【明慧日本2025年2月28日】(明慧台湾・站南区記者)1995年1月4日、法輪功の創始者である李洪志氏の著作『轉法輪』が、中国北京市の公安大学ホールで正式に出版され、30年来、50カ国の言語に翻訳されている。これにより、億単位の人々が心身ともに恩恵を受け、道徳が向上し、返本帰真の道を歩み始めた。台湾の某有名な大型教育病院に勤務していた江敏嫻さんも、そのような受益者の1人である。
『轉法輪』を読み、新しい人生を切り開いた麻酔科医の江敏嫻さん |
法輪功との出会い
江敏嫻さんは医師の家系に生まれ、仏教家庭で育ったため、幼い頃から仏教の経典や神々の物語、賢者の哲学に興味を持っていた。修煉に強く憧れていた彼女は、両親の「娘を立派に育てたい」という期待に応えるために、修煉の念を脇に置いて書物に埋没し、やがて医師の道を歩むことになった。しかし、人間の生きる目的は何なのか? 彼女の心の奥底では、生命の真理を探求することこそが、今生における究極の目的だと感じていた。
大学2年生の時、敏嫻さんは偶然クラスメートが法輪功を修煉していることを知り、興味を持った。クラスメートはそれに気づき、彼女に1冊の『轉法輪』を貸し、先入観を持たずに一気に読み進めるようにと勧めた。敏嫻さんはこれがクラスメートの唯一の本かもしれないと思い、早く読み終えて返さなければと考えた。しかし、彼女は予想だにしなかった。この本を手にした瞬間から、彼女はもう手放せなくなったのだ! 『轉法輪』は彼女の人生をすっかり変えてしまった。
敏嫻さんは2晩かけて『轉法輪』を読み終え、感動と喜びに包まれて、人生のすべての困惑が一夜にして解けたようだった。彼女は中学の授業中、国語の先生がよく仏陀や輪廻転生の話を語り、仏教経典を暗唱するように勧めていたことを思い出した。そのおかげで彼女は多くの仏教の知識を得たが、それでも多くの疑問が残っていた。その夜『轉法輪』を読み進めていく中で「法には定法無し」や「異なる次元に異なる法あり」といった部分を読んだとき、彼女は非常に驚いて感服し「これは今までの人生で出会った、最も素晴らしい説明だ!」と感じたという。
「なぜ仏教経典をいくら繰り返し暗唱しても、結果が得られなかったのかが分かりました!」と敏嫻さんは述べ、集中して『轉法輪』を読み続けていくうちに、次々と思想の大爆発を経験したという。そこで、彼女は「私は法を得た! ついに修煉の方法が分かった! 師父、佛法と不二法門の真の意味を教えてくださり、ありがとうございます」と興奮気味に思ったそうだ。
『轉法輪』第2講、天目と功能に関する部分を読んだ時、敏嫻さんは幼少期の記憶が鮮明に蘇り、心が突然明るくなったと感じたという。「小学校に入る前、両親はテレビを見ることを許さなかったので、毎晩早く寝かされ、目を閉じると頭の中でさまざまな番組が繰り広げられていて、アニメやオペラなど、何でも楽しんでいました。子供の頃、空にはたくさんの目が私を見ていて、人間界のすべてを見つめているように感じていたのを覚えています」
「これは本当に宝のような本、奇跡のような本です! この本は、私の幼少期の無知な経験を結び付け、法を得る前に抱えていた仏教や修煉に対する疑問を解き明かしてくれました。一講を読み終えて、新たな疑問や良くない考えが浮かんだとき、次の章ですぐにその答えが示されていました」。初めて『轉法輪』を読んだとき、彼女は長い間探し求めていた宝物を見つけたと感じ「本をまだ読み終えていないうちに、私は法を得たことが分かりました。これからは、深く深く法輪大法の修煉に入って行きます!」と語った。
『轉法輪』を読み進める中で、敏嫻さんは思わず『鏡花縁』に出てくる七言絶句を思い出した。「波に従って幾度も秋が過ぎ、幸いにもまだ身を流れ(滅亡や失敗)に付してない。ようやく物事の源(真理や目的地)に辿り着き、再び舟を操り外の世界へ出て行くことはしない」。そこで、彼女はこう感じ取ったという。「輪廻転生の中、冥冥のうちすべてが決まっているようです。私は幸いにも大きな過ちを犯しませんでした。今生で大法が広く伝えられていて、人間として生を受け、大法に出会えたことに感謝しています。ついに宇宙の源である『真・善・忍』を見つけましたので、もう舟を操って再び外の世界に出ることはありません!」
法を師とし、嫉妬心を取り除く
法を得る前、敏嫻さんは自分を正直で優しく、忍耐強く苦しみに耐える人間だと考えていた。一方で、身近な人々は善良な人を欺いたり、私利私欲を追求したり、勝ち負けにこだわる功利主義者だと感じていた。そのため、彼女はしばしば不公平さを感じ、気分が沈んでいた。
