【明慧日本2023年5月30日】(明慧ドイツ記者による報道)世界の金融都市フランクフルトに拠点を置く国際人権協会(IGFM)は5月19日、不当に連行された法輪功学習者(以下、学習者)を声援するために、中国共産党(以下、中共)の秦剛外相と呉懇駐ドイツ中国大使に書簡を送った。また、同協会は迫害に直接関与した山東省委員会書記の林武、および日照市委員会書記の張惠にも書簡を送り、連行された学習者の即時無条件釈放を強く求めた。
ドイツ国際人権協会が駐ドイツ中国大使・呉懇に宛てた書簡の写し |
ドイツ国際人権協会が山東省委員会書記の林武に宛てた書簡の写し |
声援書簡の冒頭で、ドイツ国際人権協会理事会メンバーであるヒューバート・カルプ氏は、「『中華人民共和国憲法』第36条によると、中華人民共和国の国民は信教の自由、人身の自由に対する不可侵の権利(第37条)を有する」と明確に強調した。
さらに書簡では、「中国で起きている24年近く続いている法輪功への迫害は、中国の憲法に違反しているだけでなく、有効な国際法にも違反している」とも強調した。
明慧ネットの5月16日の報道によると、第24回目の世界法輪大法デーである5月13日前後、山東省日照市では40人余りの学習者が迫害され、逮捕された。この迫害は山東省の省庁が直接下した命令によるもので、今のところ、日照市「610弁公室」の王美峰と陳徳華が迫害に関与していたと判明している。
声援の書簡は特に、山東省日照市五蓮県叩官鎮閻家荘村の2人の学習者・丁元徳さんと妻の馬瑞梅さんの安否に関心を寄せている。「我々は、直ちに無条件で丁元徳さんとその妻である馬瑞梅さんを釈放することを強く求める。2人の学習者はいずれも暴力を使ったことがなく、政府に対する暴力の行使を呼びかけたこともない。彼らは国際的に保障されている信仰の自由という人権を行使しただけだ」と書かれている。
事件の背景:
明慧ネットの報道によると、2023年5月12日の朝5~6時ころ、山東省日照市公安局、日照市東港区公安局、五蓮県公安局、叩官鎮派出所の警官、およびその他の司法系統の職員ら十数人(人目を避けるために私服を着ている)は、閻家荘村の書記・夏京徳の案内の下で、日照市五蓮県叩官鎮閻家荘村の学習者・丁元徳さん夫婦の茶畑に行った。彼らは、夫婦の茶摘みを止めさせて、「捜査への協力」を名目で彼らの携帯電話を押収し、一時は丁元徳さんの携帯電話の電源を強制的に切り、家宅捜索を要求した。
警官らは、丁元徳さん夫婦の自宅に着いた直後、馬瑞梅さんの両手に手錠をかけ、男性2人が見張る車に閉じ込めた。ドイツに住む息子の丁楽斌さんは、両親の近況を聞こうと母親に電話をかけたところ、母親は「悪い人が来ていて、手錠をかけられた。手がもう痺れている」と言ったのを聞いた。通話時間はわずか33秒であった。
彼らは午前10時過ぎまで違法に学習者の自宅を捜索し、全過程を「録画」し、法輪功の書籍、および中共による法輪功への迫害の実態を暴露する資料を押収した。その後、パトカーが来て、丁元徳さん夫婦は車に乗せられ、自宅から連れ去られた。いわゆる「調査」と「尋問」に協力することを強要した後、警官らは夫婦を日照市東港区公安局に連行し、不当な取調べを続け、供述を取った。