【明慧日本 2024年12月1日】目まぐるしく変化する企業環境の中で、ソフトウェア会社の技術部門副代表を務める廖暁嵐さんは、常に安定した集中力でチームを導き、職場での様々な難関を乗り越えてきた。困難な状況下でも平静と智慧を保つその心には、書籍『轉法輪』からの教えがある。
『轉法輪』と初めて出会ったのは25歳、英国スタンフォード大学院を修了し、某社の研究開発部門主任として採用された直後のことだ。順風満帆な若きエリートだった廖さんだが、内心では常に別の思考と疑問が渦巻いていた。
「小学生の頃、親戚の家で『聖書・黙示録』を読んだことがあって、現実の科学を超えた何かに触れたような印象が強く残っています。この世界に本当に神は存在するのか、神は実在するのかを知りたくなったのです」と廖さんは語る。
神仏への憧れと生命の意味を追い求め、探求を重ねた。文学、芸術、演劇、科学に触れ、禅宗、儒家、道家などの宗教にも接し、インドや西洋、民間の様々な場所を訪れた。しかし疑問は解けなかった。失望を繰り返したが、修行への思いは決して途絶えることがなかった。
1996年3月のある夜、コミュニティサイトに『轉法輪』全文が掲載されているのを見つけ、強い思いに導かれてダウンロードした。最初の一読後から、手放すことはできないものとなった。
「夜10時から明け方の4、5時まで読み続けました。読み終えて最も強く感じたのは、この大法があまりにも正しいということ。脳裏に『大法至正』という四文字が浮かびました。この書は、修煉や宇宙、生命の謎に対する全く新しい認識を開いてくれたのです。これこそが探し求めていたものだと確信しました」
夜から夜明けまで読み通しても、廖さんは少しも疲れを感じなかった。すぐに煉功場の担当者に連絡を取り、天母公園まで自転車で同修を探しに向かった。「公園に着くと、法輪功学習者が静かに煉功している姿が見えました。師父にお会いできる機会があればと願う気持ちを伝えると、同修から『大法を得られたことが、この世で最も尊い』という言葉がけがありました。その時、心の中で必ず真摯に学び、しっかりと修煉していこうと誓いました」
修煉を決意してからは、全身の細胞が変化したように感じられた。「それは特別な感覚で、同じ目で見る周囲の環境や空気中の一つ一つの粒子が、全く新しく感じられた。大法を修煉し始めてから、人として生まれ変わり、環境も一新されたかのよう」
その日、廖さんは法輪大法の修煉に入り、新たな人生の道を歩み始めた。
真・善・忍で人員削減の嵐に対応
約30年の職場経験の中であらゆる危機に遭遇しつつも、冷静かつ理性的に活路を見出すことができた。これは大法から授かった慈悲と智慧によるものと廖さんは理解している。
今年1月、勤務する米国企業から、運営上の問題と資金面での考慮により、台湾拠点を閉鎖し全従業員を解雇するとの通知が届いた。突然の人員削減に、台湾責任者として真っ先に対応することとなった。
通知当日、廖さんはオンライングループを立ち上げ、退職金に関する問題と対応状況を全員に説明した。「米国企業は最小のコストで台湾での営業を終了しようとしており、退職金の支払いも考えていなかったのです」と廖さんは説明する。
台湾の関連法規を米国側に理解してもらうため、独立会計事務所に依頼し、台湾での法的問題について専門的な意見を提出し、米国本社に実情を伝えた。
この過程で、廖さんは利益に関わる心性の試練に遭遇した。「会計士から退職金の計算に自分を含めるかどうかの質問がありました」と廖さんは語る。会社での勤続年数が最も長く、退職金は約100万台湾ドルに及ぶ。計算に含めれば、他の従業員と同様、正当な権利として受け取れる可能性があった。
「台湾企業の責任者でしたが、米国本社に雇用されている立場であり、この状況下で米国企業が退職金を支払うべきかどうかは、法律上明確な決まりはありませんでした。しかし、私は修煉者として、あらゆる出来事を修煉の視点から考え、全従業員の立場に立って考えるべきです」と廖さんは率直に語る。
修煉していなければ、多くの人と同様に100万台湾ドルという利益を求めたかもしれない。決して小さな金額ではないからだ。しかし廖さんは言う。「私の給与は比較的高額で、この退職金を含めると、他の従業員への支払いに影響する恐れがありました。また、法理的にも、自分のものは自分のもので、そうでないものは争っても得られないことを理解しています。そこで、私を含めた場合と、含めない場合の二つの案を会計士に作成してもらい、両方を米国本社に送付し、選択と決定を委ねることにしました」。
