【明慧日本2018年6月12日】黒竜江省東寧(とうねい)市の法輪功学習者・呂樹彬さんは2018年5月17日、治療をするため呼蘭刑務所に「仮釈放」を許可され帰宅した。呂さんは迫害されたために、すでに自立した生活ができず、極度に痩せていて、お腹だけが破裂しそうに大きく腫れ上がり、足も腫れていた。
家に帰った呂さんは何にも食べられず、痛みでじっとしておれず、座ったり横になったりしていた。睡眠もあまりとれない状態で、仮釈放されて12日後の5月29日朝方に死亡した。享年56歳の若さであった。
呂さんは東寧市でメタンガスを利用して野菜を栽培する第一人者であった。当時、テレビ局は2回も呂さんを取材した。呂さんの栽培した柿も、ビニールハウスで栽培したシイタケも、とても美味しくて評判がよかった。
法輪功を学ぶ前の呂さんは気が短く、些細なことにも腹を立て、妻と娘に手を挙げていた。ある日、交通課の警官が良くないことをしたと思った呂さんは、三輪車でその警官を追いかけぶつけようとしたことがあった。しかし、2012年、呂さんは法輪功に出会い、学び始めて物事に対して忍耐することが出来るようになり、人を殴ったりしなくなった。刑務所に拘禁された呂さんは家族と面会した時、義母のことまで気を配った。
2015年2月2日午前、呂さん、蔣文華さん、張忠さんなど、7人の法輪功学習者は林区に行き、中国の新年に家に貼る「福」の字や、法輪功の真相資料など配っていた際に、中国共産党の法輪功への誹謗中傷を信じている人に通報され、帰る途中で、綏陽林業公安局の警官らに不当に連行された。その後、警官らは呂さんの家を家宅捜索した。
公安局の警官は呂さんの食事代から500元を取り上げ、呂さんの身体検査の費用として徴収したが、診断書は家族に渡されなかった。
2015年7月9日、綏陽林業裁判所は7人の学習者に対して、不当な開廷をした。開廷の日、裁判所の東と西の道路に四つの検問所を設け、厳戒態勢に入った。そして学習者1人につき、家族はたったの1人しか傍聴が許されなかった。
法廷で、弁護士たちは法律と人権の角度から分析して、7人の学習者の無罪を主張した。呂さんの弁護士は「福」の字を持って「これが当事者の犯罪証拠になるのですか? この字は本当に良い字だと思いませんか! 新年に『福』を送るとなんと吉祥なことでしょう。この字の横に「真・善・忍は素晴らしい」と書いてありますが、もし、みんなが、真・善・忍ができるなら、とても良いことではありませんか! 現在、私達の当事者は迫害によって立てなくなり、歩けなくなりましたが、害を加えた人への恨みはありません。なんと素晴らしいことではないでしょうか」と話した。
しかし、綏陽林業裁判所は法律を無視し、法を犯していない学習者7人にそれぞれに有罪判決を下した。呂さんは懲役3年6カ月の実刑判決を宣告された。
呂さんは留置場に拘禁されたとき、大腿骨頭壊死が見つかり、杖を使わないと歩けない状態だった。刑務所に入所できない状態であり、刑務所側も入所を受け入れない状況下であるにもかかわらず、呂さんは無理やり刑務所に送られた。
牡丹江刑務所で3カ月いわゆる「集団訓練」を経て、呂さんは呼蘭刑務所に移送され、そこでもまた、3カ月「集団訓練」を受け、15監区に入れられた。当時、家族は呂さんのために、刑務所側に治療のための「仮釈放」を申請したが、「条件を満たさない」と言われ断られた。
2017年4月、呂さんは呼蘭刑務所で煉功したため、殴打されて眼底出血を引き起こした。2017年末、刑務所側が強制的に呂さんの通帳から200元を取り出し、医療保険を支払わせた。
2018年2月、呂さんは家族に電話し「健康状態が悪く、あまり食欲がなく嘔吐している。足も腫れ上がっている」と言った。
そして、4月3日、家族が面会したときに、呂さんはとても痩せていると気づいた。
4月23日、刑務所側が家族に「呂は肝硬変で腹と足が腫れた。2000元の検査費を支払えば、検査に連れていく」と電話してきた。
4月26日、「呂の健康状態があまり良くない。来てくれ」と刑務所側が一方的に家族に電話してきた。
4月28日、家族は呂さんと面会した。そのとき、呂さんは極度に痩せ、お腹が腫れ上がり、食べ物を全く受け入れず、痛みで夜に2~3時間しか寝れないと聞かされた。
5月2日、刑務所側が「呂は肝臓ガンだ。腹水と腎臟結石もある」と呂さんの検査の結果を家族に告げた。それから、呼蘭刑務所は責任を逃れるために「これから、治療するための仮釈放の手続きをしなさい」と呼蘭刑務所自ら言い出した。東寧司法所は10日になって初めて、家族と仮釈放の手続きのことを相談した。
そして、5月17日、呂さんはやっと解放されたが、12日間苦しんだ挙げ句、この世を去ったという。