　【明慧日本2025年5月27日】（中国＝明慧記者）明慧ネットの報道によると、2025年3月から4月の間に、中国で772人の法輪功学習者（以下、学習者）が中国共産党（以下、中共）の関係者によって連行または嫌がらせを受けた（連行333人、嫌がらせ439人）ことが分かった。そのうち、142人が家宅捜索を受け、7人が洗脳班に送られ、10人が強制的に採血され、10人が家を離れざるを得なかった。

　この期間中、中共の関係者は学習者から計4万5,690元を強要した。また、11人の学習者が年金の支給を停止された。

2025年3～4月、迫害を受けた中国国内の学習者の延べ人数統計

　連行や嫌がらせを受けた学習者のうち、60歳以上の高齢者は170人が含まれている。その内訳は、80歳から90歳が44人、70歳から80歳が90人、60歳から70歳が36人、最高齢は90歳であった。

3～4月、嫌がらせ、連行をされた高齢学習者170人の年齢層の統計

　中共関係者による連行・嫌がらせの事件は、中国の26の省、自治区、直轄市に分布しており、連行事件が最も多く発生した省は、山東省70人、遼寧省41人、吉林省33人、河北省32人、湖南省23人、黒竜江省21人の順となっている。また、嫌がらせ事件が最も多く発生した地域は河北省124人、黒竜江省47人、山東省42人、四川省35人、吉林省34人、北京市28人、湖南省24人、遼寧省22人、湖北省20人となっている。連行・嫌がらせを受けた学習者の中には、元統計局副局長、大学の退職教員、退職した幹部、退役軍人、教師、医師、デザイナー、退職した上級エンジニア、農民、会社員など、さまざまな社会層の人々が含まれている。

2025年3～4月、嫌がらせ、連行をされた中国各地の学習者の延べ人数統計

　同時に、明慧ネットは2025年3月から4月の間に、79人の学習者が中共により不当な判決を宣告され、16人が迫害により死亡したことを報じた。

　これにより、明慧ネットの報道によると、2025年1月から4月までの間に、不当に連行された学習者は577人、嫌がらせを受けた学習者は713人、実刑判決を宣告された人数は301人、迫害され死亡した人数は51人であることが判明した。

　注：本記事で言及されている連行や嫌がらせの事件は、2024年に発生したものも含まれ、2025年に情報が判明し、明慧ネットで報道されたもの。

　一、3～4月、学習者333人への連行が判明

　不当に連行された実例

　1、大慶市の于春艶さんを含む9人の学習者が不当連行

　黒竜江省大慶市の薩爾図区公安分局は2025年4月9日、9人の学習者を連行し、「重大案件」として処理した。

　于春艶さん（63歳女性）は一人暮らしをしている。連行された際に、パソコン、プリンター、その他多数の私有物が押収された。于春艶さんと共に連行された3人の学習者も60代で、3人とも釈放されたが、于春艶さんは未だに拘束されている。

　ほかに連行された5人の中の3人は解放されたが、2人については状況不明である。警官らは、「この9人を長期間監視していた」と話した。

　2、吉林省の王三恒さん8人　不当に15日間拘留される

　吉林省農安県合隆鎮の学習者・王三恒さん、孟敏さん、朱長波さん、小単さん、張桂栄さんなど8人は2025年4月23日の朝、自宅に押し入った警官らにより連行された。警官は李洪志先生の写真や法輪功の書籍などを押収した。関係筋によると、「上から」提供された名簿に基づいて連行したという。孟敏さんを含む70歳以上の学習者3人は釈放されたが、他の5人は15日間拘留された。

　3、河南省の汪海霞さん7人が不当に連行される

　河南省信陽市淮濱県の学習者・汪海霞さん、張玉勤さん、何自青さん、孫樹芳さん、戴学琴さん、任緒蘭さん、徐立芳さんの7人は4月24日午後、任緒蘭さんの娘の家に集まっていたところ、理由もなく警官らに連行された。なお、法輪功を学んでいない任緒蘭さんの娘と婿も、連行され事情聴取された。

　徐立芳さんはすでに解放された。任緒蘭さんの娘の家からは、法輪功の書籍、『明慧週刊』、パソコンなどが警察によって押収され、また、何自青さんの自宅のパソコンも押収された。

