かに超えており、毎年6万〜10万例との調査結果が記載されている。
報告書物によれば、この数字の差に相当する臓器は主に良心犯からきており、そのため労働教養所に収容された良心犯が殺害されている。被害者は中国の少数民族や信仰者および法輪功学習者である。法輪功は一種の広大無辺な精神的修養を要するもので、1999年に中国共産党により中国で禁止されている。
報告書物の著者の1人で、カナダの元検察官で前国会議員のデービッド・キルガー氏は「これは新型の邪悪な犯罪であり、我々一人一人ができるかぎりのことをやり尽して、制止しなければなりません。私の認識では、私たちはすでに一つの突破口を見出しました」と述べた。
キルガー氏とその同僚は「中国において、臓器移植の待機時間は非常に短く、中国の各病院が臓器移植した数字を調べ上げ、それを統計的に分析した結果が、あのような高い数字になりました」と述べた。
この報告書物には釈放された囚人の証言もあり、彼ら自身が受けた酷刑や拷問の実態を話した。彼らが受けた拷問は「もし信仰を放棄しなければ、臓器を摘出される」というものであった。マタス氏やキルガー氏は「もちろん、生き証人を探すことはとても難しいことです」と述べた。
マタス氏は「我々は被害者を探し出して、テレビカメラの前に立たせて、証言してもらうことができません。なぜならば、彼らは臓器を取り出されて殺害され、すぐさま身体を火葬されるからです。一般の状況下で、私たちを疑問視、または批評している者たちは、私たちの調査報告書を読んでいないからです」と述べた。
この報告書物によると、中国政府はすでに死刑囚の臓器の利用を秘密にしなくなった。しかし死刑囚の臓器だけで中国で毎年行われた臓器移植の数字をカバーすることはできない。
これらの臓器移植は中国国内の移植患者に提供しているだけでなく、他の国々の臓器移植患者にも提供されている。これが重大な問題である。
デービッド・キルガー氏とデービッド・マタス氏は国際社会に、中国共産党による生体臓器狩りの事実を伝え、多くの人々にこのことに注目してもらうことと、もう一つの目的は、国際連盟に独自の調査機関を形成し、最終的に中国の臓器移植について独立した調査を実現させることであると訴えた。
記者「両氏がスウェーデンでこの問題を話す重要性はなんですか?」
デービッド・キルガー氏は「スウェーデンは先頭に立つことができ、他の国のよいお手本になれると思ったからです。私たちが求めているのは、スウェーデン政府が臓器移植を目的とする渡航を禁止する法律を立法化することです。類似する法律は他の国ですでに立法化されています。この国においても実現されることを希望します。私とマダスはカナダ人ですが、カナダが最初の立法国家になっていないことに本当に当惑しています。カナダにおいても早く実現されることを希望します」と述べた。
記者「スウェーデンの医師らは、この報告から何を学べますか?」
キルガー氏は「彼らが学べるのは、これが工業化した人道に反する犯罪であり、彼らはこの犯罪者の一員となってはなりません。彼らに分かってほしいのは、中国で発生しているこれらの犯罪は、すべての医学倫理と準則に違反しているのです。私がスウェーデンの医者に言いたのは、もし、人を殺害することを通して臓器移植を行うことがわかれば、彼らと共同研究しないことです。彼らがスウェーデンに来て臓器移植の技術を学ぶことを禁じ、あなたたちの科学研究に参加させないことです。スウェーデンの医師団にお願いしたいのは、あなたたちの職業的倫理をどうか守ってほしいのです」と述べた。
記者「ニクラス・マルムベルイ議員にお聞きますが、この問題に対してスウェーデン国会は何かできますか?」
ニクラス・マルベルイ議員は「私はすでに同議案を書き上げており、スペインのように立法化するつもりです。つまり、スウェーデン人の中国での不法な臓器移植を禁止するということです。これがスウェーデンとしてできるまず、第一歩なのです」と述べた。