【明慧日本2024年4月15日】(明慧カナダ・オタワ記者・英梓)「神韻のツアーバスは、カナダと米国で何度もタイヤを切り裂かれるなどの被害を受けました。直近の事件は、3月23日に起きました。そして、バンクーバーのクイーン・エリザベス劇場での神韻公演中に、何者かが劇場のスタッフに、爆弾を仕掛けるという脅迫メールを送ったのです」
3月27日、カナダ法輪大法学会代表の戴工羽氏は、オタワで開かれた外国からの干渉に関する公聴会で、中国共産党(以下、中共)による神韻公演に対する脅迫と妨害の事実を暴露し、次のように指摘した。「同様の(爆破)脅迫メールは、同じ時期に米国の劇場にも送られてきました。これは神韻に対する意図的で悪質な攻撃であることを示しています。そのような動機を持っているのは中共だけであり、この行動は中共の今までのやり方と一致しています」
カナダ法輪大法学会代表の戴工羽氏(左2)と、ウイグル人権擁護プロジェクト(URAP)のメフメト・トフティ所長(中央)が、公聴会でカナダにおける中共の干渉について証言した(2024年3月27日にオタワで開催された外国からの干渉に関する公聴会のビデオ・スクリーンショット) |
中共による神韻公演への破壊および妨害
戴氏によると、中共は組織的に神韻の巡回公演を妨害しているという。例えば、政治家に警告状を送り、公演の鑑賞を思いとどまらせたり、法輪功および神韻を中傷する発言をもって、公演を観たことがある議員に電話や電子メールで圧力をかけたりした。
彼女は、神韻の公演を鑑賞した後、あるオタワ市の議員の事務所が、学習者を名乗る攻撃的で無礼な電子メールの嵐を受けたという例を挙げた。市役所の技術サポートの助けを借りて、事務所はそのようなメールをブロックすることに成功した。議員が地元の学習者に苦情を言って初めて、それらのメールは学習者から送られたものではなく、法輪功を貶める中共のキャンペーンの一環であったことが明らかになった。
戴氏によると、カルガリー劇場の支配人にも同様の偽メールが送られてきて、侮辱的な言葉でスポンサーである地元の学習者と劇場の提携関係を壊そうとした。中には、神韻のスポンサーを辞退するよう脅すものもあった。
「神韻の使命は、中共によって破壊された中国の伝統文化を復興することです」と戴氏は言い、「中共は神韻を恐れています。なぜなら、神韻公演は中共統治の正当性に挑戦するもので、伝統的な中国文化と共産主義文化は衝突するからです」と述べた。
中共はカナダにまで迫害の手を伸ばす
1997年7月、中共の前トップは、法輪功に対する違法な全国的な弾圧を中国で開始した、と戴氏は語った。
「その迫害は中国国内に止まらず、カナダを含む海外にまで及んでいるため、カナダの学習者は中共による中国、カナダおよび世界中の学習者への迫害に反対し、中共の嘘を暴き、中共の人権侵害に対する人々の認識を高めることに尽力しています」
2023年10月、カナダ法輪大法学会(FDAC)は130ページに及ぶオンライン報告書、『カナダにおける法輪功への外国干渉と弾圧』を発表し、中共が20年以上にわたってカナダの法輪功コミュニティに対して行ってきた多方面にわたる干渉と国境を越えた弾圧を暴露した。公聴会では、戴氏は報告書の内容の一部を説明した。
報告書は、中共が法輪功を疎外し、あるいは法輪功に対する国民の支持を抑圧する目的で、カナダの選挙で選ばれた議員や社会のあらゆる業種に影響を与えるために、いかにして様々な手法を駆使したかを詳しく述べた。その手法には、政治的浸透、操作、脅迫、憎悪の扇動、虚偽情報の流布、攻撃、嫌がらせ、サイバー攻撃、監視などがある。これらの手口は、中国大使館や領事館だけでなく、統一戦線工作部(UFWD)のようなカナダにいる中共の代理人や組織によっても使われている。
報告書はまた、法輪功コミュニティの参加を排除する目的で、中共がカナダの各コミュニティ、ビジネス界、祭り、およびその他の芸術文化イベントへの干渉行為を記録した。こうした脅迫と操作行為は、カナダ国民の利益を損害するだけでなく、カナダの核心的価値観も蝕むのだ。
さらに報告書は、中共とその支配下にある中国の新聞出版やネットによって流布された膨大な量のヘイトスピーチと偽情報も詳細に記録した。これの内容は一部の国民を誤解させ、法輪功コミュニティに対する無関心、無視、排斥、差別につながっている。
学習者は、公共の場で絶えず身体的攻撃や言葉による嫌がらせを受けるだけでなく、監視やサイバー攻撃にも晒されている。さらに、カナダでは、中共が組織的に華人コミュニティ、メディア、インターネットをコントロールし、自らの物語を広め、法輪功コミュニティの声を抑圧している。
身体的・言語的攻撃について、戴氏はいくつかの事例を挙げた。バンクーバーの中国領事館前で抗議した学習者が、銃で脅された。トロントの学習者が、中共に監禁されている姉夫婦を声援したため、自宅の前で足止めされ、子供を誘拐すると脅されたほか、車の窓ガラスを割られたり、自宅のバルコニーを糞で汚されるなどの被害を受けた。
政治的干渉について、戴氏は例を挙げながらこう話した。カナダの一部の政府関係者は中共の招待を受けた後、態度を変えて法輪功を支持しなくなったり、あるいは学習者の中共に対する抗議を抑制しようとした。2006年、中共の全額負担の招待を受けて中国を訪問した後、元バンクーバー市長のサム・サリバン氏は、何年も続いてきた中国領事館前での法輪功のキャンドル活動を中止するよう裁判所に訴えた。当時、彼は『バンクーバー・サン』紙に、中共が彼を皇帝のようにもてなしたと明かした。
戴氏は、オタワ市政府の役員が、中国大使館前で学習者が組織した抗議活動を妨害したことを明らかにした上、多くの努力の末、この問題は最終的に解決されたが、そもそも起きてはならないことだったと述べた。『オタワ・シチズン』紙は、2010年、当時のラリー・オブライエン市長が中国訪問から帰った後、中共への「約束」を履行するために、法輪功団体への支持を表明する表彰宣言を撤回したと伝えた。しかし、市議会は最終的に市長を経由せずして、法輪功を称える宣言を全会一致で承認し、その後の数年間も法輪功を称えていた。
『グローバル・ニュース』の報道によると、2007年、億万長者で不動産開発業者、共産党統一戦線工作部とつながりを持つ元陸軍将校が、バンクーバー地域の7人の市長を北京への無料旅行に招待した。そのうちの1人が、ポートムーディ市の市長である。2002年から2007年まで、当該市長は「法輪大法月間」の宣言を出していたが、北京旅行以降、「法輪大法月間」を褒賞しなくなった。
『人民日報』の人物の特筆によると、この豪商のカナダ訪問の意図には、不動産業を通じてカナダの政治家の中国観に影響を与えることも含まれているという。