【明慧日本2025年2月12日】中国共産党(以下、中共)と当時の党首は1999年7月、互いを利用し、法輪功に対する狂気じみた迫害を開始した。この迫害は今もなお続いている。中共は、法律の名義を謳って、法輪功学習者(以下、学習者)をみだりに逮捕、拘留し、強制労働をさせ、ひいては実刑判決を下している。しかし実際は、主に中国の憲法、中国の現行法、法治の原則などの面において違反している。
1.憲法違反
中国憲法は国民の基本的権利を保障しているが、法輪功への迫害は明らかに以下の憲法規定に違反している。
o 信教の自由
中華人民共和国憲法第36条は「中華人民共和国の国民は、宗教信仰の自由を有する」と明記している。
法輪功は、真・善・忍を指導原則とする修煉体系である。宗教ではないものの、その信仰の特質は憲法の保護を受ける。中共が法輪功に対す取り締まり、弾圧、強制「転向」は、この規定に直接違反している。
o 国民の基本的権利の保障
憲法第33条は「国家は人権を尊重し、保護する 」と規定している。中共による学習者の勝手な拘束、拷問、洗脳班は、国民の基本的権利に対する重大な侵害である。
o 言論と結社の自由
憲法第35条は「中華人民共和国の国民は、言論、報道、集会、結社、パレード及びデモの自由を有する 」と規定している。
中共は、法輪功学習者が信条を広め、活動することを禁止し、言論と結社の自由を奪っている。
2.現行法の違反
中共の法輪功に対する弾圧は、中国の現行法体制の基本原則に遵守していない。
o 法輪功を禁止する法律規定はない
中共中央委員会は1999年に法輪功を禁止することを発表したが、これは法律ではなく、党・政府機関内部文書であった。『中華人民共和国立法法』によると、ある組織や活動を禁止するには、全国人民代表大会またはその常務委員会が法律を可決しなければならず、党内の方策には法的効力がない。
o 不当な手続き
多くの学習者は、強制的な逮捕、拘留、労働教養、または判決を受けた。しかしこれらは公正で公開的な司法手続きを経ていない。これは『刑事訴訟法』で定められている適正手続きと国民の弁護権に違反している。
o 刑法規定の濫用
中共は、刑法第300条(「邪教を組織し、利用して法律施行を妨害する罪」)により法輪功を迫害しているが、法輪功は法律で正式に「邪教」と認められたことはない。国務院弁公庁と公安部が発布した通達などの行政文書には、法律を無効化する権限はない。
3.権限を超えた不当性
o 「610弁公室」の不当な運営
中共は、法輪功迫害に特化した「610弁公室」を設立し、直接的な迫害の実行を担っている。この組織は法律を超える権限を持ち、監督を受けず、スパに似ている。 その運営には法的根拠がなく、法律による行政の原則に違反している。
o 地方政府と公安機関による権力の乱用
地方政府と公安当局は、しばしば「社会の安定を維持する」という口実で、学習者を勝手に逮捕し、司法裁判を経ずに拘留、罰金、労働教養、禁固刑などの迫害を実施している。
4.世論と司法の濫用、法治原則の蹂躙
o 先に世論を操作し、罪名を捏造
中共は、官製メディアを利用して法輪功に汚名を着せ、プロパガンダによって法輪功を「邪教」に仕立て、迫害の口実を作り出している。このような行為は、推定無罪の原則と司法独立の原則に違反している。
o 懲罰的司法
法輪功学習者を対象にした案件で司法判断は、しばしば政治的な指示に基づいており、独立で合法的な審判の原則に違反している。
結論
中共による法輪功迫害は、憲法、現行法、国際条約、法治の基本原則に違反している。 法律は国民の基本的権利を保護するべきだが、その過程で濫用され、中共が異論を弾圧し、信仰の自由や言論の自由を奪う道具となっている。
法輪功問題は、25年以上にわたって中国における最大の人権問題である。だが経済的利益や中共への幻想から、世界各国は長い間この問題を避けており、この迫害が現代最大の信仰迫害であることを認識していない。この問題に前向きに向き合う政治家や個人もいるが、その数は多くない。メディアや政府が「中共が真・善・忍の信仰者を迫害している」という真実を封殺し、冷遇してきたからだ。
同時に、中共は一つの政党として、数億人の中国人を連帯して、真・善・忍を信仰する数億人の人々を迫害し、その迫害は25年経った今も続いている。国際化された世界で、民主と自由を尊重すると主張する各国の政府が、声をあげず、行動を起こさないこと自体が、世界の道徳が後退している表れである。
中共による法輪功への迫害は、現在世界最大の信仰に対する迫害だ。それだけではなく、人の精神をむしばみ、方向を見失わせている。また多くの人々から心身の健康と道徳向上の機会を奪い、中国の法的権威を消滅させた。さらに、信仰を見いだし神に帰依することは、金儲けより重要で「現実的」なことだと多くの人々に思いこませた。しかし、国際社会は中共の本質をもっと早く認識すべきだった。