【明慧日本2025年2月17日】(明慧トロント・ステーションからのレポート)東ヨーロッパのモルドバ出身のボグダンさん(27歳)は、穏やかで礼儀正しい人物として人々に印象を与えます。しかし、誰もが想像できないことに、彼はかつて早期に学校を中退し、薬物に依存していました。両親に追い出され、ホームレスとなり、車の窃盗で生計を立てていました。彼が車を窃盗して逃走する犯罪現場では、警察が発砲し、弾丸が彼の左腕に命中、尺骨が粉砕され、その後、彼は刑務所に収監されました
改心してやり直す
2021年、ボグダンさんは出所後、街を歩いていた時、ある女性が彼に請願書を渡しました。それは国際社会に対して、中国共産党(以下、中共)が法輪功学習者から臓器を生きたまま摘出する犯罪を止めるよう求める請願書でした。ボグダンさんはすぐにその請願書に署名をしました。彼はこう振り返りました。「私は、たとえ薬物を使用し、車を盗み、悪事を働いていたとしても、心の中にはわずかな良心が残っていました。中共が生きている人の臓器を盗み、そして殺すということは絶対に止めなければならないと思いました」
ボグダンさんは、ほとんど学校に通ったことがなく、世界の現状に対する認識も不足していて、女性が話した中共の犯罪行為に驚愕しました。「私は全く知らなかったのです。中国という古くて偉大な国が、今、人権を侵害する中共の支配下にあるとは思ってもみなかったのです」
署名後、女性はボグダンさんに法輪功の紹介パンフレットを渡しました。「私は当時、座禅がかっこよさそうに見えたので、この功法を学びたいと思いました。まさかこれが奥深い修煉方法であり、自分の性格や人生が完全に変わることを予想もしませんでした」とボグダンさんは言いました。
それから4年が経ち、ボグダンさんの過去を知っていた人々は彼に対する見方を変えました。現在の彼はタバコも吸わず、酒も飲まず、薬物もやめることができました。そして犯罪を犯すこともなく、不良少年から道徳を重んじる修煉者へと変わりました。
不良少年が改心し『轉法輪』を学び始めた
ボグダンさんが、法輪功の主要著作『轉法輪』を読んでいる |
法輪功を学んでから、ボグダンさんはまるで生まれ変わったように変化しました。彼はこう言いました。「最初は、坐禅を学んで、集中力や知能が向上したら、また車を盗んでも警察には捕まらないだろうと思っていました。でも『轉法輪』を最後まで読んだ後、私は自分自身を傷つけ、家族を巻き込んでいるんだと初めて悪行の結果を認識しました。そして、私は真・善・忍に従って自らを律し、他人のために考えなければならないと思うようになりました」
『轉法輪』を学ぶ中で、ボグダンさんは薬物から手を引こうと決心しました。彼は麻薬中毒患者治療施設にも行くことなく、わずか6カ月で完全に薬物依存を克服しました。特に、法輪功の五つの功法を煉ってから、彼は断薬の反応を全く感じなくなったといいます「煉功をすると、体が浄化されているようなものを感じました」と彼は言いました。
ボグダンさんは銃弾されて以来、後遺症に悩まされていました。彼の腕、肩、背中には常に激しい痛みがありましたが『轉法輪』を読んでいるうちに、その痛みがいつの間にか消えていったのです。
ボグダンさんは『轉法輪』を読むことで、中国文化への愛が芽生え、中国の歴史や神話をたくさん読みました。彼は、帝王や将軍、文化人と美人に関する物語が常に良心と道徳を中心に語られていることに気づきました。例えば、岳飛の忠義、老子の智慧、康熙帝の仁政(じんせい:民衆に恵み深い政治)、孫悟空の勇敢さなど。ボグダンさんは、自らも高尚な人格を持つ人間になろうと決意しました。
中国文化に夢中になったボグダンさんは、独学で中国語を学び始め、1年後には、『轉法輪』を中国語で通読できるようになりました。今では彼は3年間の学習を経て、ただ本を読むだけではなく、流暢な中国語を話せるようになりました。
ボグダンさん(左2)と家族 |
ボグダンさんの家族は、彼が法輪功を修煉することを喜んでいました。母親は常に息子が他人に優しく接することを願っていました。母親はボグダンさんに「私はずっとあなたのために祈ってきた。神は私の祈りに答えて、あなたを法輪功に導いてくださった」と言いました。ボグダンさんの妹も「私の兄が戻って来ました。私にはまた兄がいます」と喜びを隠せませんでした。
慈悲の心を持ち、他人を感化する