学法が進むにつれて、彼女は『轉法輪』の「嫉妬心」という節で「心のバランスがとれない」が7回も繰り返されていることに気づき「これはまさに今の私の状態だ!」と思ったという。かつて、敏嫻さんはよく不公平だと感じていた。「得るべきものを得ていなければ、きっと他人がうまく立ち回っていたからだ。物事を見ていると、常に自分が損をしている側だと思い、不満を抱えていた。これはきっと、心の奥底に隠されている、自分でも気づかない嫉妬心なのだ!」
自分の嫉妬心に気づいた彼女は、続けて他の隠れた執着も探し始めた。「以前は仕事の大小に関わらず、上司が私を期待以下に扱ったり、物事の準備ができていかったり、時間が間に合わなかったり、部下がきちんとバトンタッチしていなかったりなど、この類のことのどれもが私を不機嫌にさせ、むかつかせ、眠れないほどにさせていました」。執着を取り除くために、彼女は出勤前に自分にこう言い聞かせていた。「我慢しなさい! 私は修煉者だから、慈悲の心を保とう! 仕事のことでもう怒るのをやめよう」
なぜ人間は執着を持つのだろうか? それはどこから生じるのだろうか? 内に向けて探す過程で、敏嫻さんは突然気づいた。「自分が他人より優れていると感じているから、上司に問質されることに耐えられず、他人の些細なミスも許せなくなる」。彼女は自身の内面を謙虚に見つめ、悪を取り除くことに心がけた。「自分の優越感を正した後、怒りが込み上がることはなくなり、意図的に自分に言い聞かせる必要もなくなったことに気づきました」と話した。
それに加えて「自分よりも他人を優先する」という広い心を持つことも非常に重要だと感じた。ある時、クラスメートが亡くなり、敏嫻さんは窓口としての調整を手伝った。その時、忙しくて人も多かったため、一瞬、周囲に振り回されてしまった彼女は「何人かは目立とうとし、何人かは慎重すぎて、何人かは怠惰していて…心の中で不公平さを感じていました。幸い、修煉者としてすぐにその不平の気持ちに気づき、即座にそれを取り払いました」と話した。
「嫉妬心を取り除き、すべての不公平な気持ちを手放すことで、私は冷静に同級生のニーズを聞き、他人の困難を考慮し、物事をより円満に進めることができるようになったのです。自分の感情に左右されることなく、心の中で不平不満を感じることもなく、これこそが『自分よりも他人を優先する』仁者の心です」と、敏嫻さんは気づいたという。
「真・善・忍」に同化し、仁愛の徳がある医師を目指す
麻酔専門医として教育病院に勤務していた時、敏嫻さんは『轉法輪』の教えに従って心性を修め、専門知識を磨き、大法の素晴らしさを示し、学生たちに良い模範となることを目指した。「その結果、私が病院で研修医を指導していた際、学生たちは離れていく前に、いつも名残惜しそうにカードを書き、私の授業に満点の評価をつけていました」
『轉法輪』の教えに従って、心性を修める江敏嫻さん |
学生たちに敬愛されていた敏嫻さんは「優良教学主治医」や「最優秀教学主治医」などの栄誉(院内のトップ3)を受けた。ある時、あるベテラン教授が不思議そうにこう尋ねた。「あなたはどうやってそれを成し遂げたのですか? 私もあなたの学生になって、指導されるのを経験してみたいです」。敏嫻さんはこう答えた。「秘訣はほかでもなく『他人を第一に考えて、次に自分』と『生徒の適性に応じて教える』だけです!」
医療現場で、患者が治療を受けた後、医療チームに感謝の手紙を送ることは珍しくない。しかし、麻酔科医にとっては極めてまれである。接触の機会が少なく、時間も短いからだ。それでも、敏嫻さんは何度も患者から感謝の手紙を受け取っていた。ある同僚が不思議そうに「あなたはその患者に特別に優しく接したのですか?」と尋ねると、彼女は迷うことなく「一視同仁でした!」と答えた。病院の院長も、その理由を知りたくてこう聞いたことがある。「どうして患者はよくあなたに感謝の手紙を書くのですか? 実は、私もあなたに麻酔をかけてもらうのを体験してみたいと思っているんです!」
職場での肯定と称賛に対して、敏嫻さんはにっこりとこう答えた。「実は、特別な秘訣はありません! 私はただ法輪大法の師父の教えに従って『真・善・忍』を実践し、穏やかな心を保ち、患者のことをよく考え、何事においても『自分よりも他人を優先にする』という精神で取り組んでいただけです!」