【明慧日本2025年2月11日】(前文より続く)
「この本は私の精神的な糧です」
慢性腸炎に6年間苦しんだウルスラさんは、いつどこで急にトイレが必要になるか分からず、安心して外出することができなかった。この病苦から解放されるために、彼女は病院の常連となり、様々な方法を試した。また、多くの本を読んだものの、いずれも効果がなかった。2人の幼い子供を抱え、治療後には安静が必要な中で、子供の世話を頼む相手も探さなければならなかった。「本当に辛い日々でした」と、当時の状況を振り返りながらウルスラさんは感慨深く語った。
そのため、2000年4月に法輪功が人々の心身の健康を助けることができると聞いたとき、ウルスラさんはあまり大きな期待を持たなかったが、「試してみようか、どうせ他の方法は効果がなかったんだし」と思った。しかし、友人と一緒にベルンの集団煉功場を訪れた後、ウルスラさんは五つの功法を学んだだけでなく、貴重な一冊の本『轉法輪』を手に入れることができた。
家に帰ると、彼女はその本を手に取り読み始めた。本の内容は彼女を深く引きつけた。すでに知っている内容もあれば、彼女の視野を大きく広げるものもあり、さらには法理に従って向上しなければならないと感じる部分もあった。一講読み終えると、次の講には何が書かれているのかもっと知りたくなった。このようにして、彼女はあっという間に全300ページ以上の本を読み終えた。
「この本は私の心を深く揺さぶりました」と最後のページを閉じながら彼女は確信した。「この本は私の精神的な糧です。この本は私の極端な喜怒哀楽の感情を改善し、穏やかな生活を送るための良い方法を教えてくれるでしょう」と。そう思った彼女は、過去6年間に読んだ治療法に関連する本や物品を片付け始めた。袋に詰めてはまた袋に詰め、すべて処分した。
彼女は、自分のいくつかの行動を直ちに改める必要があることにも気付いた。たとえば、本の中で説かれている「気を採る」ことに関する内容を読み、ウルスラさんは自分が病気治療のために長年植物のエネルギーを吸収していたことを思い出した。それは許されるべき行為ではなかった。彼女は「私は樹木も生命であることに気付きました。これは盗みなのです。自分の体の回復のために植物のエネルギーを盗んでしまったのは、もちろん間違いでした。それで私はすぐにやめました」と言った。
ウルスラさんは、本の中にはまだ自分が理解できていない部分があると感じ、再び最初から読み直し始めた。
10日後、彼女は気づいた。もう一日中、不安に駆られて急いでトイレに向かわなければならないかどうかを心配する必要がなくなっていた。この新たな安堵感は、数時間だけでなく、数日間も続いた。そして、彼女は法輪大法を学び始めた当初の目的が病気を治し健康を保つことだったことさえ忘れていた。予想もしなかったことに、たった10日間で、6年間も彼女を悩ませていた頑固な持病が完全に消えていた。
彼女の感情も穏やかになった。ウルスラさんは非常に感情的な人間で、心の中でよくバランスが取れず、時には極端に走ることもあった。ある時は大笑いして楽しさで溢れていても、数日後には気分がどん底に落ち込み、意気消沈し、絶望的な気持ちになることもあった。『轉法輪』を最初に読み終えた後、ウルスラさんは「これはとても素晴らしい功法で、私を助けてくれるし、私の感情を穏やかにしてくれる。もう大喜びしたり、大いに落ち込んだりすることはなくなる」とすぐに気づいた。
『轉法輪』を読み続け、法輪大法を修煉し続けるうちウルスラさんは次第にこう理解するようになった。「世の中で起きる出来事にはすべて背後に縁や原因があり、それに逆らわず自然の流れに従うべきだ」と。そして、人生の真髄は「本来の自分に立ち返ること」であり、簡単にいえば「良い人になること」だと知った。彼女は、自分の感情に振り回されて浮き沈みを繰り返すべきではないことにも気づいた。それ自体が健康にも良くないのだ。これらを理解したことで、彼女は心の中の平和を見出し、自分の性格も改善された。
