　【明慧日本2019年12月8日】（河北省＝明慧記者）河北省秦皇島市の法輪功学習者・魏起山さんは、2019年11月23日晩に、河北省秦皇島市留置場で迫害により死亡した。これ以前に、魏さんは懲役4年の実刑判決を宣告され、妻の于淑栄さんは懲役3年6カ月の実刑判決を宣告されたため、控訴中である。

　2019年11月23日夜9時20分、家族は魏起山さんが危篤であるという通知の電話を受けた後、急いで秦皇島人民病院に駆けつけた。しかし、目にしたのは救急室の板のベッドに横たわっている魏さんの遺体で、右の腕は垂れ下がり、腕全体が紫色だった。目は半分開いており、顔の様子は亡くなった直後には、見えなかったという。

　秦皇島市留置場の趙警官の話によると、11月23日の晩8時過ぎ、魏さんがトイレに行った時、突然転んだので、留置場の医者を呼んで緊急措置をとり点滴をしたという。

　医療関係者は患者を救急治療するまず第一は、すぐに脳出血や心筋梗塞ではないかを先に確認して、それから心臓ペーシング療法を試み、最終的に診断した後に点滴するのが通常である。しかし、最終的な診断もしていないのに点滴したというが、どんな薬を用いたのであろうか？

　家の入口で連行される

　2018年6月12日午前7時過ぎ、魏起山さんと妻の于淑栄さんは牛乳の配達をしてから帰って来て、住んでいるマンションの玄関先に入ろうとした時、一斉に取り囲んで来た大勢の警官らに連行された。回収した牛乳の空瓶は三輪車に置いたままで、まだ下ろされていなかった。長江道派出所、国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関）の警官らは、奪い取った鍵を使って部屋に入り、捜査令状なしで、現場には誰も証人がおらず、家族や当事者もいない状況下で、家宅捜索を行なった。そして、家族と本人のサインもなく、押収した物品の明細書も渡さず、多くの物品が持ち去られた。

　家族はあちこちを尋ね回り、ようやく魏さん夫妻が連行された当時の状況を知った。翌日の6月13日の晩に、1日半奔走し回った魏さんの2人の息子は、両親の家の状況を見にやって来た。長江道派出所の警官らは部屋の明かりを見て、すぐに嫌がらせに来た。その直後にコミュニティの役人もやって来て、2人の息子に「両親の案件はどれほど深刻なものであるか」の話をして、脅かした。

　裁判にかけられる

　2018年12月19日、昌黎裁判所は魏さん夫妻に対して裁判を行ない、午後4時に裁判長は休廷を宣告した。2019年7月4日午前10時30分頃、昌黎裁判所は再度裁判を行ない、魏さんの弁護士は無罪であると弁護をしたが、最後に結果を出さずに終了させた。

　迫害されて死亡

　結局、魏さんは懲役4年の実刑判決を宣告され、妻の于淑栄さんは懲役3年6カ月の実刑判決を宣告された。家族は2回控訴したが、秦皇島高等裁判所は互いに責任をなすりつけ、裁判は難航した。その後、再審の話が出はじめる時期になったが、魏さんが突然死亡した。

　2019年11月23日夜9時20分、小雨が降っていた。知らせを受けた家族は病院に駆けつけた時、魏さんの遺体は救急ベッドではなく、板のベッドに横たわっていた。

　夜10時頃、十数人の警官らが黄色い蓋の棺を担いで、魏さんの遺体を中に入れて葬儀場に搬送した。このような事はもともと葬儀場の専任者、あるいは医療関係者がするべきことで、なぜ警官らが代行したのか、留置場側は何かを隠したいのではないか、という疑問が感じられた。

　魏さんの死亡事件は最近の1年の間で、秦皇島市留置場で発生した第2例目の法輪功学習者の突然死の事件である。2018年9月17日、法輪功学習者・馬桂蘭さんは、秦皇島留置場で迫害死したという情報が、突然入ってきた。死亡した具体的な日時は、まだ判明していない。情報筋によると、ある日の午前6時過ぎ頃、馬桂蘭さんは少し体の具合が悪いと申し出たため、8時過ぎ頃に監室から担がれ、秦皇島公安病院に運ばれて間もなく死亡したという。内部の情報によると、河北省から来た者（身分不明）が、馬桂蘭さんの腹部を切り開いて内臓を取り出して持ち去ったという。その際に、「これは検査のためだ」と言ったという。それ以降、情報がプッツリと途絶えたままである。その後、また1カ月の間に2人が秦皇島留置場でなぞの死を遂げたという。

　魏さん夫婦は拘禁された1年6カ月の間、次男の嫁は子供が生まれた。現在に至り、魏さん夫婦は生まれた孫が男の子なのか、女の子なのかさえ分からないでいる。本来ならば健康だった魏さんだったが、なぜ突然に死亡したのか、未だに原因が分からないままである。

（注：法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照）