文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年4月10日】（前文に続く）

　以下は、私が仕事や日常生活の中で経験したいくつかの小さな出来事です。皆さんと共有したいと思います。

　一、心を込めて助け、温かさを届ける

　ある時、一人で来た患者が突然嘔吐して嘔吐物が飛び散り、悪臭が広がり、周りの患者たちはその場面を見て、口と鼻を手で覆いました。付き添う人がいないことに気づき、私はすぐに駆け寄り、片付けを手伝いました。私の行動に、その場にいた人々が称賛の目を向けました。しばらくして、患者の娘が病室に来て、私が父親の嘔吐物を片付けたことを知り、感謝しました。私はよく、家族が付き添っていない患者に水を入れてあげたり、食事を買いに行ったり、支払いを手伝ったりします。患者の困難な状況に同情し、温かさを感じてもらうことができるようにしています。そのようなやり取りの中で、自然に距離が縮まり、大法の良さと迫害の実態を伝えると、皆も受け入れてくれます。また、私はよく大法の法理で、患者に生きる勇気と自信を与えるように励まします。

　二、患者の失くした財布を見つける

　私の仕事ぶりや熟練した治療技術、そして親切な対応から、患者は私を信頼し、何でも気軽に話してくれます。ある日、私は仕事を終え帰宅した後、一人の患者から電話を受けました。彼は昼間治療を受けた後、家に帰ると財布が見当たらないことに気付き、治療室のベッドの上に落ちていないか確認してほしいと頼まれました。私は、家事を済ませる暇もなく、すぐに病院に戻って探しに行きました。誰かに拾われていないかと心配しながら治療室に着き、治療用ベッドの隅々を探しましたが、財布は見つかりませんでした。それでも私は、諦めずにベッドの下を確認したところ、ベッドの頭側の床に落ちている財布を発見しました。私は中身を確認すると、2000元余りの現金と数枚の銀行カード、支払いの領収書などが入っていました。私はすぐにその患者に電話をかけ、財布を見つけたことを伝え安心させました。さらに財布の中身の詳細を伝え、今度治療に来る際に財布を渡すことを約束しました。

　三、取引先からの謝礼を断る

　治療において、医療機器の購入を必要とします。競争の激しい市場では、商社やメーカーは取引する中でもっと多くの顧客を獲得するために、製品の品質だけでなく、リベートや祝日ギフト、またはお金を贈るなどで顧客との関係を築こうとすることが多いのです。

　ある中秋節の際、商社の担当者が私にお金を贈りましたが、私はそれを受け取りませんでした。私が何度も断ったのを見て、その担当者は「みんなに渡しているものだから、特別にあなたにだけ渡しているわけではありません」と言いました。私は「私には学んでいるものがありますので、それは受け取れません」と言いました。そこで、私は彼に法輪大法の素晴らしさと法輪功迫害の実態を伝えた上で、中国共産党の各組織から脱退する「三退」を促しました。彼は三退に同意しました。私はさらに「私はあなたの報酬を受け取ることはできません」と説明しましたが、彼はやはり困ったようで、私に「あなたが受け取らないと、私が会社に報告できません。上司に無能だと言われますから」と言い、お金が入った赤い封筒を置いて立ち去りました。私は、もしお金を返しに行ったら彼を困らせてしまうだろうと思い、そのお金で彼にプレゼントを買い、今後はこのようなことをしないように伝えました。彼は私の気持ちを理解し、その後、私に金品を渡すことはなくなりました。

　また、患者からの贈り物も、私はそれを全て断りました。断りにくい場合は、私はお返しにギフトを買って渡し、良好な関係を築いています。

　四、仕事中でも原則を守る

　医療保険がなかったころ、私たちの治療方法は一般的な家庭にとって負担が大きいため、一定期間治療を受けた後に諦める患者もおり、病気を治すために、節約を重ね、借金を抱え込むこともよくありました。私は患者やその家族の困難を理解し、同情していますが、料金については原則を守り、公私混同せずに対応していました。そのため、「料金の管理はあなたに任せて安心だ」と主任に信頼され、同僚たちにも認められました。

　ある患者が内緒で私に「病院を通さず、あなた個人にお金を支払って検査してもらえませんか？」と相談しました。そうすれば、医療費を少なめに払って済ませることができ、私も利益を得られるというわけです。私ははっきり「それはできません」と断ると、彼女は「あなたは良い人だから、この話をしたんです。実は他の検査でもそうしましたが、断られたことはありませんでした」と明かしました。私は彼女に「私は法輪大法を修煉しており、真・善・忍を修めています。それは偽りのことになります。『真』を守るのが私の原則で、それを変えることはできません。もし他に困っていることがあれば、助けますが、このようなことはできません」と答えました。

　日常生活や仕事の中で、具体的な問題に直面する時、私は自分が修煉者であることを忘れず、流されることなく自分を戒めています。自分が出会うすべてのことを、自分の心を修めるための試練だと思って、自分が修煉者の基準に従うことができるかどうかを見ます。

　五、雪に倒れていた老人を助ける

　ある日、仕事を終えて帰宅途中、ビルのそばの積雪に一人の老人がうつ伏せになっているのを見ました。とても寒く、私はこの老人が体調を崩しているのだろうと思いました。今の社会では道徳が低下しており、転んだ老人を助けたことで、逆に訴えられる話をよく聞いています。助けるべきかどうか、迷いましたが、「私は修煉者なので、見て見ぬふりはいけない。長時間放置すれば、老人が雪の中で危険な状態になってしまう」と考えました。

