【明慧日本2021年7月13日】(明慧記者・李静菲)ロシアの地方裁判所が7月8日に法輪功団体に下した判決を受けて、米国務省は7月9日に声明を発表し、ロシア当局による法輪功団体への弾圧に深い懸念を示し、法輪功学習者(以下、学習者)と他の宗教団体のメンバーを尊重するよう呼びかけた。
国務省は声明の中で、「ロシアの地方裁判所が、ハカス地区の法輪功団体を『過激派』と指定し、彼らが平和的に精神的信念を実践することを『犯罪』として判決を下したことに、私たちは深い懸念を抱いている。彼らが坐禅することや、精神的な内容の経書を所持しているといった単純な行為に対して、ロシア当局は嫌がらせや罰金、拘禁を行った」と述べた。
米国務省はロシア政府に対し、「過激派」という名称を用いて人権や基本的自由を制限することをやめるよう求めた。
声明では、「私たちは、ロシアの学習者と他の宗教の少数メンバーを含む、すべての人々の宗教あるいは信仰の自由の権利を尊重するよう、ロシア当局に引き続き求める。彼らは単に平和的に信仰を実践している」と述べている。
国務省は、「昨日(7月8日)の判決は、ロシア当局が平和的な団体に『過激派』、『テロリスト』、『歓迎されない』というレッテルを貼り付けたもう一つの例である。彼らの支持者に不名誉を与え、彼らへの迫害を正当化し、平和的な宗教活動や市民活動を制限するためである。ロシア政府はすでに一部の団体に対してこのような行動をし、これらの団体のメンバーは平和的な宗教活動を行ったために家宅捜索、長期拘禁、懲役および嫌がらせに直面している」と指摘した。
ロシアの学習者によると、2020年にロシア東部のハカスで、ある市民が法輪功を習いたいと思い、『轉法輪』という本を探したところ、地元の学習者がこの本を提供した。『轉法輪』は当局に禁止されているため、約1カ月後、地元の検察官がこの学習者を起訴した。当時、裁判官は学習者を支持する判決を下したが、政府の検察官は控訴した。そして、高等裁判所は、ハカスで登録されている法輪大法団体を取り締まるという判決を下した。学習者はこの判決を不服として控訴したが、裁判所は2021年7月8日、ロシア連邦東部のケメロヴォ市で裁判を行い、元の判決を維持した。
ロシアの地方裁判所による法輪功団体への弾圧が注目される背後には、中共の影響を受けていると見られる。各国の法輪大法学会と支持者は、ロシアの関連部門に手紙を出して事実を明らかにし、法輪功団体への弾圧が『欧州人権および基本的自由の保護に関する条約』に違反していることを指摘した。ロシアの学習者は、引き続き最高裁に控訴することを表明した。