【明慧日本2021年4月1日】2021年3月23日の夜、米国バージニア州スポットシルベニア郡議会は、中国共産党(以下、中共)による法輪功への迫害を強く非難し、中共による法輪功学習者(以下、学習者)からの強制的な臓器摘出を強く非難する決議案を採択した。
中共による強制的な臓器摘出を制止する決議案を可決したのは、バージニア州では8番目の郡であり、2021年以降、同様の決議案を可決したのは州内で7番目である。
バージニア州の学習者・王春彦さんは、中共による法輪功への迫害と強制的な臓器摘出の可能性があった生存者として証言し、スポットシルベニア郡に感謝の意を述べた。
2021年3月23日の夜、スポットシルベニア郡議会が中共の法輪功迫害を非難する決議案を審議中 |
王春彦さんはインタビューに答え「私は今日、ここに立っていることが想像できません。とても幸運に感じる一方、とても悲しくも思っています。 私は死ぬ直前まで迫害され、強制的に臓器を摘出されるところだったのです」と述べた。
学習者・王さんが受けた迫害の真相は、当日の証言として書面で、スポットシルベニア郡議会議長と議員たちに渡した。中国大連の企業家であった王さんは、迫害から逃れるために放浪生活を強いられた。彼女の夫は、彼女の居場所を明かすことを拒否したため、中共の警官に殴り殺された。王さんはその後、中共から不当に懲役7年を言い渡され、遼寧省女子刑務所に収容された。冤罪によって拘禁されている間、彼女は死ぬ直前まで迫害された。王さんの2人の姉も、法輪功迫害の実態を人々に伝えたために不当に連行された。
すべての人がこのことを理解することを希望する
スポットシルベニア郡議会議長ケビン・マーシャル(Kevin Marshall)氏はインタビューに答え、中共が強制的に人間の臓器を摘出していることについて「恐ろしくて馬鹿げている 」、「スポットシルベニア郡のすべての人々に、このことを知っていただけるよう希望します。いかなる人もこのことに参与しないようにと願っています」と述べた。
インタビューに答えるスポットシルベニア郡議会議長ケビン・マーシャル氏 |
スポットシルベニア郡議会議員ゲイリー・F・スキナー(Gary F. Skinner)氏はインタビューに答え「私は、アメリカが立ち上がり中共に対して『これは受け入れられないことであり、停止しなければならない』と言うべきです」と述べた。
インタビューに答えるスポットシルベニア郡議会議員ゲイリー・F・スキナー氏 |
この決議文の副本は、バージニア州知事、バージニア州議会議員、バージニア州国会議員、米国上院議員2人、およびバージニア州保健局に送付する。
スポットシルベニア郡議会決議案
以下はスポットシルベニア郡議会決議案の翻訳である
決 議 案
国家(中共)が支持する良心の囚人から強制的に臓器を摘出しているという最近の報告に基づき、臓器移植のために中国に渡航することの危険性について、スポットシルベニア郡の住民や医療関係者を教育する。
広く信頼できる報告が明らかになっているが、 中国では、移植用の臓器を得る目的で、主に学習者をはじめとする、他の宗教団体や少数民族のメンバーを含む、良心の囚人が大量に殺害されている。
中国法廷(The China Tribunal)は、ロンドン在住のイギリスの勲章受章者、ユーゴスラビア国際刑事裁判所の検察官を務めたジェフリー・ニース卿によって主宰されている。長期の公聴会を経て2019年6月18日に出された裁決では「中国で囚人を殺害して臓器移植の行為が継続して行なわれている。被害者は監禁されている学習者であると、全場一致で認定した」
フリーダムハウスは、2017年の報告書「中国の精神との戦い(The Battle for China’s Spirit)」の中で「現有の証拠によると、臓器移植のために法輪功の(良心)の囚人から臓器を強制摘出している行為が行われており、移植手術のための臓器売買がすでに大規模に発生し、かつ継続している可能性がある」と指摘した。
人権弁護士のデービッド・マタス氏、カナダの元アジア太平洋事務次官のデービッド・キルガー氏、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏が2016年6月に発表した調査報告書によると「中国において国家が資金を支援し主導した臓器移植システムを完成させ、軍と民間の医療システムを巻き込んだ産業規模の臓器移植が行なわれている」という。
法輪功は「真・善・忍」の価値を以て核心とし、坐禅を融合した精神的な修煉功法であり、20世紀の90年代に中国で広く歓迎されていた。多くの推定によると、当時、学習者は7000万人以上に達していた。
中共は1999年7月、法輪功の消滅を目的とした厳しい全国的な迫害を発動した。 数千万人の学習者は、中共の労働教養所、拘置所、刑務所に不当に収容されており、拷問や精神的な苦痛を受けている。
2016年6月、米国下院は、学習者やその他の良心の囚人から系統的に、国家が認可する臓器を強制摘出している行為を非難する343号決議案を全会一致で可決した。
この問題は、メディアではほとんど報道されていないが、何十人ものスポットシルベニア郡民がスポットシルベニア郡議会に懸念を表明している。
スポットシルベニア郡の住民は、臓器移植のために中国へ渡航することを決める前に、中国の臓器供給源について十分な情報を得るべきであり、スポットシルベニア郡議会は、この方面に関する認識を高めることを支援すべきである。
したがって、スポットシルベニア郡議会は、中共政権による法輪功への迫害、および良心の囚人への国家主導の臓器強制摘出の行為を、最も強く非難する。
さらに、米国政府に対し、中国の臓器移植産業を徹底的に調査し、同意のない学習者の臓器を強制的に摘出する行為を終わらせるための、あらゆる合理的な措置を講じるよう求めることを決議する。
さらに、スポットシルベニア郡とその周辺地域の住民と医療関係者に、臓器移植のために中国に渡航することの危険性を知らせ、当郡民が、国家(中共)が認めた良心の囚人からの強制的な臓器摘出に不用意に共犯者ならないようにすることを決議する。
さらに、この決議のコピーを、バージニア州知事、バージニア州議会、バージニア州国議員、2人の米国上院議員、そしてバージニア州保健局に送付することとする。