　【明慧日本2022年5月23日】（前文に続く）

　2．「両高裁」司法解釈は、『刑法』第300条の立法趣旨および本来の意図に反しており、無効であり、判決の根拠にはならない

　『立法法』第45条は以下のように規定している：法律の解釈権は全国人民代表大会常務委員会に属する。以下のいずれかの状況に該当する場合、全国人民代表大会常務委員会が解釈を行う：（一）法律の規定の意味をさらに明確にする必要がある場合：（二）法律制定後に新たな状況が発生し、法の適用基準を明確にする必要がある場合。

　さらに『立法法』第104条はこう規定している：最高人民裁判所および最高人民検察庁が行う法律の解釈は、審判・検察業務における具体的な法律適用に関するものであり、主に明文の法律条項に基づかなければならず、かつ立法の目的・原則・本意に合致しなければならない。もし第45条第2項に該当する場合には、全国人民代表大会常務委員会に対して法解釈を申請するか、関係法律の制定・改正の提案を提出しなければならない。

　また、全国人民代表大会常務委員会が1981年に出した「法律解釈業務の強化に関する決議」では、司法解釈は司法実務における法律適用の具体的問題に限ると明記されている。つまり、司法解釈とは既存の法律を説明する行為であり、法律の文脈から離れて新たな法律を創造してはならない。また、その説明行為は立法解釈の領域を侵してはならない。

　刑法第300条が定める罪は「法律の施行を妨害する」ことである。したがって、「両高裁」の司法解釈はこの罪の構成要件、すなわちどのような条件を満たす場合にこの罪が成立するか──たとえば、主観的に故意にあるかどうか、客観的にどのような行為が存在し、どのような結果的危害をもたらすか──を明らかにすべきである。ところが、「両高裁」の司法解釈では、列挙された多数の行為はいずれも「法律の実施を妨害する」ことと無関係であり、刑法第300条の立法趣旨や本来の意図とも全く一致しない。したがって、「両高裁」の司法解釈は刑法第300条と何ら関係がなく、その条文に違反したとして罪に問う根拠にはなり得ない。

　3．「両高裁」司法解釈は、刑法の「罪刑法定原則」に反しており、判決の根拠にはなり得ない。

　「法律に明文なければ罪とならず」──これは刑法における基本原則、すなわち「罪刑法定原則」である。

　中国の刑法には、「法輪功を修煉することが違法である」とはどこにも書かれていない。学習者が人々に対して法輪功が迫害されている真実を伝える行為は、完全に合法である。にもかかわらず、「両高裁」の司法解釈は、こうした合法的な行為をもって「有罪」とし処罰しようとするものであり、これは明らかに刑法の罪刑法定原則に反している。したがって、「両高裁」の司法解釈は違法であるだけでなく、無効であり、さらに言えば、それ自体が「犯罪」である。司法解釈を装いながら、学習者を意図的に陥れるための虚偽の「法律根拠」を作り出しているにすぎない。公安・検察・裁判機関の職員が、「両高裁」司法解釈を根拠にして学習者を有罪とするのは、法を執行しているのではなく、まさに「犯罪行為」を行っているのだ。彼ら自身が「虚偽告訴罪」「職権乱用罪」に該当する違法行為を犯しており、このような行為は必ず法律によって裁かれることになるだろう。

　四．政府内部および法律界からの異議

　江沢民による法輪功への迫害は、憲法に違反し、常識にも反しているため、当時の共産党内でも強い反対に直面しました。当時の中央政治局常務委員7人のうち6人が反対していました。朱鎔基首相は常務委員会で、「人々が健康のために功法を練習するのは市民の権利であり、国家にとっても有益だ。我々が干渉すべきではない」と発言しました。

　元全国人民代表大会常務委員長の喬石も、江沢民による法輪功迫害に強く反対していました。彼は2015年6月の臨終の際に、「自分は法輪功が名誉回復される日を見届けられないかもしれないが、1998年に述べた『法輪功は国家と国民に百の利があって一つの害もない』という考えを堅持する」と語り、江沢民が自分の葬儀に参列しないよう求めました。

　元国務院総理の温家宝も在任中、法輪功の名誉回復を何度も提案しており、特に2012年に中国共産党（以下、中共）中央政治局常務委員会が薄熙来問題を議論した際、温家宝はその機会に法輪功の問題も同時に解決することを提案しましたが、周永康の強硬な反対に遭いました。

　また、元江蘇省委員会書記の陳煥友など、省・部レベルの高官たちも法輪功への迫害に反対していました。これにより、中共高層内部には一貫して法輪功迫害に反対し、名誉回復を求める声が存在していたことが分かります。

