文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年5月20日】真相を伝え、衆生を救うこと。これは大法弟子の使命であり、また法を正す時期における大法弟子の特別な恩恵でもあります。これまで何年にもわたり、真相を伝えて人を救う中で、自分なりにうまくできたときもあれば、そうでないと感じるときもありました。振り返ってみると、「本当にその人のことを思って行動していたか？」という点において、まだまだ足りないと痛感しています。

　以下にいくつかの実例を挙げて、師父にご報告を申し上げるとともに、同修の皆さんとも共有したいと思います。

　一、私は涙を浮かべながら彼を救いました

　私は61歳になる女性の大法弟子です。小学校時代は、1970年代の素朴な時代に育ちました。今でも心に残っているのは、当時の担任の先生のことです。とても真面目で、生徒思いの教師でした。提出したノートは、どれも先生が角まできちんと整えて返してくれました。授業の合間には小説を読んで聞かせてくれたり、労働の授業では自分が掘った野生の薬草を、両手いっぱい私のかごに入れてくれたりしました。それを売ったお金で教科書を買い、家にはほとんど負担をかけずに済んでいました。作文を村の掲示板に貼ってくれたこともありましたし「支出」「収入」といった会計の基本も、クラス会計を任せてくれた先生が初めて教えてくれたものでした。そんな責任感が強く、生徒を大切にする先生を、私はずっと救いたいと願っていましたが、なかなか再会の機会がありませんでした。

　ある日、実家に帰省した際に、偶然、道端で畑作業をしている先生を見かけました。車を止めて駆け寄り、軽く挨拶を交わした後、すぐに法輪功の真相を伝え始めました。共産党の腐敗、大法の素晴らしさ「三退」によって平安がもたらされることなどを一生懸命に話しましたが、先生はなかなか応じようとしませんでした。私は胸が詰まる思いで「先生には本当にお世話になりました。あなたが私を保健室まで背負って運んでくれたこと、あなたの家で薬を飲ませてくれたこと、そしてあの赤い花柄の魔法瓶まで、全部覚えています」と、思い出を語りながら涙を浮かべました。私はさらに「どれだけ感謝してもしきれません。だからせめて、中国共産党の党・団・隊を退いて、無事でいてほしいのです」と心から訴えました。その言葉に先生は心を動かされ、小さくうなずいて退く決断をしてくださいました。その1つの賢明な選択によって、ひとつの生命が救われたのです。

　後日、先生の妹さんに会ったとき、彼女も大法を修煉している人でした。「兄は、私が何度説得しても退こうとしなかったのです」と彼女は言いました。それを聞いて私は確信しました。本当に人を救いたいと願えば、師父が必ずご加護してくださり、法身が助けてくださるのです。私たちはただその純粋な願いを持ち続けるだけでいい。救ってくださるのは、師父なのです。

　二、ちょうど良いタイミングで、彼女は帰省していた

　私は長い間、ある高校時代の友人を救いたいと思っていました。高校時代、彼女は周囲の同級生たちから嫌われ、陰口を叩かれていたのですが、私は彼女のことが気の毒で、ずっと同情していました。そのため、彼女は私にとても感謝していたようです。大学を卒業した頃、彼女が省都のある専門学校で教員をしているということだけは知っていました。1980年代に私が結婚したときに一度連絡を取ったきりで、その後は全く音沙汰がありませんでした。どこにいるのかも分からず、ただ彼女の実家がどの村あたりかという見当があるだけでした。でも私は、ただ彼女を救いたいという一念だけを持っていました。

　ある年の旧正月休みのことです。午後になって急に彼女を訪ねたくなり、自転車に乗って家を出ました。道中、豆腐を売っていた人に道を尋ねたところ、親切に教えてくれました。小さなトンネルを抜けて進んでいくと、小さな村に辿り着きました。村で出会った女性に尋ねてみると「ちょうど良かったわよ、今日はたまたま帰ってきているんですって」と教えてくれたのです。その案内に従って、私は彼女の家を訪ねました。

　久しぶりの再会で、私たちはしばらく昔話をしながら近況を語り合いました。そして私は、すぐに真相を語り始めました。ちょうど退党の話題を出したとき、彼女は「もうずっと前から脱退したかったの。でも誰に頼めばいいのか分からなくて」と言いました。まさに師父のご手配によって、絶好のタイミングで脱退ができたのです。

　後で振り返ってみても、どうやって彼女に会えたのか不思議でなりません。彼女の住んでいる村の正確な場所も知らず、家族の名前も分からず、彼女がいつ帰省するかも分からず、電話も連絡手段もないのに、どうして出会えたのでしょうか。彼女は「本当は昨日帰る予定だったけど、なぜか気が変わって今日は残っていたの」と言いました。私は「もし昨日帰っていたら、私はあなたに会えなかったよ。あなたは私が来て『三退』の手続きをするのを、まるで待っていたようだったね」と伝えました。けれど、私は心の中では分かっていました。すべては師父のご按排によるものであり、私たちに必要なのは、ただその一念だけなのだと。

　三、私心の一念が、彼を救えなかった原因だった

　ある日、私は同修と一緒に市場へ出かけました。最近は物価が急騰していて、野菜がとても高く感じられます。ちょうどそのとき、長いインゲン豆が約500gあたり60円に値下がりしたと聞き、少し嬉しくなりました。市場の中央あたりに差し掛かったとき、新鮮で実の詰まったインゲン豆を見つけ「少し買っておこうか」と思って値段を尋ねると、80円だと言われました。それを聞いて私は「高いな」と思い、買うのをやめました。それを見ていた同修が「人を救うためなら、少し買ってみようかな」と言いました。これは明らかに、師父が同修の口を借りて私に気づかせようとしてくださったのですが、私はその時悟ることができませんでした。私は先に、野菜を買っていた2人のお客さんに真相を伝え「三退」を勧めたところ、うまくいきました。次に、インゲン豆を売っていた男性に真相を話し始めましたが、彼は顔を横に向け「そんな話は聞きたくない」と言いました。それでも話し続けようとしましたが、完全に無視されてしまいました。同修は親切丁寧に話しかけてくれましたが、結局、彼は三退には応じませんでした。私たちは仕方なくその場を離れました。

　そのとき、私は歩きながら同修に「なぜ彼が三退しなかったのか分かった気がする。私の心に『高いから買わない』という私心があった。それが彼を妨げてしまった」と話しました。自分の中の利己心が相手の心を閉ざしてしまったのです。本当に悔しくてたまりませんでした。

　改めて振り返ると、なぜ先生や友人は救えたのか。それは、私の心が純粋で、ただ彼らを救いたいという正しい一念しかなかったからです。しかし今回の件では「自分の利益を損ないたくない」という思いが先に立ち、師父が同修を通じて気づかせてくださったにもかかわらず、私はそれを悟れませんでした。つまり、すべては「私心」が原因だったのです。「自我」が前に出てしまっていたのです。

　師父は『精進要旨』（「佛性に漏れなし」）で、「無私無我」を求めておられます。それなのに私は第一の念で他人のことを考えられず、個人の修煉が足りないために、人を救う力も弱くなってしまいました。恥ずかしさでいっぱいです。

　師父、弟子は師父の慈悲深いご啓示に心から感謝いたします。師父の法は私の目を覚ましてくれました。弟子はこれからもっと学法し、法をしっかりと学び、自分自身をよく修め、真心から人のために尽くすことで、より多くの人々を救い、師父と共に本当の家へと帰れるよう努力してまいります。