欧州議会議員 中共の「生体臓器収奪」制止への行動を求める
■ 印刷版
 

 【明慧日本2021年12月11日】(明慧記者=英梓)2021年11月29日に行われた欧州議会の人権問題分科会の公聴会で、ピーター・ヴァン・ダーレン(Peter van Dalen)議員は「生きたままの臓器収奪は、私たちがこれまで見聞きした中で最悪の人権侵害の一つです。地球上で、中国が犯したこのような大きな犯罪にどう向き合えばいいのでしょうか?  こんなに多くの人、こんなに多くの罪のない生命が失われ、想像に絶するものがあります」と述べた。

'图1:11月29日,荷兰政治家、欧洲议会人权小组委员会成员凡·达伦(P Van Dalen)参加欧洲议会听证会。(听证会视频截图)'

欧州議会の人権問題分科会の公聴会で発言するピーター・ヴァン・ダーレン議員(公聴会ビデオより)

 公聴会では、各国の欧州議会議員が、中国共産党(以下、中共)による臓器収奪の犯罪に対抗するため、欧州連合は、国連と国際組織による共同行動を求めた。

 ジェフリー・ニース氏「法輪功学習者は生体臓器収奪の主な犠牲者である」

 ロンドンにある独立した民衆法廷が、2019年の報告書で、中国において国家が認可した生体臓器収奪が長年にわたって大規模に行われていると結論づけた。 この報告書では、不法に監禁されている法輪功学習者が「主な臓器の供給源にされている可能性がある」と述べた。

'图2:杰弗里·尼斯爵士(Geoffrey Nice QC)2021年11月29日参加欧洲议会人权小组委员会的听证会。(欧洲议会视频截图)'

欧州議会の人権問題分科会の公聴会で発言するジェフリー・ナイス氏(公聴会ビデオより)

 「民衆法廷」のジェフリー・ナイス氏は公聴会で、「民衆法廷は、証拠を詳しく研究し、何を証明したのかを見てみました。我々が出した結論として、疑う余地もなく生体臓器収奪が存在することが証明されました 。我々は、最初は口頭で伝えることにし、そして文面で広く伝えることにしました。その文面の中で多くの文献を参考にしました。 その結論には異議が唱えられていません」と述べた。

 ナイス氏はさらに、「これは、法輪功を修煉する人の臓器を奪い、人を殺してすべての臓器を取り出し、それを商業市場に出して販売することを意味しています」と説明した。

 証人「中共による生体臓器収奪は産業規模で行われ、需要に応じて殺人している」

'图3:11月29日,伦敦大学学院小儿心胸外科教授马丁·埃利奥特(Martin Elliott)参加欧洲议会听证会。(欧洲议会听证会视频截图)'

欧州議会の人権問題分科会の公聴会で証言するマーティン・エリオット氏(公聴会ビデオより)

 ロンドン大学院の小児心臓胸部外科教授で、移植外科医のマーティン・エリオット氏は、「民衆法廷」のメンバーとして、民衆法廷の結論に至った多くの証拠を説明した。移植数がドナー数をはるかに上回っていること、労働教養所での説明のつかない健康診断、臓器移植の待機時間が極端に短いことなどを例に挙げた。

 エリオット氏は、カナダの国際人権弁護士デービッド・マタス氏らが、出版した報告書や病院のウェブサイト、医師自身の出版物などをもとに収集したデータによると、中共は当時、年間6万件から9万件以上の移植手術を行っていたという。そのため、ドナーの数よりも移植の数の方がはるかに多いことが分かった。それでは、これらのドナーはどこから来たのか? これは「隠された臓器供給源」の存在を示しているという。

 またエリオット氏は、「ヨーロッパの多くの地域では、移植までの待ち時間は数カ月から2年も待たなければなりませんが、中国では肝臓や腎臓などの臓器の移植までの待ち時間が、数日であるという話を聞いています。これは、事前に準備された臓器供給源が存在しているとしか説明できません」と述べた。

 エリオット氏は、生体臓器のビジネスモデルが、需要に応じた供給であることの証拠を用いて示した。 「新しい肝臓を必要としている日本人が、500万ドルを支払うという話を聞きました。これはエージェントを介して行われます。エージェントは病院に連絡を取り、非常に短時間で移植ができる場所を特定し、時には予備の臓器も準備され、これは西洋においては不可能なことです。ですから、ビジネスモデルは、個々の需要の原則に基づいています」と述べた。

