【慶祝5.13】「この通りにある生命と財産は……」

文/中国の大法弟子

 【明慧日本2025年5月25日】私は理髪師です。ある日、私はお客様の髪を切っていると、店内で順番を待っているお客様がみんな揃って窓の外を見ていることに気付きました。私も顔を上げて見ると、道路の向かいの飲食店から猛烈な煙が立ち上っており、飲食店の前には人が大勢立っていました。事態が良くないことを悟った私は、お客様に事情を話して、手を止めて外へ駆け出し、向かいの飲食店に向かいました。

 野次馬たちは皆慌てて不安そうで、濃い黒煙に包まれた飲食店の中から時折爆竹のような「パチパチ」という音が聞こえてきました。集まった人々の中には「ガスボンベがもうすぐ爆発するだろう」と言う人がいました。「消防に助けを求めたが、彼らが到着するのが間に合わない」と言う人もいました。「この建物の後ろには変圧器があり、火が燃え移って爆発したら、結果は想像を絶する」と言う人もいました。また、「この通りの生命と財産はもう守れない」という人もいました。

 近隣の人々も音を聞きつけて駆けつけ、驚きや恐怖、焦りが全員の顔に現れていました。しかし誰も店内に入ろうとはしません。ガスボンベが瞬時に爆発するのではないかと恐れていたからです。

 その時、飲食店の店主夫婦が帰ってきました。女性は入口の台座に崩れ落ちながら泣き続け、男性は焦りでいっぱいでした。話を聞くと、彼らは食材を買いに出かけており、ガスボンベを閉め忘れ、さらにコンロの上には火にかけた油鍋がそのままだったとのことでした。その時点で油はすっかり乾き、鉄鍋は次々に破裂音を立てていました。

 ここで少し自分のことを紹介します。私は25歳のとき、幸運にも『轉法輪』という宝の書物と出会いました。その夜、一睡もせず興奮や感動を胸に抱え、本を一気に読み終えました。翌朝起きると、まるで身体全体が生まれ変わったようで、無限の力が湧いてくるのを感じました。「出家しなくても修煉ができるのだ、人間は迷いの中にいるのだ、すべての因縁や苦しみには理由があるのだ」と気付き、大変喜びました。

 過去の困難や不平、不満な出来事を振り返ると、全てを微笑みで受け入れられるようになりました。「心を込めて修行を続けよう」と決意し、修行を始めてまだ2年も経たない1999年の7月、政党による法輪大法への弾圧が始まりました。それでも、法を守ることは修煉者としての責任だと強く感じていました。

 日常では「真・善・忍」を基準に自分を厳しく律し、仕事中もお客様に誠意を持って接しました。苦しい事があっても笑顔で受け流し、害を受けても心に刻まず、良心を持ちながらお客様や周囲の人々を励ますよう努めていました。近隣の住民やお客様は私の修煉を認識し、信頼を寄せてくれるようになり、店には常に多くの人が訪れていました。

 飲食店が爆発寸前のその日、私は危機感を抱いていました。「私自身が修煉者であり、この夫婦や通りに住む全員の生命と財産を守るのは私の役目だ。法輪大法の師父が守ってくださるはずだ」 急いで私は煙の充満する店内へ入ろうと決意しました。

 緊急の中、私は黒煙が立ち込め「パチパチ」と音を立てる部屋の中に飛び込みました。

 部屋の中に入ると、煙の中は手を伸ばしても指先が見えないほど真っ暗で何も見えず、方向すら判別できない状況でした。厨房の火元を見ると、ガスボンベ全体が赤くなり、熱波が襲いかかってきて近づけない状態でした。私は恐怖に震えましたが、落ち着きを取り戻し「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍はすばらしい」と心の中で繰り返し唱えながら、師父が私のそばにいると堅く信じ、師父に助けを求めました。

 その時、近所の男性が危険を覚悟で入室し、一緒に作業を開始。窓を蹴破り、鍋を外に放り出し、ガスの元栓を閉めるという一連の作業を短時間で行いました。結果、多くの命と財産を守ることができました。

 私と隣人の男性が外に出た時、女主人は私にしがみついて泣きながら「ありがとうございます! お姉さん!」と言いました。その場にいた人の中には私が法輪大法の修煉者であることを知っている人も多く、その一人一人が敬意の目を向けていました。私は女主人に「大法の師父に感謝してください。救ってくださったのは大法の師父です」と伝えました。

 煙が晴れた後、再び屋内に入り、そこで目にした光景に驚愕しました。私が厨房に向かう際、通らなければならなかった扉の枠の中央に、熱で溶けて垂れ下がった感電する可能性のある電線がありました。その電線は頭に触れるほど低い位置にありました。私は厨房を出入りする際に必ずその扉を通らなければならなかったのですが、その時は濃い煙で視界が全くなく、何も見えませんでした。この状況を目の当たりにした全員が驚き、私自身も一瞬呆然としました。しかし、私は師父が私を守ってくださったのだとわかりました。その場の全員が深く感銘を受けました。

 この出来事をきっかけに、飲食店の女主人も大法の書籍『轉法輪』を読み始めました。

 もし法輪大法を修煉していなかったら、私のような一人のか弱い女性が災難に直面した時、きっと傍観して自分の身を守ることを選んでいたでしょう。他人のために自分の危険を顧みず、まず他人のことを考える気持ちと勇気など想像もつきません! あの時、そこには多くの人が集まり、その中には男性も大勢いましたが、誰一人としてそのような行動をとることはありませんでした。法輪大法が私に無私無我の精神と他者を優先する心を教えてくれたからこそ、一つの街全体の命と財産を救うことができたのです。

 (明慧ネット 2025年世界法輪大法デーの入選文章)

 
翻訳原文(中国語):https://www.minghui.org/mh/articles/2025/5/23/495248.html