【明慧日本2022年11月21日】(明慧記者・劉武)11月1日、第1回「強制臓器収奪と闘い、防止するための看護師サミット」(以下:看護師サミット)がオンラインで開催された。米国法医学看護学会(AFN)と強制臓器摘出に反対する医師団(DAFOH)が主催したこのサミットの主な目的は、強制的な臓器摘出の取締りと防止、および世界規模で倫理的な医療と看護の実践を促進することである。
看護師サミットには多くの医師や専門家、証人が集まり、中国共産党(以下、中共)による長年にわたる犯罪、つまり今もなお行われている法輪功学習者(以下、学習者)から臓器を摘出し利益を得る犯罪に焦点を当てた。例えば具体的な証言として、中共から迫害を受けた2人の学習者が、中国の労働教養所での体験を述べた。参加者は、人権に関心を持つ各分野の人々に対し、共に臓器狩りに反対する世界宣言に連署し、共にこの人権に対する暴行を制止するよう呼びかけた。
サミットは4時間を超え、参加者は三つの角度から中共による臓器狩りの蛮行について議論した。一つ目は強制臓器収奪の深さと範囲、二つ目は倫理的・法的考察、三つ目は介護従事者が取るべき行動であった。調査ドキュメンタリー映画「医療大虐殺:中国臓器移植産業に隠された大量殺戮」も上映された。
DAFOH看護部長:中共による生体臓器摘出の証拠は否定できない
看護師サミットで発言したデボラ・コリンズ=ペリカ氏(強制臓器摘出に反対する医師団(DAFOH)の看護部長) |
DAFOHの看護部長であるデボラ・コリンズ=ペリカ氏はこう述べた。「自発的な同意なしに無実の人々から強制的に臓器を摘出することは最も凶悪な行為ですが、そうした行為は中国の政府によって承認され、支持され、警察や軍によって監督管理され、中国では巨大な収益をもたらす臓器移植産業を形成しているのです」
同氏は法輪功の例を挙げてこのように話した。法輪功は、中共に迫害される前は、かなり人気があった。健康と精神面に有益として、約1億人の中国人が修煉していたと推定されたが、中共の憎悪宣伝キャンペーンで迫害される団体となり、結果として多くの学習者が不当な判決を受けて投獄され、秘密裏に処刑され、生きたまま臓器を摘出されることになった。
同氏はまた「虐待や臓器狩りの被害者は拘留中に医療検査を受け、そのデータは、通知して数日以内に移植用臓器を迅速に入手できるシステム、具体的には中共が構築した『臓器需給データバンク』に保存されます。その後、被害者は刑務所内の病院や拘置所で健康診断、胸部X線検査、超音波検査、血液検査を受けることになります」と述べた。
中共機関紙『中国日報』の2016年の報道によると、中共は腎臓移植を4万6,000米ドル(約639万円)、肝臓を約9万米ドル(約1,251万円)、心臓を15万米ドル(約2,085万円)で販売している。同氏によると、臓器移植は世界で最も収益性の高い医療産業の一つであり、中国では年間10億米ドル(約1,390億円)に上るという。
独立系調査ジャーナリスト:中共による生体臓器収奪の経緯
イーサン・ガートマン氏 |
独立系ジャーナリストのイーサン・ガートマン氏は、中共の生体臓器狩りの経緯と現状について述べた。
同氏によると「1980年代後半、中国では死刑囚からの臓器摘出が常態化した。そして1999年、(中共は)文化大革命以来、国家安全機関による最大規模のキャンペーンである法輪功への迫害を開始した」
そして「2001年、およそ200万人の学習者が労働教養所などに収監され、腎臓、肝臓、心臓などの臓器の健康状態を調べる健康診断を受けた。それは臓器売買の準備のためである」
同氏はまた「2002年には、中国を訪れた外国人の臓器移植の待ち時間は2週間以内になった。2003年には、投獄されたチベット人やキリスト教徒にも臓器チェックのための健康診断が行われたそうだ。2014年、中共の警官らは学習者の家に押し入り、血液やDNAのサンプルを採取した。2016年、北京はウイグル族にDNAと組織の照合のための血液サンプルを提供するよう求めた」と述べた。
つまり同氏によると、中共の臓器摘出の対象は、処刑された囚人だけでなく、学習者やチベット人、キリスト教徒、さらにはウイグル人にまで及んだという。
同氏はまた、「『国際心肺移植学会』はこのほど、中国発の(臓器移植の)研究論文の掲載を拒否する方針を明らかにした。これは本当に勇気ある行動だ」と述べた。
「中国の臓器移植の医師や看護師の論文は、私たちの医療雑誌に掲載されてはならない。彼らを私たちの大学(研究)、会議、病院(連携)に参加させてはならない。(中共との)すべての手術機器の販売、医薬品の研究開発、および臨床面での協力を凍結すべきである」と同氏は考えている。
ニューヨーク大学グロスマン医学院院長:中共は依然として臓器摘出を行い続けている
看護師サミットで発言したアーサー・L・キャプラン氏(ニューヨーク大学グロスマン医学院院長)※NTDのビデオ・スクリーンショット |
臓器移植分野の研究に長年携わり、国連の「臓器売買に関するEUタスクフォース」の共同議長も務めたニューヨーク大学のグロスマン医学院院長のアーサー・L・キャプラン氏は、次のように述べた。
多くの国際組織、移植機関は、中国で毎年大数の臓器移植が行われていることを発見したが、「中国における年間移植件数と、彼らが報告している臓器提供件数には大きな隔たりがある」
「2~3週間以内に適合する臓器を提供すると約束できるとは、非倫理的な手法で臓器が得られない限り、非常に疑わしい」と同氏は指摘した。
同氏はまた「中共が依然として独断で、透明性を欠いた死刑囚からの臓器摘出、および(人体)組織の獲得を組織的に行っていることを示す一連の証拠がある」と述べたが、これらの囚人には政治犯、学習者、および他の宗教信仰の囚人が含まれているという。
証人:父は生きたまま臓器を摘出された、録音証拠がある
学習者の江莉さんは、臓器狩りの証人として発言した。彼女は家族全員が法輪功を学んだために迫害され、父親の江錫清さんは迫害により死亡し、母親は不当にも8年の懲役を宣告され、3年の労働教養を強いられた。
江莉さんによると、父親の江錫清さんは、まだ体が温かい状態で葬儀場に運ばれ、警察に救命処置を止められ、家族の立ち合いも同意もない状況で臓器を摘出された。その全過程が録音されているという。このような人命に対する無神経なやり方は、明らかに国の法律に違反している。彼女はその資料を法医学専門家に持参して分析を受けた結果、関係者はみな彼女の父親は不自然な死を遂げたと結論づけているという。
中共の残虐行為を阻止しようと呼びかける
江莉さんは、中共の生体臓器狩りの犯罪は、数多くの家庭に悲劇を引き起こしたと強調し、世界中の善良な人々が立ち上がり、共に中共による法輪功への迫害を終わらせ、彼女の父親への迫害にも関わったすべての人が裁かれるように力を合わせようと呼び掛けた。
※このサミットの映像は、以下の Gan Jing World のリンクからご覧いただけます。
LIVE:Nurses Summit on Combating and Preventing Forced Organ Harvesting (ganjing.com)