ボグダンさんは正当な仕事を見つけ、レストランでシェフとして働いています。彼の上司は酒をよく飲み、何度もお金を貸してほしいと頼んできました。修煉後、心優しくなったボグダンさんは、いつも金を貸してあげました。次第に、上司がボグダンさんに借りたお金が増えていきました。
ボグダンさんは、この状況が続いてはいけないことに気づきました。上司はボグダンさんだけではなく、すべてのスタッフにもお金を借りるようになりました。同僚たちは裏で上司が返済しないことに不満を持っていました。ボグダンさんは文句を言うことなく、直接上司に会い「これ以上同僚からお金を借りてはいけません。これは間違っていることです」と伝えました。それ以降、上司はボグダンさんに対して常に冷たく、厳しく接し、怒りをぶつけてきました。それに対して、ボグダンさんはただ一笑に付しました。「私はあまり気にしていません。常人が経験する苦しみは、あなたが見えるものよりもはるかに多いからです」
上司が再びボグダンさんにお金を借りようとしたとき、ボグダンさんは「もしまた同僚からお金を借りるなら、遅かれ早かれオーナーにばれて、あなたは仕事を失うことになります。あなたは自分の努力で生活しようとせず、いつも他人のお金を取り、他人を傷つけてはいけません。私はオーナーに告げ口はしませんが、あなたは自分の行動に責任を取らなければなりません」と優しく、しかしはっきりと伝えました。
それから、ボグダンさんは彼に法輪功で学んだ法理を共有しました。「以前、私は車を盗んだり、薬物を使ったりしていました。誰もが私にそれは良くないことだと教えましたが、私は全く聞きませんでした。しかし、私は善悪の報いと因果応報が実際に存在することを分かってきました。他人から自分のものではないものを取ると、徳を失うことになり、その結果、代償を払わなければなりません」と語りました。
その話を聞いた上司は、涙を流しながら「他の人たちは、皆私を憎々しげに接しましたが、あなたのように道理で私を説得してくれる人は初めてです。私はあなたに借りが一番多いのに、あなたはこのような暖かい態度で私に接してくれました。どうやってあなたは恨みも怒りもなく、穏やかな心で私と話せるのですか?」と言いました。ボグダンさんの善意に感動した上司は、もうお金を返さないわけにはいかないと気づきました。
それ以来、上司は変わりました。彼はボグダンさんに借りたお金を返し始めました。ボグダンさんは「私にお金を返さなくてもいいです。まず他の同僚に返してあげなさい」と言いました。最終的に、上司はすべての借金を返済し、ボグダンさんとは何でも話せる親友となりました。
自分の誤りを指摘されることを喜ぶ
坐禅をしているボグダンさん。修煉を通して、ボグダンさんは善悪には報いがあることがを分かった |
修煉する前、ある占い師がボグダンさんに「あなたには非常に強力な守り神がついている」と言ったことがあります。その時、ボグダンさんは鼻で笑い「守り神? そんなものがあるわけがない」と思っていました。彼と一緒に薬物を使っていた友人たちは、犯罪を犯しても1度も罰せられることはなかったのです。しかし、ボグダンさんが一度でも手を出すと、必ず警察に捕まってしまいました。彼は銃撃を受け、盗品はすべて没収されました。
修煉した後、ボグダンさんは「実はこの守り神の守護こそが、彼が犯すたびに罰を受け、罪業が清められることを助けてくれていたのだ」と突然気づきました。そして、それは過ちには必ず悪い結果があることを教えてくれており、正しい道を歩むべきだということを示していたのです。一方、薬物に溺れていた友人たちは、無制限に悪行を重ね、戻ることができない道を歩み、厳しい結末に直面することになりました。
今、ボグダンさんの家族や友人はいつも彼のことを褒めます。それに対して、ボグダンさんは「師父は『修める者はおのずとその中にいる』の中で『修煉者として、常人の中で遭遇した一切の苦悩は、みな関を乗り越えることであり、遭遇した一切の褒めたたえは、みな試練なのです』と教えてくださいました。ですから、褒める言葉を聞くと、私はいつも自慢しないように自分に注意します。実は、私は他の人が私の欠点を指摘してくれることをもっと聞きたいと思っています。修煉者として、私はもっと高い道徳基準で自分を律しなければならないのです。師父が私を修煉の道に導かれたことに感謝しており、心から幸せを感じています」と述べました。