　【明慧日本2025年5月22日】黒竜江省巴彦県の範淑芬さん（76）は、7年にわたる冤罪による迫害を受け、2024年9月に黒竜江省女子刑務所を出所した。その後、子どもたちにより巴彦県静心老人ホームに入所させられ、法輪功学習者との接触を禁じられた。子どもたちは範さんに対し、「法輪功を続ければ老人ホームの費用（月額700元）は支払わない」とたびたび脅しており、施設の経営者も「月末までに費用が支払われなければ退去させる」と脅迫している。

　出所後の範さんは重度の難聴となり、日々心が落ち着かず、生活は悲惨を極めている。

　範さんかつてはさまざまな持病を抱え、特に重度の骨結核により歩行困難となり、頭痛がひどい時は壁に頭を打ち付けるほどであった。しかし、法輪功（ファールンゴン）を学び始めた後は健康を回復し、労働も可能になった。

　範さんは早くに夫を亡くし、再婚したが、再婚相手は中国共産党による法輪功への弾圧に恐怖を感じ、修煉を妨害した。範さんはやむを得ず別居を選択した。職も住まいもなく、廃品回収で生計を立て、他の法輪功学習者から生活必需品の支援を受けていた。借家は老朽化し、冬は寒く、困窮した生活を強いられた。後に低所得者支援（低保）と廉価住宅を申請・取得し、ようやく温かい住居を手に入れたが、間もなくして法輪功を学んでいることを理由に中共の迫害を受け、それらの支援はすべて押収された。

　2017年9月28日、範さんは学習者の武桂芝さんの自宅を訪れたが、ちょうどその時、巴彦県興華派出所の警察による武桂芝さんへの連行に遭遇し、範さん自身も同時に連行された。その晩、2人はハルビン市へ移送されたが、71歳の武さんは心臓疾患により拘置所での収容を拒否され、9月30日に帰宅を許された。範さんは不当に刑事拘留された。

　2018年7月19日午前、範淑芬さん、武桂芝さん、張洪珠さん、高福志さんの4名は、依蘭県裁判所にて不当に裁判を受けた。判決は当日には言い渡されず、範さんはそのままハルビン市の鴨子圈留置場へ連行された。

　後に範さんは懲役7年、武さんは8年、張さんは9年の刑をそれぞれ言い渡され、範さんは黒竜江省女子刑務所にて服役を強いられ、2024年9月にようやく出所した。

　出所後、範さんは生活困難な農村出身の子どもたちとともに、当局に対し低保の再開を求めたが、当局職員は「法輪功をやっているから与えない。訴えたければ好きな所へ訴えろ」と冷たく対応した。範さんは引き続き法輪功を学んでいるが、家族や親族に激しく妨害された。嫁は離婚を主張し、息子は範さんの首を絞めるなど暴力を振るい、「政治犯」と罵り、非難と暴力を繰り返した。子どもたちは協議の末、範さんを巴彦県静心老人ホームに送ることを決め、4人部屋、月額700元の施設で生活させている。

　範さんが読んでいた法輪功の書籍は、老人ホームの管理者によって没収され、捨てられた。施設内の他の入居者からも差別を受け、集団で非難され、「信念をやめろ」と圧力をかけられている。

　中共江沢民集団によって発動され、今なお続いているジェノサイドは、多くの法輪功学習者およびその家族に甚大な苦難をもたらした。同時に、この無実の善良な人々への迫害は、中国の法治をさらに暗黒化させ、社会の道徳を著しく堕落させた。すべての中国人は、この迫害の被害者である。