【明慧日本2023年2月14日】上海市浦東新区の法輪功学習者・楊建華さんは2018年6月頃、上海長寧区裁判所から、懲役2年の不当判決を宣告された。
2017年8月23日、ある住民が法輪功を紹介する小冊子を受け取ったとして、楊さんを通報した。楊さんは8月30日、上海公安局長寧支局に逮捕されて家宅捜索を受け、長寧区留置場に拘禁された。法輪功は世界の人々に親しまれる精神修養法であるが、1999年以来中国共産党(以下、中共)により迫害されている。
2018年5月31日午後、長寧区裁判所第8審裁判所は、楊建華さんに対して不当な裁判を行った。裁判の冒頭に、裁判長が、非常に早口で楊さんの身元を洗い出し、楊さんが持つ権利と義務を伝えた。検察官も同じスピードで起訴状を読み上げた。
この起訴状に対して、楊さんは異議を唱えた。第一に自分は何の犯罪行為もしていないこと、第二に自分の行為は人を救うためにしたのであって、本件の告訴とは無関係であること。ここで裁判官は、楊さんの話を遮り、法輪功に言及せず、法輪功の小冊子を配ったかどうかについてのみ話すよう求めた。すると楊さんは「そのようなものを配布したが、それは全く犯罪ではない」と改めて陳述した。
裁判官が急いで裁判を進めたため、この時点で楊さんを着席させることを忘れていた。楊さんが陳述し終えた後、弁護士は楊さんを座らせるよう求めた。
証拠調べの段階で、楊さんは以前、小冊子を置いたことを認めたが、これらの冊子は犯罪とは無関係だと再度主張した。弁護士もまた、これらの冊子は楊さんの行動がいわゆるx教(中共こそが本当の邪教)と関係があることを証明できない上、どの法律に違反したかも証明できないと述べた。しかし弁護士の話も同様に裁判官に遮られ、法輪功の問題については話さず、楊さんが冊子を配ったかどうかだけについて発言すよう求められた。
そして、弁護士は、出版物の問題を中心に、国務院令第50号を真剣に審査し、法律に基づいた判断をするようにと要求した。同時に、主観的には、楊さんは他人に良い人になるよう勧めたのであって、法律を破壊するようないかなる意図もないとした。
その後、弁護士は本件の捜索・押収手続きの正当性について異議を唱えた。これらの冊子は、違法な押収手続きの下で得たものだと非難した。弁護士の詳細な説明を待たずに、裁判官は再び口を挟み、すでに知っていることだから発言しないようにと再度求めた。
弁論の段階で、弁護士は、本件の証拠は楊建華さんがx教に従事したことを証明できず、いわゆる邪教組織(中共こそが本物の邪教)の存在を証明することもできないとの見解を示した。合わせて、楊さんに対するいわゆる証拠は、どれも刑事訴訟法の要件に違反して収得されたものであり、合法性はないとした。また、事件捜査部門は、楊さんがいわゆる犯罪を犯したと告訴するために、23日から25日まで某住宅街には楊建華しか入っていないと嘘を言ったが、そんなことはありえない事ではないかと指摘した。
楊さん自身も自己弁護をした。自分は真善忍のために、良い人になるために法輪功を学んだと説明したが、裁判官に法輪功の性質に触れないようにと言われた。楊さんは、弁護士が言ったように、法輪功がx教であると規定する法律はないと指摘したところ、裁判官は再び話を遮り、法律規定に言及する必要はなく、事実に対して異議があるかどうかを話すようにと伝えた。
楊さんが最後に「法律に従って審理してほしい」と言った後、裁判所は休廷を宣言し、弁護士に外で待つようにと指示した。弁護士は裁判官に「楊さんの合法的権利を尊重してほしい」と伝えた。
20分後、裁判が再開された。裁判所は本件の証拠が確実であると認め、弁護人が提出した証拠や法的根拠は不十分だとの見方をした。楊さんの行為が犯罪と関連性がないという意見も採用されず、楊建華さんに懲役2年を宣告した。
今回の開廷で、長寧区裁判所は厳戒態勢を敷き、戦々恐々としていた。セキュリティチェックでは、左も右もスキャンされ、靴も脱がされ、ポケットの中のお菓子さえも取り出さなければならなかった。その後、関係者が親族を中へと連れて行った。第8審裁判所の入り口付近には2台のテレビがあり、法廷関係者の情報が映し出され、開廷前には記録係(書記官)が傍聴席まで来て点呼を取った。
楊さんの親族の一人は法廷に入る際、セキュリティチェックで止められ、職員は「理由は不明だが、入ってはいけないという通知を受け取った」と告げた。しばらくすると、公安と職員が一緒になって、親族の立ち入りを拒否した。結局、楊さんの母親と叔父だけが傍聴を許された。しかし、裁判所はよりによって「北新涇全人大代表」という10人ほどの見知らぬ人を手配して傍聴させた。
楊さんの会社の人事部長と法務部長もわざわざ傍聴しに来たが、第8審裁判所の入り口に着いた時、理由もなく入ることが許されなかった。法務部長によれば、当時の開廷に基づけば、部署から人を派遣して傍聴し、当人を連れて帰るのも部署の役目だったのだが、部署から人を連れて行くとはなおさら信じられないという。
以前、楊建華さんの家族は5月24日、長寧区裁判所の刑事法廷に電話をかけ、電話は担当裁判官の書記官に転送された(内線18230)。家族は裁判の日、傍聴しに行けるのかと尋ねたところ、書記官は調べてから「公開裁判なので、前科がなければ身分証明書を持って来ればいい」と説明した。ところが午後5時になって、書記官が再び楊さんの家族に電話をかけ「裁判官に聞いたら、2人しか来てはいけない」と伝えた。家族は「少なくとも4人はいる、会社の人も傍聴しに来るから」と答えた。すると書記官は「何が会社の人だ。彼らと何の関係があるのか。多く来てはだめだ。決まりは守らなければならない」と口調を強めた。 長寧区裁判所のこのようなならず者の行為や、公然とした違法行為に家族は激怒している。
現在、楊建華さんはすでに控訴している。
(注:法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)