　迫害が始まって以来、中国の法律界でも多くの著名な学者や教授が、この違法で犯罪的な行為を強く非難しています（例：中国政法大学の著名な学者・滕彪教授、東南大学法学院の張贊寧教授など）。彼らは法輪功学習者の裁判において無罪の弁護を行ってきました。これまでに100人以上の弁護士が、法輪功学習者のために1000件以上の無罪弁護を行っています。

　多くの弁護士は弁護の中で次のように指摘しています：今日の社会で、汚職や刑事犯罪を犯している者の中に法輪功を修煉している者はいません。法輪功学習者は最も善良で法を守る市民であり、その高尚な道徳性は称賛と尊敬に値します。こうした最も良き人々を法律の名の下に弾圧することは、中国の法律制度にとっての悲劇です。すべての法輪功案件は冤罪であり、関与した全ての関係者は違法行為の疑いがあり、必ず法的責任を問われるでしょう。

　これらの弁護士による論理的で説得力ある無罪弁護は、多くの法廷関係者に衝撃を与えました。裁判官、検察官、警察、傍聴者の中には、感動して親指を立てて「素晴らしい弁論だ。まさに法教育の授業だった。法輪功の修煉が合法で、弾圧の方が違法だったとは！以前は法輪功を憎んでいたが、実は騙されていたのだ」と語る人もいました。人々はこの迫害の邪悪さと不条理さに気づき始めたのです。

　20年以上にわたり、法輪功学習者たちはこの不当な弾圧に対して一貫して平和的な方法で真相を伝え、「法輪功への迫害は違法であり、不条理であり、邪悪である」と訴えてきました。迫害の根拠とされたすべての理由は、法輪功を貶め弾圧するために捏造された嘘でした。

　法輪功の真相が広く知られるようになるにつれ、多くの人が法輪功学習者の純粋さと善良さを目の当たりにし、江沢民による弾圧の不条理さと邪悪さを理解するようになりました。特に、公検法の職員の中でも真相を知った者は目覚め、自らのやり方でこの迫害を拒否するようになっています。明慧ネットの報道によると、2016年以降、特に2017年以降は、無罪釈放される法輪功学習者が急増しています。

　嘘による支えを失った迫害は、もはや持続不可能であり、いつ終息してもおかしくない状態です。そしてその日が現実となった時には、この迫害に加担したすべての者、そして首謀者である江沢民も、必ず法の裁きを受けることになるでしょう。善と悪のせめぎ合いの中で、自分の立場をどう取るか──これはすべての人が真剣に考えるべき問題です。

　健全な法治社会の構築は、国家の長期的安定の基盤であり、すべての市民の権利を守る根本的保障です。国家の法治を破壊すれば、被害を受けるのはすべての人です。今日は法輪功が迫害され、明日はあなたが迫害されるかもしれません。かつて国家主席だった劉少奇でさえ、身の安全を保障されず、迫害によって死に至りました。「文化大革命」時には、一夜にして「公検法（公安・検察・裁判所）」が粉砕され、多くの関係者が僻地での労働改造に送られました。これらの悲劇はすべて、国家の法治を破壊したことによるものです。

　このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、正義と良心を持つすべての人が立ち上がり、この不条理な迫害に反対することを願います。

　五．国際的な制裁の声

　2016年、アメリカ合衆国は《グローバル・マグニツキー人権問責法》を可決しました。この法律は、人権侵害者と認定された者に対して制裁を課すことを定めています。

　この法案（グローバル・マグニツキー人権問責法）は国際社会から広く支持を受けており、現在、アメリカ、カナダ、イギリスではすでに立法化されています。現在までに28か国が、アメリカにならって「マグニツキー法」に類似した法律を制定するか、またはその準備を進めており、人権侵害者に対してビザの発給拒否、海外資産の凍結などの制裁を課しています。この法案の施行は、人権を侵害し踏みにじった者は誰であれ、その行為に対して責任を問われることを意味しています。

　2019年5月、アメリカ政府は「グローバル・マグニツキー法」の実施を本格的に進め始め、カナダ、イギリス、オーストラリア、EU諸国など20か国以上がこれに追随する意向を表明しました。今後、時間とともに、この法案はより広範囲な国際社会で実施され、徹底されていくことになるでしょう。

　同時に、法輪功を含むアメリカ国内の宗教団体も通知を受けており、アメリカ政府は今後、人権および宗教迫害に関わった者へのビザ審査をさらに厳格にし、移民ビザ・非移民ビザ（観光、親族訪問、ビジネスなど）を問わず発給を拒否する方針です。すでに発給済みのビザ（永住権を含む）であっても入国拒否の対象となり得ます。アメリカ国務省の職員は法輪功学習者に対し、迫害に関与した人物およびその家族・子供の名簿を提出してよいと伝えています。

