文／中国の大法弟子

　【明慧日本2020年10月3日】友情とは、世間では偉大で崇高な「善」のようなものであり、賞賛されることさえありますが、今の私に言わせれば、それは狭くて低レベルな「情」であり、「真・善・忍」の同化を深刻に妨げており、他人に煩わされることになります。以下は「友情」への執着を取り除いた私の経験ですが、同修がここから何らかの教訓を学ばれるように願っています。

　私には中国共産党の組織から脱退した部下のAさんがいます。中学を卒業してはいませんが、私の下で10年前から秘書として勤めています。この10年で私達は良好な関係を築いてきました。私はこれまで彼の文章力のレベルアップを手伝ってきましたが、ほとんど成果はありませんでした。やはり書かれた文章は筋が通っておらず、読みづらいのです。「友情」という言葉に惑わされ、私は彼のために多くの仕事を引き受け、彼のわずかな進歩でも褒めてきました。上司には「Aさんの文章力はまだいい方です」と言って、よくかばいました。ここまで書いてきましたが、皆さんはこれらの事をよく注意してみてください。私は、この「友情」を「善」と受け止め、この「友情」のために必要以上に多くの力を尽くし、また上司を騙してきたことに、この10年間ずっと気づかなかったのです。

　1年前から、会社が常に給料の支払いを遅らせていたため、Aさんがサボり始め、仕事に深刻な影響が出てきました。私はまたこの友情のために彼をかばって、彼の本当の仕事ぶりを上司に伝えていませんでした。友人をかばって黙々と彼の代わりに仕事をこなしてきました。しかし、私は「良い」ことをしながら、心の中では悔しくて、やりきれなかったのです。それと同時に、この友情に対しての執着心をようやく見つけました。数日前、Aさんはわざと他人の前で私を困らせるようなことまで、しでかしました! 　突然、私は我慢の限界が来て、その場でガラリと態度を変えてしまいました。

　翌日、少しずつ落ち着いてきた私は、自分の闘争心と心の狭さを認識しました。それ以上に、この10年間に自分がしてきたことは、友情という執着心に駆り立てられ、友情の輪の中でグルグル回っており、他人と自分自身を傷つけていたことをさらに認識しました。それは大法弟子として、あるべきはずの善悪がはっきりとしておらず、公明正大で正々堂々とした状態とは程遠いものでした。

　それに気づいてからは、これらの執着心を手放すために、まず、私はAさんに謝罪し、私の横柄な態度を謝りました。その後、善意をもってAさんの欠点を親切に指摘した上で、その事実を上司に報告しました。私は友情のために今後、上司に嘘をつくことがないようにしようと決心しました。人を助けるのは慈悲の心のためで、決して友情のためではありません。私は、この「友情」の枠（わく）から思い切って飛び出しました。

　私はまた広大な慈悲の心に置き換えて、狭い意味での友情の心を放下して、広大な慈悲の心で、社会の中で、大法弟子の通常な生活と仕事に影響されないようにしました。このようにすると、かえって周囲の状況がますます良くなり、気楽になり、より多くの人々の理解と尊敬を得るとことが出来るようになったと認識しました。

　適当でないところがあれば、同修の慈悲なる指摘をお願いします。