　文／中国の農民・李福貴

　【明慧日本2020年8月15日】私は生きるために北京へ出稼ぎに行きました。我が家にはもう農地がなく、腹を満たさなければならず、年老いた両親を養わなければなりません。これは先祖から残された伝統なのです。

　私は手ぶらで北京に行きましたが、北京で生きて行くのは大変だと感じました。私は貧しさで肌荒れしたひどい顔ですが、この顔は本当の私なのです。

　私は車を降りて、北京でデリバリーの仕事をしている同じ村の仲間・金鎖子さんのところに身を寄せることを考えました。しかし、当地区の警備員が健康コード（スマホ画面上で表示するQRコードで、持ち主の新型コロナウイルスの感染リスクを表すもの）がないと入れないと言いました。「健康コードって何ですか？　健康コードがあれば、疫病にかからないのですか？」と私は尋ねました。警備員は「健康コードはここに来た証拠であり、健康とは無関係です」と説明してくれました。

　警備員は私が「ノキア」の携帯電話を持っているのを見ると、自分の携帯電話を取り出して、私の顔写真を撮りました。そして緑色の表示を確認すると、私が「無害な物質」であることが証明されました。しかし、撮った写真は渡してくれませんでした。これでは、私の人権を侵害したのではありませんか？　私はイケメンではありませんが、この世で唯一の顔であり、肖像権は私のものでしょう？　しかし、このようにして私の肖像権が奪われてしまいました。

　居住民委員会（町内会）のおばさんから、出入り口用の通行証を申請するようにと言われたのですが、ここでも顔認証をする必要がありました。出入り口の門はすべて電子化されており、出入りするときには必ず顔認証を行わなければなりません。私は「なぜ、どこに行っても人の顔で確認し、それが他の人ではないことを証明しなければならないのか、理解できません」と言うと、おばさんは、「あなたがここに来たことを証明するためであって、健康とは関係ありません」と説明してくれました。

　北京のスーパーでも体温を測り、顔認証が義務づけられています。買い物をするときはお金を払うだけではなく、私の顔の画像も残さなければなりません。

　北京のレストランも顔認証を行っていましたので、イケメンでなければ食事できないのかと思いました。この顔は親から与えられたもので、私が苦労して稼いだお金できちんと食事代を払ったにもかかわらず、食事をした時も顔の画像を残すのはなぜでしょうか？

　北京の公衆トイレでも顔認証をします。壁にある電子ボックスの中に装置が入っています。トイレに入ると、すぐ電子ボックスに顔を認識されました。これは私の顔なのに、なぜ勝手に私の顔写真を撮るのだろうか？　北京では、大便小便をする時も顔写真を撮られます。最も信じられないことは、お尻を拭くときも顔写真を撮られてしまいます。顔認証をしないと、トイレットペーパーが使えません。

　ある日、中山公園でパトロールをしていた警官が、身分証をチェックするという名目で、持っていた小さな電子ボックスで密かに私の顔を撮りました。私は「どうして私の顔を撮るのですか？」と聞くと、警官は「事件の捜査中だ、証拠を残すためだ」と答えました。私は法律違反はしていないのに、どんな証拠を残すと言うのでしょうか？

　後になってようやく理解できたのは、中国共産党は中国人を「無法者」として扱い、国民のすべての動きを監視しているということです。

　言われてみれば、人民元紙幣にも「天は中共を滅亡させ、脱党すれば命が救われる」と書かれています。この共産党は本当に卑劣な党だということが、やっと分かりました。共産党こそ、国そのものを泥棒に仕立て上げ、国民の反乱を恐れていて、国民を動物のように監視下に置いています。「共産党」とは祖先を否定し、マルクス・レーニン主義であり、マルクスが言ったように「幽霊」なのです。もともと恥じ知らずの共産党ですが、自分たちが恥を知らないだけでなく、国民に恥をかかせようとしています。国民の顔を「幽霊」に認証させたら、まさに鬼の顔になるのではないでしょうか？

　夜になると、まるで人の顔のような、背が高く、不気味な監視カメラが街中に溢れています。私は正々堂々とこの世に生まれてきましたが、生きるているととても息苦しいです。私は服を着て（北京の）長安通りを歩いていますが、まるで裸で走っているような感じがします。

　ある日、私はメガネをかけた綺麗な女性に出会い、「こんにちは、三退をご存知ですか？」と声をかけられました。私は「また顔を認証するのですか？　私は中華民族の子孫です」と答えました。彼女は、テレビで放映された天安門焼身自殺事件のことを、丁寧に話してくれました。「それは、法輪功を弾圧するために中共が捏造したもので、法輪功は学習者の自殺や殺人を禁じています。法輪功は、人々に善を行うことを教えてくれる高いレベルの修煉法であり、今では世界中に広く伝わっています」

　私は彼女に「私が北京へ出発する直前、村長さんから無料配布された映画のDVD『永遠の五十分』を観ました。そして、共産党が法輪功に濡れ衣を着せて罪に陥れたことや、真善忍を修める善良な人々が弾圧されていることを知りました。焼身自殺をした人たちは全て偽の法輪功学習者で、身体が炎上しているのにスローガンを叫んだり、でたらめなことを言っています。私が住む村で法輪功を修煉している人たちはみんな正直なのに、共産党はひどい仕打ちをしています。そのため、今回の疫病を招いてしまいました。疫病神とは何ですか？　天の神様です。法輪功は神様に護られて佛を修めているため、『天が中共を滅亡する』ということですよね？」と伝えました。

　彼女は、「もし、あなたが党員になった経験があるのなら、あなたは共産党の一員です。天が共産党を滅ぼす時、疫病神には目があるため、党員ならば天罰を受けます」と説明してくれました。

　「私は邪悪な共産党青年団と、少年先鋒隊に入ったことがあり、全部脱退させてください。これで私は、正真正銘の中華民族の子孫になれますね」と、彼女に頼みました。