　さらにアメリカ政府の関係者は、これは「第一歩」に過ぎず、今後さらに多くの措置が講じられること、そして人権侵害や宗教迫害に関わった者は、本人のみならず家族や子供も含めて厳しい制裁と処罰を受けることになると語っています。

　六．真実

　中国近代史に詳しい人であれば誰でも、中共がその誕生以来、とくに建国以降に行ってきたすべての政治運動が、嘘を捏造し、世論を欺いて推進されてきたことを知っています。中共が誰かを弾圧しようとする時、まずはその人物に関する嘘を広め、罪名をでっちあげ、自らの支配するメディアと政策を通じて世間に洗脳的に注入し、人々の憎しみを煽り、無意識のうちに罪に加担させていく——それが中共のいう「人民運動」の本質です。文化大革命の際には、劉少奇を失脚させるために「裏切り者・内通者・労働者の敵」とのレッテルを貼って徹底的に中傷しましたが、それらはすべて事実無根でした。法輪功への迫害もまったく同じ構造です。人々に法輪功への憎悪を植え付け、迫害に巻き込むため、江沢民政権はその手中にあるメディアを使って誹謗中傷を垂れ流し、数々の嘘を創作して法輪功を貶めようとしました。その典型が、「天安門焼身自殺事件」、「4・25事件」、「1400件の死亡例」などです。いずれも稚拙な捏造であり、目的は憎悪を煽り、人々を欺いて迫害に加担させることでした。そうして江沢民体制は、善良な人々を虐げるために、社会全体を騙し利用したのです。

　2001年1月23日、江沢民は法輪功を貶めるため、天安門広場で「天安門焼身自殺事件」という芝居を演出しました。この事件は人々の法輪功に対する憎しみを煽り、迫害を一層強化するための道具とされました。

　しかし、2001年8月14日、国連会議において「国際教育発展機構（IED）」がこの事件に関する声明を発表し、「事件の映像資料を分析した結果、これは政府によって自作自演されたものと結論付けられる」と強く非難しました。中共代表団はこの確たる証拠に反論できず、沈黙しました。この声明は国連に正式に記録されています。

　2003年10月8日、米国の新唐人テレビが制作した『世界を欺く偽りの火』というドキュメンタリーが、「第51回コロンバス国際映画テレビ祭」の栄誉賞を受賞しました。これはオスカーに次ぐ歴史あるドキュメンタリー映画祭であり、本作品は「天安門焼身自殺事件」の数々の矛盾を明らかにし、事件が江沢民体制によって法輪功を陥れるために捏造された偽事件であることを証明しました。

　学習者が真相を伝える目的は、江沢民と中共が法輪功を弾圧するために作り上げた嘘を暴き、人々がその洗脳から解放され、加害者にならないようにするためです。

　ことわざに「広く聞けば明るくなり、片方だけ聞けば暗くなる」とあります。真実の法輪功を理解すれば、善と悪、正と邪の中で自然と自分なりの正しい判断ができるようになります。したがって、「本当の法輪功」を知ることは、すべての人にとって非常に重要なのです。

　法輪功（法輪大法）は、佛家の上乗の修煉大法であり、人に「善」を教えるものです。修煉者には「真・善・忍」の原則に従って自らの心性を修め、道徳水準を高めていくことが求められます。これにより、心の浄化と身体の健康が得られるとされています。法輪功はその善なる教えと、病気を癒す顕著な効果により、瞬く間に中国全土に広まり、1999年までには1億人以上が修煉するに至りました。

　1999年7月に迫害が始まる以前、国内の多くの新聞、中央・地方のテレビ局・ラジオ局が法輪功を肯定的に報道しており、道徳の向上や病気治癒への効果を称賛していました。

　1998年、国家体育総局は北京、武漢、大連、広東省の医学専門家を動員し、法輪功学習者約3万5千人を対象に5回の医学調査を実施。その結果、病気改善の効果は98%以上という高い数字が得られました。

　1998年後半には、全国人民代表大会常務委員長だった喬石が、元幹部たちとともに法輪功の実態調査を数か月にわたり行い、「法輪功は国家と国民に百の利があって一の害もない」との結論を出しました。

　現在、法輪功は100以上の国と地域に広がり、どこに行っても人々の心を善へと導き、社会全体に安らぎと調和をもたらしています。多くの人々が、法輪功は健康だけでなく、人間の精神と道徳を高めることができると称賛しています。各国政府も、法輪功および創始者の李洪志先生に数々の表彰を行い、人類の心身健康への貢献を称えています。

　法輪功が広まってから今日に至る33年余り、何億人もの実践を通じて、法輪功は病気治癒・健康増進に卓越した効果があり、さらに人の道徳心を根本から高めることができることが証明されました。

（完）