最終的に、米国側は廖さんを含まない案を選択し、台湾の他の従業員への退職金支払いは円滑に進んだ。この決定に対し、廖さんは穏やかに受け入れた。「修煉による向上の道には、多くの試練や考験が待ち受けています。修煉者は、これらを個人的な利害得失として見るべきではなく、なぜこのような試練に遭遇するのかと考えるのではなく、修煉者としての心構えで正しく対処し、修煉者の視点からどのように関を乗り越えるべきかを考えるべきです」
通知を受けてから円満な終結まで、廖さんは終始善良で平静な心を保ち、全従業員と米国企業双方のことを考慮した。一般的には混乱と苦痛をもたらす人員削減が、廖さんにとっては自己を放下し心性を向上させる新たな機会となった。「後日、従業員たちと会食する機会がありました。留学に向かう者、新しい仕事を始めた者など、互いの近況を語り合いました。雰囲気は和やかで、皆の新生活を喜ばしく思いました」。
廖さんは最良の上司と評された |
善心をもって各生命を理解
今年2月、廖さんはあるソフトウェア会社の技術副代表として招聘された。多くの社員が一緒に働く前から、代表取締役は廖さんの能力を公に評価し、「君と働くことを皆喜ぶだろう」と社員たちに伝えた。ある元同僚は人材紹介会社に「廖さんは私が仕事で出会った最高の上司」と語っている。
これについて廖さんは、すべて大法を修煉によるものだと述べる。修煉していなければ、能力と効率を最優先する上司になっていたと認める。しかし修煉によって、各生命の困難さと尊さをより深く理解し、真・善・忍の態度で人生における全ての出来事と人々に向き合うよう自らに言い聞かせるようになった。
「以前は能力至上主義者で、人の能力を重視し、良い仕事ができないのは能力不足だと考えていました。今は人の態度と真心を見るようになり、努力の過程を大切にしています。問題が起きても誰が間違ったかを追及するのではなく、チームと共に経験から学び、より大きな善念で各人の違いを包容し理解するようにしています。例えば、ある人々の実行方法や考え方が理解できない時、相手のニーズと認識に立って考えてみると、その間に存在する矛盾や対立が和らぐことに気付いたのです」。
生命を変える書を千回以上読む
修煉を始めた当初から、廖さんは『轉法輪』が測り知れない天書であり、生命に根本的な変化をもたらすものだと理解していた。幾度も繰り返し読み、実践することで、より深く広大な玄妙な内容を絶えず体得している。現在までに、この宝書を500回以上暗誦し、通読回数は千回を超えている。
多くの書物に触れてきた廖さんだが、千回以上読んでもなお博大精深で測り知れないと感じ、一字一句を心に刻みたいと思う書物は、この書だけである。この『轉法輪』は廖さんの人生を変えただけでなく、世界中の異なる国籍、肌色、民族を持つ無数の法輪功学習者の人生も変えている。
「大法を学んでから、なぜ人々が人生を芝居に例えるのかより深く理解できた。人生は芝居のようだが、演者である私たちは、より重要な責任を担って人間という舞台に現れている。『轉法輪』はこれらの謎を解き明かし、芝居の中の人に自分の使命を理解させ、なぜここに来たのかを知らせ、芝居の筋書きに迷わされて人間という大舞台に来た理由を忘れないようにしてくれる」と廖さんは述べる。
さらに、「人が苦痛や迷いを感じるのは、芝居の中の出来事を本当の人生だと誤解しているからだ。それは担当する役柄に過ぎないということを知らない。『轉法輪』は真に生命の本質を変えることのできる書で、読み続けることで新たな体得と収穫が絶えずあり、真の理を理解し、劇中の出来事の因果関係や事の真相が見えてくる。それは人生全体を変えるだけでなく、自分自身を新たに認識させてくれる」と語る。
廖さんは、乱世の中で人生の意味を見出し、迷わずにいられるためには大法が必要だと語った |
かつての廖さんは、他人が羨む天賦の才と能力を持っていた。しかし今は、常に大法に同化し、大法の中で生命を絶えず昇華させることこそが、宇宙で最も幸福で羨ましい生命だと理解している。
最後に、李洪志師父への真摯な感謝の言葉を述べた。「師父に感謝申し上げます。真理を理解させていただき、この世に来た真の目的を知ることができました。大法によってこの乱世で人生の意味を見出し、もう迷うことはありません」。