【明慧日本2022年10月14日】「一人の人間の、二つの人生を見ました」会社の同僚がこのように話すのは、グローバル自動車メーカーである韓国ゼネラルモーターズ(韓国GM)の韓交鎮部長のことです。
会社で徹底した几帳面さで知られている韓交鎮さんは、静かで優しい管理者でもあります |
父親の予言
『周易』を研究していた韓交鎮さんの父親は彼に、「お前が40歳になったら、運命が変わる。そして、私はその年の9月にこの世を去る......」と言ったそうです。その後、彼の父親は本当に9月に亡くなり、彼も父親の言葉通り、40歳を境に人生に大きな変化を迎えました。
彼はこう振り返りました。「2002年、勤めていた会社が金融危機で突然倒産しました。当時は本当に苦しかったです。ある日、私は北漢山で偶然にも穏やかに煉功している人たちを見かけました。彼らが法輪功を煉功していると知り、さっそくインターネットで検索してみると、学習者が1億人もいることが分かりました。そのとき、これほど多くの人が習っていることに驚きつつ、これほど多くの修煉者が弾圧されていることも不思議に思いました。直感として、1億人も修煉しているならば、この功法にはきっと何かの超常的な原理が存在しているに違いないと思いました」
『轉法輪』の一言一句が心に響いた
法輪功をぜひ学んでみたいと考え始めた韓交鎮は、煉功場に行って動作を学び、同時に法輪大法のホームページから電子書籍『轉法輪』をダウンロードしました。4日間かけて本を読み終えた後、彼は衝撃を受けました。彼を長年悩ませてきた疑問は、この本ですべて解けました。
「本の一言一句が、私の心に響きました。どう生きていけば良いかが分かり、物事の見方まで変わりました。会社が倒産した後、私は長い間さまよい、多くの本を読み、立ち直ろうとしましたが、失敗に終わりました。しかし、強制することなく、学習者に対し特別な管理もなく、純粋に個人修煉である法輪功が、私にこれほどの変化をもたらしたとは驚きでした」と彼は言いました。
初めて煉功した後、体が軽くなった
韓さんは子供の頃から座禅と修煉に興味を持ち、あちこちに行って探し求めていました。家の近くでお金をかけて学んだ呼吸法も気功も目立った効果がありませんでしたが、今回は違いました。
振り返りながら、彼はこう言いました。「初めて法輪功の動作を習った日、私の掌の中央部がヒリヒリと刺されたような痛みを感じ、全身が熱くなりました。また、激しい運動をしたわけでもないのに、全身に汗をかき始めて、煉功後、体が軽くなりました」
韓さんを驚かせることは、その後も続きました。「その直後、感謝の気持ちを表そうと、功法を教えてくれた学習者にプレゼントを渡そうとしたところ、断られました。彼は私に、『法輪功の弟子が功法を教える時、いかなる代価も報酬も受け取りません。今後、あなたもそうしてください』と言いました」
人生の転換点
韓さんは幼い頃から多くの疑問を抱き、頭が休む暇はありませんでした。「時は果てしなく流れていき、人は100年しか生きられないのだから、急ぎ足で過ぎ去る客と同じでは? 世の中には万物があり、人の死は灯火が消えるようなものなのか? それとも、まだ思惟が残っているのか?」と、彼はずっと考えていました。
苦悩を他人に打ち明けることができなかった彼は、自分が1人で宇宙空間で生活していることをよく想像していました。答えを探すために、彼は哲学の古典を調べたり、佛教の経典なども読んだりしましたが、いずれも心の疑問を解くことはできませんでした。周囲の人はそのような彼をなかなか理解できず、彼も心の内を打ち明かす機会がありませんでした。
「私の興味は常に哲学や人生の根本に関する問題に向けられていて、満足のいく答えが得られませんでした。杯を上げるたびにそれらの悩みが忘れられるので、しまいに私の周りには、酒友が一杯集まってきました」と、彼は振り返りました。
勤め始めてから、韓交鎮は毎日酒を飲むようになり、仕事帰りに一杯、家に帰ってから一杯、ときには夜中まで飲んでいました。
「妻はそんな私が大嫌いです。しかし、お酒を飲み始めると、自分を抑えられなくなります。私はビールでも焼酎でも、洋酒でも、手に入るものは何でも飲んでしまう、種類を問わずの飲兵衛です」
彼がお酒に溺れていたせいで、韓交鎮の家庭には平穏な日がほとんどありませんでした。彼の妻の怒鳴りは毎日続き、仕事が終わった後の時間が彼にとって最大の難関となりました。彼は毎日宴会に出席し、1日平均2箱のタバコを吸っていました。そんな彼に妻は我慢できず、夫婦関係は終わりに近づいているようでした。
「当時、家の雰囲気が悪くて、私の健康も悪化していました。胃潰瘍があるので、毎日胃腸薬を飲んで生きていました。強い不安感もあって、ほとんど目を閉じて休むことができませんでした。まさにそのような状況下で、私は修煉を始めたのです」
有名なアル中が酒をやめた
法輪功を修煉し始めてまもなく、不思議なことが起こりました。韓さんはこう言いました。「修煉を始めて数日後、急にお酒が嫌いになりました。『轉法輪』を読んでいて、もうお酒を飲むべきではないと思いつつ、禁酒にはあまり努力しませんでした。でも不思議なことに、だんだんお酒を飲みたくなくなってきて、お酒の席も敬遠するようになりました」
