文／オーストラリアの大法弟子　　

　【明慧日本2025年4月7日】師父は経文「円満成就に向かって」に関する文章の中で、大法弟子に存在しているいくつかの根本的な執着を指摘されました。私は自分の根本的な執着は、「大法は自分の観念の中における正しい理解や普遍的な価値観に合致している」と思っていました。

　修煉者がこの根本的な執着を取り除かず、人間界の理が最も根本的、最終的な判断基準として持ち続けるならば、いつか自分の修煉の中の次元の法、あるいは、ある出来事が自分の考える「人間の理」に合わないと感じるはずです。その時その修煉者は法に背く可能性が高くなります。

　大法弟子が人間の善悪や価値観を基準にして師父や大法を測るならば、それは根本的な執着が取り除かれていないことを意味します。佛法の修煉は人間の理を超越したものです。したがって、修煉者は人間の理を用いて修煉の物事を判断するべきではありません。

　ある時、学法中に次の一節を目にしました。師父は、こう説かれました。「私は皆さんに修煉を教えていますが、私も皆さんと同じように修煉しているということではありません。もしそうであれば、私たちが良くなければ、皆さんも修煉を止める、このようになるのでしょうか？　私が皆さんに伝えた法の中で、師父が修煉者と同じように苦の中で修煉しなければならないとは言っていません。私は衆生のために苦を肩代わりしたため、邪悪に攻撃されました。特に大法の修煉は世俗から離れずに修煉しており、社会の各階層に弟子がいるため、全ての弟子と同じであり得るのでしょうか？　なぜ業力の最も多い学習者、または最も困難な情況にいる学習者と同じ生活をしなければならないのでしょうか？」（『各地での説法七』「米国西部国際法会での説法」）

　この中の「私たちが良くなければ、皆さんも修煉を止める、このようになるのでしょうか？」という言葉を見て、私ははっとしました。真に修煉する弟子は、師父への信念を無条件に持つべきです。

　邪悪は海外で法難を引き起こし、それを通じて大法弟子を試練させています。しかし、私は次のように悟りました。師父はこの状況を利用して、残りの15%の業力を消去し、大法弟子を成就させようとしているのです。表面的な出来事の経緯や、誰がうまくできなかったかにこだわる必要はありません。私たち修煉者は、師父が伝えられた法が真の法、真の道であることを確信し、自分が師父に従うと決めたのであれば、乱れている現象の中でも修煉を初心のままに続け、師と大法を堅く信じ、同時に大法を守ります。

　師父は、「実は、大法は人間を済度するだけではなく、各界の衆生に説くものでもあり、目覚めて悟った本性は、自らいかに振舞うかを知っているはずです。皆さんの人間としてのこの一面を大切にしているのは、皆さんが法の中で悟りを高めることができるようにするためです。大法は衆生を圓容していますが、衆生も大法を圓容しています。わたしが皆さんに法の荘厳さ、神聖さを教えた目的は、皆さんの法に対する困惑、誤解を取り除くためなのです」（『精進要旨』「道法」）と説かれました。

　私たちは、いつまでも修煉の途上に留まり、師父の愛護のもとで人間界に長くとどまっていてはなりません。真に悟りを開き、法を正す時期の弟子として、法を正す師に手伝い、衆生を救い済度するという責任を果たさなければならないのです。この責任は、発正念にも現れます。長年、私は発正念において誤解していた部分がありました。「邪悪を見分け、正念を持ち続けさえすれば、邪悪に対して何かする必要はない」と思っていたのです。

　あるイギリス人の大法弟子の文章に啓発された同修は、私に感想を分かち合いました。その同修は次のように言いました。「正と邪を識別するだけでは不十分です。自分が正しい側であることを認識し、邪悪と距離を置くだけでは不十分です。私たちは、邪悪が存在すべきでないことを認識し、持てるすべての力を尽くして邪悪を消滅させなければなりません……」

　この決意が生まれたとき、私の思考はダイヤモンドのように堅固になりました。私は、本当に発正念に「山を切り裂くほどの力」（『各地での説法十一』「二〇一〇年ニューヨーク法会での説法」）の威力が備わったと感じました。

　以上は、私の現在の限られた認識です。不適切な点があれば、どうか同修の皆さんの慈悲なるご指摘をお願いします。