　【明慧日本2022年11月13日】香港の西九龍治裁判所は10月31日、2020年12月に香港の法輪功の活動拠点を繰り返し破壊した男に対して有罪判決を下した。中国共産党（以下、中共）の活動家である胡愛民は、5件の器物損壊罪で有罪判決を受け、12月1日に判決が言い渡される予定だ。

被告・胡愛民

　中共の共犯者としての過ちを戒める

　香港の李志豪裁判官が判決の理由を述べた時、「本案件は事実上争点がなく、被告（胡愛民）は法輪功の街頭活動拠点の物品を破壊したことを否定しなかった」と指摘した。

　弁護側は「憲法」と「国家安全法」を引用して弁護し、被告は法輪功学習者の展示品が「違法」であり「国家の安全を維持する」ために「法律を自分で実行する権利がある」と主張したことに対して、李裁判官は被告側の発言を「屈理屈をこねている」と非難した。李裁判官は「誰かが中国を侮辱するようなことを言った場合、自分で法律を施行できるのですか？　それなら殺人、窃盗、妨害行為もすべて国家安全法によって保護されるのですか？」と質問した。

　また、李裁判官は「法律の執行は法律執行部門の責任で行われるべきであり、もし体裁の良い口実で私的に法律を施行したならば、国に混乱をもたらし、社会に恩恵をもたらすことはありません。よって、被告は故意の妨害行為により有罪判決を下されました」と強調した。

　起訴状は、被告が2020年12月13日、19日、20日に5回の事件に関与したと指摘し、旺角豉油街（Soy Street）24番地、旺角恵豊中心の門の外、黄大仙広場、および尖沙咀フェリー乗り場で合法的理由もなく、法輪功学習者3人の横断幕、ディスプレイボード、コンピューターなどの物品を破損し、総額は15,000元であった。被告は同年12月24日に逮捕され、その後、5件の器物損壊罪で起訴された。

　胡愛民はまた、昨年4月3日、複数の共犯者とともに法輪功学習者の展示品の破壊にも関与しており、当案件は今年の12月8日、9日、12日に裁判が行われる。

　中共のデマが被告人を犯罪に走らせた

　被害者の1人である法輪功学習者の陳さん（女性）は、判決後、「胡愛民が中共のデマに洗脳され、法輪功が『違法』であると勘違いし、自らを違法な犯罪に走らせました」と発言した。陳さんは「法輪功の理念は、真・善・忍であり、どこに行っても合法です。中国でさえ、私たちが邪教だと定めた法律はありません」と語った。

　1999年、中共の元指導者である江沢民は、法輪功に対する弾圧を開始するにあたって不当な組織である「610弁公室」を設立し、後に法輪功を誹謗中傷するために「偽りの天安門焼身自殺」をでっち上げた。明慧ネットの統計によると、2015年から2016年にかけて、20万人を超える法輪功学習者が、江沢民に対する告発を実名で中共の最高検察庁と最高裁判所に提出し、訴訟のコピーを明慧ネットにアップロードした。海外30以上の国と地域で、江沢民は法輪功学習者から「ジェノサイド」「人道に対する罪」「拷問罪」で訴えられている。

　陳さんも「私が街頭で真相を伝えているのは法輪功が中共によって迫害されているからであり、中国で私達は訴えるところがなく、香港では私たちが不当な扱いを受けていることを人々に伝えることができ、香港にはこの自由があります」と語った。そして、陳さんは「胡愛民とその共犯者がまったく武器を持っていない善良な人々に犯罪被害を与えたことを非難し、年配の法輪功学習者でさえ前に出て彼らを阻止しようとしましたが、かえって押し倒されました。彼らがどうしてこんなことができるのか分かりません」と語った。

　中共が法輪功を迫害して以来、香港の法輪功学習者は街頭で平和的に抗議活動を行っており、長期間にわたって親中派の組織から嫌がらせや暴力の脅威を受けてきた。2019年9月、法輪功学習者の廖さん（女性）は10月1日のパレードについて話し合うために警察と面談した後、暴徒に殴られて出血した。当時、監視を担当していた22歳の男である柯衍湛は今年初めに逮捕された。彼は故意に妨害を働き、「傷害罪」で2年9カ月の懲役を言い渡された。

　被告は5件の器物損壊罪で起訴された

　胡愛民は2020年12月13日に起訴され、旺角豉油街と旺角恵豊中心の周辺で、4枚の横断幕と張られていた2枚の横断幕を破壊し、また、同年12月19日に黄大仙広場の外側の駐車場で展示用発泡スチロール板19枚、横断幕4枚、のぼり3本を破損させた。同年12月20日、天星フェリー乗り場でパソコンスタンドとのぼりを破損させ、同日に旺角で横断幕6枚とのぼりを破損した罪にも問われた。同日、旺角豉油街で、意図的に、あるいはその財産が損壊するかどうかを顧みず、その財産を損壊し、そしてその財産は3人の法輪功学習者のものであった。