【明慧日本2024年11月21日】2024年11月9日、米国デラウェア州ウィルミントン市中心部のN劇場で、2025年のアカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞候補作の『国家臓器』が上映された。上映後、ディスカッションが行われた。
『国家臓器』上映後のディスカッションで、専門家が観客の質問に答えた |
ピーボディ賞を受賞した章勇進監督によって制作されたこの映画は、二つの家庭が行方不明になった家族を探し続ける過程を主線に、中国で発生した中国共産党による法輪功学習者への生体臓器収奪の悲劇を描いている。
映画を観た多くの観客は、自分たちの連邦上院議員に手紙を送り、米国議会における『法輪功保護法案』の通過を支持するよう求めると述べた。生体臓器収奪に関与した個人や団体を制裁することを目的としているこの法案は、今年6月に米国下院で全会一致によって通過し、現在は上院で審議されている。
「許されない残虐行為だ。誰もが何かの行動を起こすべきだ」
引退した弁護士、リチャード・キガー氏(左)はこの映画を鑑賞した |
引退した弁護士のリチャード・キガー氏は映画を見た後、中共の残虐行為は信じられないと語った。「私が最もショックを受けたのは、中共の残酷さです。想像してみてください。誰かが生きたまま臓器を摘出され、しかも麻酔もない状況で行われていて、こんなことが起きているのは本当に心が痛みます」
キガー氏は、生体臓器収奪の規模について知らなかったという。「生体臓器収奪の規模がこれほど大きいとは知らなかったし、一つの産業に成しているのも知りませんでした。本当に恐ろしいのです。この映画は、これが単なる悲劇ではなく、罪のない人々を標的にした、組織的で利益誘導型の産業であることを明確に示しているのです」
すぐに行動を起こすべきだと彼は言う。「上院および下院議員に手紙を書くつもりです。こうした歴史の繰り返しを許してはなりません。これは新たなジェノサイドです。人間として、私たちはみな、何かをすべきです」
この映画をきっかけに、キガー氏はこの問題についてもっと知りたいと思うようになったと言う。「今後の会議やイベントの情報をメモしました。情報を得ることが第一歩だと思います。1人がどれだけのことができるかは分かりませんが、どんな些細な努力もとても大切だと思います。今日知ったことを誰かに話すだけでも、正しい方向に向かう一歩だと思います」
キガー氏は、このドキュメンタリー映画がもっと認知されることを望んでいるという。「この映画はオスカー最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされていますが、受賞することを願っています。そうすれば、世界中に大きな影響を与えることができるからです」
「これは現代版ジェノサイドです」
退職した貨物運送業界の主管、モニカ・ジョンソン氏は、今回の映画鑑賞はかつてない体験だったと語った。「私にとって、今回は学びの体験でした。このドキュメンタリーが好きです。私が世界を理解するのに役立ってくれたからです。この映画は、私がこれまで観てきたどの映画とも異なります。『楽しかった』という表現より、知恵を授けて悟りを開かせてくれたようなものでした。観に来て本当によかったと思います。なぜなら、今まで知らなかったことを学んだからです」
これまで、ジョンソン氏は法輪功学習者が受けている迫害や生体臓器収奪についてまったく知らなかったという。「本当にまったく知りませんでした。でも今知ったので、必ず友人たちに伝えます。人々はこのことを知る必要があります。これは現代版のジェノサイドです。これは100年、200年前のことではなく、今、この時代に起きていることなのです」
映画の中で、ジョンソン氏が最も衝撃を受けたのは、残酷な暴行だった。「この人たちは臓器のためだけに無惨に殺され、そしてその裏には経済的利益の追求があるということに本当に憤りを感じます。さらに悪いことに、これはお金だけの話ではなく、彼らは信仰までも抑圧されているのです。彼らはただ単に法輪功を修煉しているだけで殺されたのです」
ジョンソン氏も行動を起こしたいと語った。「今夜の夕食から、このことについて友人たちと話すつもりです。この情報を広めることはとても重要です。歴史から新しいことを学んだら、隠しておいて独り占めにすべきではありません」
共産主義が米国に浸透していることについて意見を尋ねられた際、ジョンソン氏はこう話した。「以前はあまり考えませんでしたが、このドキュメンタリーを観てから、多くのことに対して新しい認識を得ました」
「これはどんな独裁国家でも起こりうることで、恐怖を感じます」
不動産業者のヤスミン・ボウマン氏は、中共による法輪功学習者の生体臓器収奪に深い不安を感じているという。「この映画が非常によく作られていると思います。とても引き込まれて、深く考えさせられました。このようなことがこれほど大規模に行われているとはまったく知りませんでした。法輪功学習者に対するこの組織的な迫害には本当に恐怖を感じます」
ボウマン氏は、以前はニュースで臓器摘出に関する断片的な報道を見たことがある程度だと言う。「それが問題であることは知っていましたが、どれほど広範囲に及んでいるのかは分かりませんでした。映画はこれが単なる問題ではなく、大規模で組織的な行動であることをはっきり示しています。これはまさに大虐殺です」
映画で描かれた人間性の喪失には、ボウマン氏は強い衝撃を受けたという。「最も衝撃を受けたのは、その残虐さです。完全に人間の命の価値を無視しているのです。彼らは平和的な人々で、健康や精神状態を改善するために修煉していただけなのに、それが理由で迫害されたのです。 このような非人道的な犯罪がいまだに存在し、どんな独裁国家でも起こりうることを考えると、本当にぞっとします」
ボウマン氏は、人々の認識を高めることの重要性を強調した。「フェイスブックの広告でこのイベントを知り、ぜひ参加したいと思いました。もっと多くの人がこの映画を観て、今何が起きているのかを知ってほしいです。この問題は世界中で注目されるべきであり、このような映画がそのきっかけとなるでしょう」
驚愕の気持ちの中で、ボウマン氏は行動を起こす意欲も感じていた。「連邦上院議員のクーンズ氏とカッパー氏の事務所に連絡するつもりです。そしてもっと調べて、理解を深めていきたいです。今自分に何ができるか正確には分かりませんが、何もしないわけにはいかないとは思っています」