ウルスラさんにはかつて上司がいたが、その上司は気に入らないことがあると時折彼女に対して無理な叱責をすることがあった。その態度には周囲の人も見かねて止めに入ることがあるほどだった。それでもウルスラさんは平然としていた。なぜなら、彼女は『轉法輪』の中から「法輪功の修煉者としては、殴られてもやり返さず、罵られても言い返さず、まず他人を考え、自分を後にするべきだ」という教えを学んだからだ。
また、彼女は同僚の代わりにシフトを引き受けたり、隣人のために地域の公共活動を手伝ったりして、住環境をより良くすることにも尽力した。ウルスラさんのそのような貢献に、同僚や隣人たちは心から感謝していた。ウルスラさんにとって『轉法輪』という本は、「私たちに人生の指針を与え、苦難にどのように向き合うべきかを教えてくれるものです。本の中で教えられる多くの道理は、私たちが普段の生活ではなかなか理解しにくいものですが、『轉法輪』を読むことで、そして法輪大法を修煉することで、道徳心を高めることができ、私たちはより寛容になり、自分の性格を改善することができます」と感じた。
彼女は「要するに、私たちは人生の意味を見出し、より良い人間になることができるのです」と言った。
「この本は、私が探求し尽くせない宝物です」
1997年の何気ない秋の日、マヌさんは電車を待つ時間をつぶすために、ふと鉄道の駅の売店に立ち寄り、手に取った雑誌をなんとなくページをめくっていた。その中に、中国で広まっているある功法についての記事があり、それがマヌさんの興味を引いた。記事によると、その功法は心身に良い影響を与え、多くの人々が実践しており、特に無料で学べる点が特徴であると紹介されていた。この説明にマヌさんは正しさを感じ、その場でその雑誌を購入し、詳しく読むことにした。
それまでの間、マヌさんは人生の意味を探し求めてきた。また、いくつかの功法を学び、お金を費やしたものの、成果を感じられず、心に空虚感を覚える日々が続いていた。その記事を読んだ後、マヌさんはますますその功法―法輪功に興味を持つようになり、学べる場所を探し求めるようになった。ベルギーからドイツへと長い探求の旅を経て、ようやくジュネーヴの法輪功学習者の連絡先を手に入れ、その人からチューリッヒに煉功場所があることを教えてもらった。しかし、当時の状況からチューリッヒの煉功場所に参加することができなかった彼女は、何とか間に合わせながら五式の功法を学び習得するに至った。
1998年のある日、彼女はついにドイツ語版の『轉法輪』を手に入れることが出来た。それは分厚く印刷された一冊だった。彼女はその本を手に取ると、その場で一気に夜通し読み通した。「この本は私の目を開いてくれました。そして、私は自分が探し求めていたものを見つけたと分かったのです!」
その本を読み終えた後、マヌさんは「私は非常にはっきりと理解しました。この本は真の師が真実の知識を伝えており、人生の本当の意味を明らかにし、良い人間になる方法や自分を高める道を教えてくれるものだ」と感じた。
さらに、彼女は「なぜ人は苦難に直面するのか、なぜ人には業力があるのか。この本は私の心にあった多くの恨みを解きほぐしてくれました。また、これまで出会ってきたあらゆる困難や人生の経験が、実は私が法輪功に出会い、修煉を始めるための過程だったと気づきました」と話した。
1998年9月、彼女はジュネーブで開催された法輪大法スイス修煉体験交流会に参加した。師父の説法を聞き、また世界中から集まった法輪功修煉者たちの体験談にも耳を傾けた。これにより、マヌさんは大いに得るものがあった。この経験は彼女をさらに励まし、『轉法輪』を何度も繰り返し読むようになった。そして、読むたびに新たな疑問が湧いてきたが、また次に読む際にはその答えが見つかるということが繰り返された。