　私は試しに声をかけました。「おじいさん、大丈夫ですか？」すると彼は「ふん」と一声を上げました。まだ意識はしっかりしているようだったので、私は彼を立たせようとしましたが、老人はとても重くて立たせることができませんでした。それで「おじいさん、電話はありますか？」と尋ねると、老人はポケットを指さしました。私は急いで携帯電話を取り出し、老人の家族に電話をかけ、状況を伝えました。その時、私の職場の薬局の人が通りかかり、私は急いでその人にも手伝ってもらうよう頼みました。その人は「この時代に、こんなことをする勇気があるんだな」と言わんばかりに私を見ていましたが、やはり私と一緒に老人を雪の上から引き上げ、家族が到着するまで待っていました。

　六、院長のお詫び

　長年、私はこの特殊治療のチームを率いてきました。仕事の中で、私は合理的に手配し、分担して協力し、常に自分が先頭に立って多くの仕事を担ってきました。祝日や救急患者がいる時には、私は必ず現場に駆けつけて同僚を助けていました。私が担当していた十年以上の間、事故や医療ミスは一度もなく、数年連続して省の医療関連部門の「青年文明号」の称号を受けました。病院では私がこのチームの中心であることを皆認めていますが、法輪大法の修煉を放棄しない理由で、いまだに公式な職位は任命されていませんでした。私は自分が修煉者であることを認識しており、どこにいても自分の役割を全うすべきだと思っています。常人にとって、名誉や地位は確かに大切なもので、特に知識人の間ではそれを重んじることが多いです。しかし私にとっては、修煉が一番大切であり、私の周りのすべての環境は、私が心を修め、執着を取り除き、心性を高めるために整えられているものであり、修煉の成功へと導くための道なのです。

　ある日、省から私たちの病院に監査が来ることになり、私の科のこのチームも必ずチェックされることになりました。

ちょうど週末の休みの日で、私は主任から電話を受け、準備をするように言われました。通知を受けてすぐに病院へ向かい、すべての規則や治療室の物品の配置、薬や処置の記録が整っているかなどを確認しました。院内で院長に会い、院長は私に「お疲れ様、週末の休みなのに来てくれてありがとう」と言いました。私は「当たり前のことです。検査で問題がなければ幸いです」と答えました。院長は少し申し訳なさそうな口調で「すべては私の責任だ。あの時、あなたに職位を与えなかったことを悔しく思っている。あなたが法輪功を放棄しないことで、一票否決されたのだ」と言ってくれました。それを聞いて、私は「院長、大丈夫です。このような厳しい状況での院長の立場を理解しております。私のために考えてくださり、ありがとうございます。私は修煉者なので、職位があろうとなかろうと、自分の役割を果たし、誠実に患者にサービスを提供することが、私の守るべき職業倫理です」と答えました。以前、私は院長に大法のことを伝えたことがあり、『共産党について九つの論評』が発表された際、院長に一冊渡したこともありました。

　七、重圧の中で信念を守る

　2002年、地元で法輪功学習者への大規模な捜索が行われ、公安の「ブラックリスト」に載っていた多くの学習者が連行され、その後、ほとんどが不当に労働教養を強いられました。警察は私の職場と自宅を両方で監視し、私はやむを得ず家を離れ、行き場を失いました。私はその時の状況を科主任に伝え、「まず2日間の休暇を取って様子を見、問題がなければ出勤します」と言いました。主任は仕方なく「安全に気をつけて、行きなさい。毎日電話して無事を知らせてくれ」と言いました。主任も当時非常に大きいプレッシャーを抱えており、上からは私を監視するように圧力をかけられていました。

　私がいなくなった後、科の働き手が足りなくなり、同僚たちはとても忙しくなりました。私がいない間に数人の患者が他の病院に移り、主任は患者の流失を残念に思っていました。これは科の経済的な収入に影響を与えることでもありました。居場所を失い、転々と移動していた期間、私は病院の書記や科の同僚に大法の良さと迫害の実態を伝える手紙を送りました。当時、私は自分の置かれた状況に非常に大きな圧力を感じていました。警察は私を見つけられず、夫の職場に行き、私の行方を尋ねましたが、夫はそれを拒否しました。

　中共による迫害が20年以上続く中で、私は4回不当に連行され、2度も家を離れて転々としながら不安定な生活を送りました。そして、6年間も身分証を差し押さえられ、地元以外の研修も許されませんでした。私の家族も多くの苦しみを味わいましたが、彼らは皆、法輪大法のことをよく理解しており、私の修煉を支持してくれました。私が不当に拘束されている間、家族は私を救出するために、積極的に正義感のある弁護士を依頼して、法的手段で迫害に立ち向かいました。

　20年以上の修煉を通じて、私は師父の教えに従って、大法弟子としてすべきことを実践しています。他の精進している同修に比べるとまだまだ足りませんが、修煉の道のりの中で一歩一歩、少しずつ成長できたのは、すべて師父の慈悲深い加護のおかげだと深く感じています。

　修煉の過程には苦しみもあれば、喜びもありました。苦しみは邪悪な迫害による圧力と困難の中で信念を守ること、それにトラブルや利益の前で人心を捨てることでした。

　しかし得られた喜びも多いです。それは、大法に同化した後の心性の向上と体と心の軽さ、困難を乗り越えた後の希望、そして衆生が大法の良さと迫害の実態を知った後、大法に救われた喜びです。これは師父の願いであり、私たち大法弟子の心からの願いです。

　師父に感謝いたします。私を助けてくれたすべての同修に感謝します！

　（終わり）