文／中国の大法弟子　　

　【明慧日本2020年9月7日】今年5月のある日のこと、突然、長年よそへ越していた同修が「癌」と診断されたとを聞いて、私は非常に驚きました。

　この同修（以下、同修A）は毎回地元に帰ってくる度に私の家に来ていました。その時の印象では、大法を固く信じているようでした。1999年に迫害が始まった後、同修Aも混乱したことがありました。彼が『轉法輪』を学ぶ時、師父は彼を悟らせて、「あなたは自分の命で大法を実証することが出来ますか？」という言葉が現れました。その時、同修Aは涙を流しながら「師父、私はできます」と答えました。彼は、私にこのことを話す度に感激していました。私には深く印象に残っています。その後、師父のご加持の下で、彼は法輪功迫害の実態を伝え、多くの人に大法は良いものであると理解させました。

　例えば、同修Aの会社のある作業員の1人には「突っかかる」というあだ名があります。最初は法輪功への迫害の実態を理解していませんでしたが、同修Aが絶えず迫害の実態を説明したため、だんだんと大法を尊敬するようなりました。そして法輪功の資料が地面に落ちているのを見て、すぐにそれを拾って埃を払い、「李先生、申し訳ないです」と独り言を言うようになりました。

　また、同修Aは仕事帰りに毎日のように街で法輪功の資料を配り、修煉をしていない奥さんも同行して配ったり、人力車を漕ぎながら乗客に法輪功迫害の実態を伝えたりしました。とにかく同修Aは正念が強いのだという印象を受けていましたが、どうして癌を患うなどということが起きたのでしょうか？

　同修Aの地元の親戚を通じてテレビ通話をしたのですが、同修Aは痩せてはいたものの気力は衰えておらず、話の中にユーモアを感じさせます。彼の病院での診断ははっきりしていましたが、心の中では全く怖いとは思っておらず、自分は大丈夫だと信じていました。私は多めに学法すること、そして、自分の内に向けて探すことに留意するよう促しました。しかし、2回目の電話でも状況が好転しているように感じられず、同修Aの奥さんは地元の親戚に、病院の医師に「もうどうしようもなく、せいぜいあと3カ月です」と診断されたと陰で話していました。奥さんは故郷へ戻り葬儀を行うので、私達に地元に戻るよう彼を説得してほしいと頼んできました。

　通話の中で、同修Aが住む場所に他の同修がおらず、しかも同修Aは毎日一講の法を学んでいるだけだということを知りました。そこで私は同修Aを説得して、地元に戻り一緒に法を勉強するようにしました。同修Aは快く承諾してくれました。数日後に彼は自宅に戻り、もう1人の同修と私で毎日彼の家に通い、一緒に法を学び、交流しました。そうしているうちに、彼のことがよく分かってきました。

　同修Aと家族が彼のいた都市に行ってみると、そこは地元より経済的に豊かだったので、そこに住むことにしました。彼は住宅ローンを返済するために二つの仕事を抱え、毎朝4〜5時から夜遅くまで働きました。休む時間はほとんどなく、法を学び、功を煉る時間はさらに少なかったのです。彼は心の中で自分が大法弟子であることを知っていましたが、常人のことに追われて、そこから抜け出すことが出来ませんでした。この忙しさが8年も続いていたのです。今年になってようやく住宅ローンを完済して新しい建物に住み、定年となり年金を受け取り始めたところで、突然、末期癌だと診断されました。

　私は同修Aと一緒に法を勉強しながら、彼との交流を続けました。奥さんがとても協力的で、法の勉強に参加してくれました。交流の中で、同修Aの問題が少しずつわかってきました。以前から多くの親族との間でトラブルや誤解があり、それが解消されたことがなく、今では連絡すら取らなくなった親族もいたのです。その全てを他人のせいにしているように聞こえたのですが、しかし、それは修煉者が乗り越えるべき関ではないでしょうか？　他の同修達から離れ、自分で法を学ぶ時間がなかったために、このような問題に縛られて恨みの心もひどくなり、妻との間にトラブルが生じて離婚を求めたり、何かと揉めていました。

　学法や交流を通じて同修Aは自分の問題を認識し、また、過去にトラブルのあった親族や友人にも積極的に連絡を取るようになりました。その間、師父はまた夢の中で彼を啓発されました。彼の身体の症状は、同じ患者と比べてかなり軽度でした。しかし、あまりにも気づくのが遅すぎて残りの時間が少なくなっていたため、結局、同修Aはこの世を去ってしまいました。師父と大法に対しての強い信念を持ってこの世を去ったので、あの世で良い所に行ったとは思います。しかし、何より同修Aが旧勢力の按排を完全に否定できなかったのが非常に残念です。

　後日、葬儀中に奇跡的なことがたくさん起こりました。まず、その間ずっと雨が降っていたのですが、親戚がお参りにバスを降りる度に雨が止み、バスに乗り込むとまた雨が降りました。そして、地元ではある儀式があるのですが、それは夜のうちに地面に粉をまいて、その上で線香をたき、早朝に起きたときに灰の形を見るというのです。同修Aの家族もそれに従ったところ、翌朝にその灰は二つの蓮の花と一匹のうさぎの形を成していました。息子も「他のことは信じなかったのですが、これは本物だ」と言いました。

　実は師父は長い間、同修Aを啓発してくださっていたのです。法を学ばず、法の中で悟りを得ることが出来なかったため、何度も機会を逃し、結局は旧勢力の按排を否定することが出来ませんでした。例えば、2015年同修Aが急に用事ができ、地元に戻ったのですが、その時はちょうど「江沢民を訴える」時期でした。しかしこの件について同修Aに聞いてみるとすぐに帰ってしまいました。昨年、彼は定年退職の手続きをするために地元に戻りましたが、その時は同修Aは帰りたくないと言っていました。ここでしっかりと法を勉強しようと思っていましたが、妻や息子から何度も電話がかかってきて、同修Aは我慢できずに結局は帰って行きました。そして向こうでは息子の商売の手伝いで忙しく、またも法を学ぶことが出来ませんでした。

　彼が病気にかかった1年前から、家族の間で不思議なことが起こり始めました。それは家族の誰もが時間を見るたびに、いつも時計の針が11時11分を指していたのです。例えば、「ひと休みしましょう、今、何時ですか？」と時間をみると11時11分でした。「もう遅いから寝よう、今何時だ？」と時間を見たら、11時11分でした。ずっとこんなことが続き、皆とても戸惑っていました。そして同修Aが亡くなったとき、彼の妻はようやく分かりました。つまり、同修Aはちょうど午前11時11分に亡くなったのです！

　長年の間に、様々な理由でこの世を去った同修に出くわしてきましたが、個人的には恨みの心を抱いていることが最大の漏れの一つだと感じています。そして、この同修Aのように、大法を固く信じていましたが、大法から離れて長い間にわたって修煉ができず、気づいたとしても、もう間に合わないケースがありました。なんと残念なことでしょう。師父の経文の「退職した後に修煉する」を改めて読んでみることをお勧めします。師父の心を痛めるようなことが二度と起こらないことを願っています。同修への戒めとしてこの文章を書きました。皆さん、我々の得難い修煉の機会をもっと大切にしましょう！