不可能に見える可能性
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 【明慧日本2020年11月30日】ベルリンの壁が崩壊し、ニコラエ・チャウシェスクが撃ち殺され、ソ連は解体され、レーニン像は倒され、サダムはギロチンに送られた。これらの一見不可能に見えることが全部起こった。その後、人々はなぜもっと早く起こらなかったのかと深く嘆いた。ゴルバチョフが言ったように、一番残念なのは、もっと早く共産主義から抜け出すことはできなかったのかということだ。

 これらの強力にみえた政権が倒された理由は何だろうか? 不可能にも思われたこれらのことはなぜ起きたのか? 「機が熟した」と言われているが、民意がそこまで達したからだ。ベルリンの壁が崩壊する前に、どれだけの人々が命を捧げ、どれだけのパレードが東ドイツ政府に反対する呼びかけを頂点まで押し上げただろうか? ソ連が崩壊する直前、軍人らはデモ隊への発砲に消極的になり、ソ連の役人らも腐りきった政権を守る必要性を感じなくなった。ルーマニア国民の度重なる抗議があって、はじめて最後の集会での「チャウシェスクを倒せ」の呼びかけ一つで皆の心が一丸となり、国防大臣ですら国民への発砲を渋った。 言い換えれば、民衆の覚醒の力が止められないほどの激流となったとき、邪悪は一撃にも耐えられなかった。

 このような壮観な光景は中国にもあった。1989年のあの灼熱の夏、学生たちが広場でハンガーストライキを行なう際、多くの人は水やチョコレート、ジュースなどを持って声援しに広場に集まった。学生に付き添う教師もいれば、軍人に道理を言い聞かせる人もいて、第38軍の司令官までも中国共産党(以下、中共)の北京への進軍命令に抵抗した。中共の圧政下では不可能にも思われていたこと、大多数の中国人が民主主義や自由についてあまり知らない時、このようなことが起きた。なぜなら、人々は自分には何が必要なのか分かっていたからだ。

 今回の米大統領選は前代未聞の試練に遭遇した。中共の常套手段である「偽・悪・闘」や連座制、脅迫恐喝、言論検閲などが米国でも繰り広げられた。最高学府のハーバード大学でさえも、トランプ支持者によるハーバード大での講演を阻止するための学生による署名運動が起きた。

 しかし、邪悪が猛り狂うようになればなるほど、民衆は目覚めていく。多くの人は、今回の選挙はもはや単純な選挙ではなくなり、米国が共産主義によって転覆されるかどうか、アメリカ人とその次の世代が「アメリカンドリーム」を実現し続けることができるかどうかに関わる重要な問題であることに気づいた。多くの人は「もしアメリカが共産主義に乗っ取られたら、アメリカはもう終わりだ。世界も終わりだ。私たちはどこに行けばいいんだ? 言論の自由はどこにあるのか?」と口にしている。

 トランプ氏が過去最高の7300万票を獲得した事実は、すでに彼がかなり高い支持率を得ていることを物語っている。それが民意の真実の反映である。選挙前、トランプ氏は1日に5回の演説を行ない、各訪問地で数万人もの人々に熱烈に支持されていたが、バイデン氏の集会は閑散としていた。

 トランプ氏の訴訟の道がどんなに険しくても、最高裁によるトランプ氏への判決が有利になろうがなるまいが、共和党内にトランプ氏の支持者が残っていようがいまいが、バイデン内閣がどのように動こうとも、政治勢力がどんなに強くても、それらすべては民意に逆らうことはできず、国民の力には叶わないはずだ。アメリカ人の中には、トランプ氏のためだけに戦っているのではなく、アメリカのため、自分自身のため、そして未来のために戦っていると理解している人がいる。

 善悪を前にして、多くの人は冷静さを保っている。アメリカには神を信じる人がたくさんいるので、正義の力がどんどん発揮され続けている。

 毎日の退社後、家の近くの高速道路の脇で旗を振ってトランプ氏を支持する人もいれば、トランプ支持者の巡回集会に欠かさずに参加すると言っている人もいる。ホールという有権者は、何百万ドルもかけてバスを買って飾り付けをして「トランプ列車」にし、「法執行官はトランプを支持する」、「退役軍人はトランプを支持する」、「クリスチャンはトランプを支持する」などのスローガンでバスを覆った。彼はバスで全国ツアーをするという。

'选民霍尔花费超过一百万美元打造了一辆“川普列车”,准备在全国巡游'

ホール氏は、数百万ドルをかけて用意した「トランプ列車」で全国ツアーをするという

 ニュージャージー在住のジョン・ハストン氏の言葉に耳を傾けてみれば、信仰はまだ人々の心の中にあることが分かるだろう。彼は『新唐人』とのインタビューの中でこう述べた。「もしアメリカが潰れたら、もしバイデンが盗みによってこの選挙で勝つことが許されたら、私たちはもう終わりだ。アメリカはもう終わりだ。そして世界も終わりだ。中共の勢力は世界中に及び、誰もが安全ではいられなくなるだろう。状況は楽観的ではないように見えるが、神は神だ。神は私たちを創造し、すべての人を愛し、私たちが共産主義の下ではなく、自由に生きていくことを望んでおられる。トランプ氏は神によって選ばれた人物だ。私は何者でもないが、他の多くの人と同じく、主の民である。神はきっと勝利するだろう。今はまさに正邪の対戦の時である。トランプ氏は正義を代表していて、反対側の邪悪はバイデンだけでなく、この選挙を盗み取り、アメリカを破壊したい人によって表されている。彼らが成功すれば、アメリカは破滅するだろう。しかし、そうはならないだろう。神の預言者はすでにトランプ氏が再選されると言っている。この点は非常に重要である」

'神希望我们自由地生活,川普就是神选择的人'

神は私たちが自由に生きることを望み、トランプ氏は神が選んだ人物である

 実際、バイデンは民主党内の妥協の産物である。何の業績も上げてこなかったと非難された彼は、民主党の党内選挙では落選するところだった。バイデンが民主党の代表になったのは、他の候補者が相次ぎ退いたからだ。

 民主党は不法移民を支持しているが、キューバの共産主義者の弾圧に飽き飽きしている多くの人々と同じく、ラテン系アメリカ人もトランプ氏を支持している点について考える価値がある。民主党は「ブラック・ライヴズ・マター(BLM)」を利用しつつ、BLMに媚びを売っている。一方で、「人種差別主義者」の汚名を着せられているトランプ氏は、黒人による支持率が46%に達している。民主党は「権利の平等」を口にするだけだが、トランプ氏は労働者のための雇用を創出し、ブルーカラー層の非常に高い支持を得ている。これらの民主党が夢見ていた票は、トランプ氏に投じられた。人々はトランプ氏が国を愛し、本当に米国のためになる多くのことを行なったのを見たからである。

 民主党の大きな票田であるカリフォルニア州でさえ、選挙当日の11月3日、民主党が推し進めていた第16号議案(人種や性別に応じて入学や雇用などを配分する提案)に拒否権が行使された。一番青い州で極左の提案が否決され、民主党員も驚いた。これは天意の現れではないだろうか? 民主党員自身も、今回の選挙で両院における共和党の縄張りが拡大したことを認めている。

 総じて言えば、政治勢力であれ、主流メディアであれ、ハイテク企業や金融大手であれ、正義と天意の前で、それらはみな脆弱な運命を迎える。信仰と民意がある限り、不可能と思われることはみな、可能になる。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/11/26/415619.html)
 
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