『轉法輪』を繰り返し読む中で、マヌさんは日常生活や仕事において、大いに力を得る実感を感じることができた。例えば、矛盾や問題に直面した時、自分自身の間違いや不足を見つめ直すようになった。自分に嫉妬心があったのではないか、人と優劣や正しさを争おうとしたのではないか、と考えるようになったのだ。「これによって、私の生活はシンプルになりました。もう無理に争う必要がなくなったのです。以前の私なら、これやあれのために立ち上がって抗議しなければならないと感じていました。でも、今は分かります。偶然の出来事などなく、起こることには全て理由があるのだと。この考えが私の多くのプレッシャーを軽減してくれました」と話した。
以前教師だったことが関係しているのか、法輪大法を修煉する前のマヌさんは、異なる意見を聞くときに、自分の考えが正しいことを証明しようと自分の意見を付け加えることがよくあった。しかし、『轉法輪』を読んで法輪大法を修煉するようになってから、彼女は他人の意見に耳を傾けることを学び、相手が助けを必要としているときに手を差し伸べるようになり、もはや自分の正しさを主張することはなくなった。
その変化に、彼女の6人の兄弟姉妹たちも彼女がより穏やかで明るくなったと感じるようになった。
また、人生で困難に直面したときには、彼女はさらに長い時間をかけ、より集中して『轉法輪』を読んだ。それが彼女の心を静め、心の中の恨みを取り除くだけでなく、彼女に力を与え、痛みを乗り越える助けとなった。そしてどのような状況においても、自分自身の問題や不足を見つめ直すことを学び、他人のことをより考えられるようになり、それが困難を乗り越える助けとなった。
マヌさんにとって『轉法輪』という本は、まるで宝物のようで、まだまだ多くの深い内涵があり、自分がまだ理解できていないより高い智慧が含まれているのですが、まだその境地には達していない、まだ完全に理解できていないという。
彼女は、『轉法輪』を集中して読むと、その日の日常生活にも良い影響を与えることに気づいた。
「これによって、私は内面から変化を感じます。例えば、他人の意見を受け入れやすくなり、自分の正しさを無理に証明しようとしなくなります」と彼女は言った。そして、彼女が一歩引くことで周囲の人にも影響が及ぶのだとも言った。例えば、夫と意見が食い違ったときには、夫が自分の考えを譲らない姿を見ても、マヌさんは穏やかに対処し、しばらくすると、夫自身が「実は君の意見も一理あるね」と言うことがある。
この本は、世界の100を超える国の人々に読まれている
夜明けとともに、ウルスラさんとマヌさんは『轉法輪』を手に取り、静かに集中して読んでいる。太陽が高く昇る昼間には、シモーネさんとクリスチャンさんがスイスのアルプス山脈の美しい景色をカメラで記録する一方で、時折『轉法輪』を開き、その中に浸りながらまるで純粋で素晴らしい世界にいるかのように感じている。夜になると、彼らは他の法輪功学習者とともに『轉法輪』を学び、それぞれの体験を語り合うこともある。彼らだけでなく、世界中の100以上の国にいる1億人以上の法輪功学習者たちも同じように、この本を大切にしている。
彼らはこの中から「真・善・忍」を修煉することの素晴らしさを悟り、他人を思いやることの幸せを感じ取っている。時には困難や苦しみに直面して迷うこともあるが、『轉法輪』の中で答えや勇気、信念を持ち続ける力を見つけている。
彼らには共通の願いがある。「『轉法輪』という本は出版から30年が経ち、これまでに50以上の言語に翻訳され、多くの人がそこから人生の意味を見つけ、良い人になる方法を知り、充実感や希望を感じてきた。あなたも一度読んでみませんか? 公式サイトwww.falundafa.orgのネットで読むこともでき、書店で購入することも可能です。どうか、あなたも長い間探し求めていた何かを見つけることが出来ますように」
(完)