　4、河北省の陳志英さんと範月敏さん　県境を超えた山東省警察に連行される

　河北省衡水市の学習者・陳志英さんと範月敏さんは2025年4月25日、管轄地域外の山東省済南市の警官によって、衡水の地元公安局および康復街派出所の警官と共に連行された。4月25日午前、警官らは二人の自宅にそれぞれ同時に家宅捜索を行い、丸一日かけて不当な尋問を行った。同日夜9時頃、陳志英さんと範月敏さんは済南市の「警察教育施設」に送られ、9日間拘束されるという。家族には「5月4日に迎えに来るように」と告げられた。

　二人は、4月初めに済南の大明湖の遊園地でステッカー資料を貼っていたところ、監視カメラに撮られたとされている。20日間後、すなわち4月25日午前、山東省と河北省の警官らは宅捜索を行い、パソコン、プリンター、法輪功の書籍を押収した。

　5、薬物迫害で精神喪失した女性デザイナー・朱雲さん　再び連行される

　遼寧省葫蘆島市の学習者・朱雲さん（60）は、2025年3月2日午後に路上で警官に連行され、葫蘆島市の留置場に拘禁された。

　朱さんは、2015年に不当に6年の実刑判決を受け、遼寧省女子刑務所に拘禁された際、断食して迫害に抗議していたところ、看守に薬物を投与され、一時精神異常となった。刑務所から帰宅した後、学習者たちの助けで徐々に自立した生活ができるようになったが、現在、再び投獄されている。

　朱さんは1989年に大学を卒業後、葫蘆島市錦西化学工業の計画設計院にて、設計の仕事に従事した。1997年末から法輪功を学び始め、真・善・忍の教えに従って自身を厳しく律するようになり、それまで患っていた腎虚、心筋虚血、重度の鼻炎が短期間で回復した。

　2015年9月25日、朱さんは同市連山区裁判所により不当に懲役6年の刑を言い渡され、遼寧省女子刑務所に拘禁された。法輪功をやめないとして、重刑犯や死刑猶予囚のいる監房に入れられ、監視され、殴打され、拷問を受けた。夜、水浸した洗面所でしゃがんだままの姿勢を強要された。

　朱さんは断食して迫害に抗議した。3日後、看守は強制的に点滴を投与し、その中に正体不明の薬物が混入されていた。数日後、朱さんは記憶を失い、意味もなく笑い続けるなど精神的な異常をきたした。加害者らは毎日朱さんに点滴を施し、次第に朱さんは意識が朦朧として、認知機能も失われた。ある受刑者は朱さんを指さして「見ろ、こうなったのは精神病の薬を盛られたからだ」と言った。

　二、3～4月、学習者439人への嫌がらせが判明

　嫌がらせを受けた実例

　1、大学の退職教員・朱薇華さん　不当に家宅捜索される

　2025年4月17日午後4時40分ごろ、燕山大学の退職教員で学習者・朱薇華さん（70代）の家の家政婦が出かけようとした瞬間、突然10数人の警官が入ってきた。

　警官らは何の証明書も提示することなく入室し、即座に家宅捜索を始めた。朱さんの自宅にあるパソコン、法輪功関連書籍、法輪功創始者・李洪志先生の写真、DVD資料、カレンダー、壁に掛けてあった「真・善・忍」の額などがすべて押収され、パトカーに積み込まれた。家政婦は物品を持ち出すのを阻止しようとして殴られ、最終的に両手を背後に手錠でかけられ、パトカーに押し込まれた。

　この間、警官は何度も朱さんの部屋のドアをノックした。朱さんは「ドアの鍵が壊れていて自分では開けられない」と伝えた。

　夜7時ごろ、朱さんの娘が派出所に呼び出され、母親の寝室を開けるよう要求された。続いて、燕園派出所から5人（女性1人）が朱さんの家にやって来た。朱さんは「30代の頃、病気を多く患い、何度も大手術を受け、ほとんど身体障害者のような状態でしたが、法輪功の修煉を始めてから、すべての病が治りました」と話した。

　夜8時過ぎ、燕園派出所の所長が派出所に戻り、家政婦に「私たちは人違いをしてしまった。あなたは家政婦ですね。朱薇華ではなかった。すまないね」と謝罪した。最後に警官は簡単な調書を作成し、サインを求めたが、家政婦は署名せずに帰宅した。

　（続く）