 欧州議会議員「共同行動の緊急性について考える必要がある」

 公聴会では、欧州各国の議員から、中共による生体臓器収奪の犯罪を強く非難した。欧州議会が行動してこの生体臓器収奪を制止しなければならず、同時に臓器移植の審査や政策実施の透明性を強化するという。

'图4:2021年11月29日,欧洲议会人权委员会小组主席阿瑞纳(Maria Arena)在主持听证会。(欧洲议会听证会视频截图)'

欧州議会の人権問題分科会の公聴会で発言するマリア・アリーナ議員(公聴会ビデオより)

 欧州議会の人権問題分科会主席で、公聴会の司会を務めたマリア・アリーナ議員によると、生体臓器収奪のキーワードは、「精査」と「透明性」であるという。同議員は、「EUが中国にどのような影響を与えるのか、また、現在中国で起きていることを我々の法制度でどのようにフォローできるのか、より深く検討する必要があります。 法的な側面だけではなく、EU総会で何ができるかを考えてみましょう」と述べた。

'图5:11月29日,葡萄牙政治家、欧洲议会人权小组委员会的成员伊莎贝尔·桑托斯通(Isabel Santos)在听证会上。(听证会视频截图)'

欧州議会の人権問題分科会の公聴会で発言するイザベル・サントス議員(公聴会ビデオより)

 ポルトガルの政治家で欧州議会の人権問題分科会のメンバーであるイザベル・サントス議員は、エリオット氏が提供した年間の臓器移植数は、中国での臓器移植が「産業規模で行われている」ことを示していると述べた。 

 同議員は、「ここでは法輪功の迫害についてよく耳にします。この生体臓器収奪の犯罪の犠牲者は法輪功学習者だけではなく、これは人類に対する犯罪であるとも聞いています」と述べた。

'图6:11月29日,西班牙政治家、欧洲议会人权小组委员会成员玛丽亚·索拉亚·罗德里格斯·拉莫斯(Maria Soraya Rodriguez Ramos)参加欧洲议会听证会。(听证会视频截图)'

欧州議会の人権問題分科会の公聴会で発言するマリア・ソラヤ・ロドリゲス・ラモス議員(公聴会ビデオより)

 欧州議会の人権問題分科会のメンバーであるスペインの政治家、マリア・ソラヤ・ロドリゲス・ラモス氏は、公聴会で、中国での臓器移植は「まさに産業規模の殺人」であると話す。EUは法的保護を強化して、「これらに臓器が欧州連合各国に入らないように確保すること」、「これは21世紀の我々が想像もできない前代未聞の犯罪です」と述べた。

 フランスの政治家、欧州議会議員ラファエル・グリュックスマン氏は、「これは、我々の地球上で目にし、想像できる最悪の人権侵害の一つです」と述べた。

 欧州対外行動庁責任者「欧州は生体臓器収奪を最も強く非難している」

'图7:11月29日,欧洲外交机构欧洲对外行动署(EEAS)中国、澳门、台湾和蒙古部门负责人多米尼克·波特 (Dominic Porter)以远程方式参加听证会。(欧洲议会视频截图)'

欧州議会の人権問題分科会の公聴会で発言するドミニク・ポーター氏(公聴会ビデオより)

 欧州の外交機関である欧州対外行動庁(EEAS)の中国・マカオ・台湾・モンゴルを担当する責任者であるドミニク・ポーター氏は、人権問題分科会に対し、中共による生体臓器収奪について、外交機関として「繰り返し懸念を表明してきました」と述べた。

 またポーター氏は、「我々は今日、調査結果の内容について多くのことを耳にしました。「考えられない」人権侵害と言われるような指摘が多数含まれ、これらの指摘は想像し難い人権侵害の行為です。率直に言えば、性的暴力、拷問、DNA鑑定、不法投獄、中国の良心の囚人からの臓器収奪など多岐にわたります。収集した証言は証拠を増やし、法輪功学習者やその他の民族・宗教の少数派が中国で憂慮すべき状況に置かれていることを示しています」 

 「多国間のフォーラムでは、現在の中国の人権状況が、今後のEUの人権活動の核心になり続けます」と述べた。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/12/3/434299.html)
 
関連文章