有名なアル中がお酒を飲まなくなった話は、すぐに社内に広まりました。会社の食事会では、同僚にいくら飲めと勧められても、彼は動じませんでした。1年後、同僚たちはお酒を勧めることをせず、自然に彼に飲料などを渡すようになりました。
「お酒だけでなく、たばこもこうして止めました。以前は何度も禁煙を試みましたが失敗しました。法輪功を修煉した後、お酒をやめたように、たばこもとても自然に簡単にやめました。私がたばこをやめたのを見て、隣のチーム長もたばこをやめました。周囲には一気に禁煙に成功した例がなく、私は根性があるとの評価も受けました」
有名なアル中がお酒だけでなく、たばこもやめたという噂はもっと早く広まりました。飲酒と禁煙を同時に成功させた初めての社員として、彼は次々とその秘訣を質問されました。
振り返りながら、彼はこう言いました。「『一体どうしたのですか? 本当に一気にたばことお酒をやめたのですか? 秘訣は何ですか?』と聞かれて、私は自分の修煉の物語を話すしかありませんでした。それ以来、私を見るたびに、同僚たちは『おお! 法輪功!』と言うようになりました(笑)」
厳しかった部長が温和になった秘訣
仕事場では、韓交鎮は几帳面な管理者で、チームメンバーにはあまりにも厳しすぎるため、「毒蛇」というあだ名まで付けられました。法輪功を修めた後、彼は変わって優しくなり、チームメンバーと密にコミュニケーションを取るようになりなした。「相手を責めたり追及したりしなければ、コミュニケーションの窓が自然に開くことを、修煉を通して気づかされました」と彼は言いました。
今年9月末の満期退職を迎える韓交鎮さん(34年間勤めていた会社の前で) |
管理者である韓さんは、全てを細かく管理しており完璧に見える一方で、メンバーたちは束縛感を覚え、管理者も非常に疲弊してしまうと感じたそうです。「私のやり方は、最初だけメンバーと一緒に企画し、原則的な部分をメンバーと十分に話し合い、後は信頼してメンバーに任せることで相手に安定感を与えます。何かおかしい部分があれば、すぐに兆候を感じ取ることができるので、会話で問題を解決していきます」
韓さんのチームメンバーに対する態度も変わり、彼らのために献身的に働き、名声が傷ついても我慢し、穏やかな仕事場の雰囲気を維持するよう努めました。
「チームメンバーの管理は仕事の成果に直結し、管理者にも絶対的な影響を与えるので、私は自分の心構えを調整することに気を配っています。修煉してから自我を放下することの大事さが分かって、心も穏やかになりました。ですので、私はほとんどストレスを感じません。しかも、物事の道理を理解しているので心配もありません。管理者が温和に管理すれば、メンバーたちも安心して働けるので、おのずと良い結果が出るのです」
韓さんは他のチームの4倍以上となる40人余りのメンバーを管理していて、他のメンバーが少ないチームと比べるとき、心に不平を感じることもありました。その都度、彼は不平の心を捨て、素直に受け入れることに努めました。
「人は不幸、苦痛、経済的困難に遭遇することがあります。しかし、修煉の観点において、それを偶然として捉えず、自分が返済すべき部分だと見なします。そう考えれば、穏やかな心を保つことができます。そして修煉は私の意志力も強くしてくれます」
彼は、実は心の容量を拡大することが問題の鍵だと発見しました。ある時、チームメンバーが誤って高価な車を破損させ、目に見えない大きな損失をもたらしました。管理者がすべての責任を負う必要があるので、彼はメンバーに代わってすべての厳しい批評を受けました。
責任を取った彼にも、心の揺らぎがありました。「ミスをしたチームメンバーの顔がずっと目の前でちらついていて、心の底から不満が湧いてきていました。しかし、そのときチームメンバーも、うっかりやってしまっただけで、彼も自責しているのだと考えました」
「修煉の過程で、私は他人のことを優先的に考えることを学びました。ですから私はメンバーのことを一番に考えて、彼を精神的なショックから最大限に守ってあげようとしました。解決策はありませんでしたが、それが自分の耐える力を試すチャンスだと考えました」
「結局数日後、その事故は警告書1枚で終わりました。その間は大変でしたが、メンバーを守りながら穏やかな心を保つことができて、その後のチームワークもさらに良くなりました」
危機に陥った家庭が落ち着きを取り戻した
修煉を始めた後、韓さんの妻も娘も彼の変化を実感しました。危機に陥っていた家庭は、落ち着きを取り戻しました。
「以前は妻と喧嘩すると、数日間もほとんど口をきかず、しゃべりだすと口論になっていましたが、今はもう喧嘩はしなくなりました。妻が怒っても、妻の言うことをよく聞いてあげると、彼女もすぐに落ち着き、怒らなくなります。娘も友達に『父が変わった』と言っているようです」
皿洗いや家の片付け、洗車、休日の掃除はみな、韓さんの仕事です。どんなに疲れていても、家族のことを思うと、彼は袖をまくり上げて家事をし始めるのです。家事をするようになってから、彼は妻の苦労を理解するようになりました。「今までは妻に大変な思いをさせてしまい、多くの借りを作ってしまいました。今からは少しずつ償いをしていきたいです」
40歳で大法を学び始めた後、韓さんは新しい人生を手に入れました。たばことお酒をやめ、人生に対する態度を改め、活力と深くて暖かい心を持つようになったのです。