文／中国の大法弟子　　　

　【明慧日本2025年5月30日】十数年前、私は大法を修煉していたため、中共からの迫害を受け、やむを得ず放浪生活を送ることになり、小さな県の都市（県庁所在地）に移り住みました。ほどなくして家族も引っ越してきて、現在まで私たちはその地に定住しています。当時、私たち一家は賃貸住宅で生活しており、頻繁に引っ越しを繰り返しながら、苦しい生活を送っていました。家にはお金がなく、子どもはまだ学校に通っており、私は夫と共に日雇い労働で生計を立てていました。

　私たちはとても倹約して暮らしていました。子どもが大学に通っていた頃、私たちは毎月、自分たちの食費としてわずか200元だけを残していました。私と夫は一年を通してほとんど肉を買わず、醤油すら節約して買わないほどで、料理を作る時は少しの塩だけを使っていました。それでも、私は特に苦しいとは感じていませんでした。なぜなら、私には師父がおり、真・善・忍の大法があったからです。

　師父は私に健康な体と穏やかな心を与えてくださいました。そのおかげで、どんなことにも勇敢に立ち向かい、毎日を楽しく過ごすことができました。十数年の努力の末、私たちはついに自分たちの家を手に入れ、定住先を転々とする賃貸生活に終止符を打ちました。ここから物語が始まります。

　私たちが購入したのは、すぐに入居できる物件でした。家の広さはそれほど大きくありませんが、価格は高めでした。なぜなら、家の中にある家具、ソファ、シャンデリアなどもすべて家の購入費用に含まれていたからです。売主は私たちの隣人で、60代の夫婦でした。この家はもともと彼らの息子の結婚のために用意されたものでした。

　私たちが家を見て価格交渉を始めた当初、隣人である男性は家の具体的な状況を正直に伝えていませんでした。私たちは手間を省きたくて、時間をかけてリフォームするのは避けたいと思い、この家を購入することを決めました。そして、2万元の手付金を支払いました。その際、彼はこう言いました。「もし買わないなら、この手付金は返しませんよ」

　翌日、私たちが所有権移転手続きに進もうとしたとき、彼は再びこう言いました。「この家の権利証は不動産会社に抵当として預けています。先にお金を払って権利証を取り戻してからでないと、手続きはできません」。夫も私も特に異論はなく、その条件を快諾しました。

　家の譲渡手続きには時間がかかりました。その間、私たちはまだ家の鍵を受け取っていませんでした。ある日、隣人の男性が「2部屋のシャンデリアを外したい」と言い出しました。私は「いいですよ。外したいものは何でも外してください」と答えました。しかし、その後彼は外すこともなく、その件について何も言いませんでしたし、私も尋ねませんでした。

　鍵の引き渡しの日、彼は再び「パソコンデスクを持ち帰りたい」と言いました。私もそれに同意しました。鍵の引き渡し後、夫が家の階上に上がり、ブレーカーを入れると、1つの寝室のライトは点きましたが、もう1つの寝室とリビングのライトは点きませんでした。点かなかったライトは、ちょうど隣人が持ち帰りたいと言っていた2つのシャンデリアでした。夫が彼の息子に「どうして2つのライトが点かないんだろう？」と尋ねると、息子は適当に「たぶん避雷針が壊したんだろう」と答えました。私と子どもはそれを聞いておかしくて笑ってしまいました。「避雷針」は雷を防ぐためのものなのに、どうしてライトを壊すことがあるのでしょうか！

　翌日、私は掃除をしに階上へ上がり、偶然その男性の隣人に出会いました。そしてライトの件について尋ねると、彼は何か後ろめたさを感じているようで、さらに不機嫌そうに言いました。
「1つのライトが500元、2つで1000元だ。俺が1000元払うから、これ以降うちと付き合いはやめよう」

　私は慌てて言いました。

　「お兄さん、怒らないでください。私はお金を払ってほしいわけではありません。ただちょっと聞いてみただけなんです」

　しかし、彼は怒ったまま立ち去ってしまいました。

　この間、売買双方で契約書を作成する必要がありました。売主（甲方）が私たちに契約書を書くよう求めてきましたが、子どもは売主の人柄に対して不信感を抱いていました。その理由は次の通りです。

　不動産証明書が抵当されていたこと

　家具や備品が代金に含まれていると聞いていたのに、実際にはベッドと一体型クローゼット以外の持ち運べる家具はほとんど持ち去られていたこと

　シャンデリア3つのうち2つが壊れていたこと

　ソファの底布がボロボロで、明らかに取り替えられた跡があったこと

　子どもは、売主がさらに他の約束を反故にするのではないかと心配し、契約書に売主が負うべき責任をより明確に記載しました。これを見た隣人の男性はその場で不機嫌になり、私たちの前でひどい言葉を口にしました。そして、責任をすべて私に押し付け、「これはあなたの考えに違いない」と言い放ったのです。

　私たち家族は誰も何も言わず、結局、売買契約書は彼自身が作成しました。この時点で、彼の心には大きなわだかまりが生まれたようでした。

　その後も、譲渡手続きが完了しないうちに、彼の息子はしきりに残金の支払いを催促してきました。「母親が急いでいる」とのことでした。子どもは彼に、「手続きが完了すれば、すぐに残金を支払う」と伝えました。そしてその日、午前中に譲渡手続きが完了し、登記済みの不動産証明書を受け取ると、昼前には子どもが残金を彼の息子に支払いました。

　こうして、家を購入する際の一連の波乱はようやく終わりました。しかし、残された課題は、この売主である夫妻と、今後隣人としてどのように付き合っていくかということでした。

　隣人の女性は非常に綺麗好きで、ほぼ一年中毎日洗濯をしています。私たちが購入したこの建物は南側に全体が面しており、外付けのバルコニーがあります。このバルコニーは東西がつながっています。彼らの息子がこの部屋に住んでいた頃、寝室の窓と窓の間のバルコニーの壁に大きな鉄のフックを取り付け、そこにロープを張って洗濯物を干していました。

　私たちがこの部屋を購入して引っ越してきた後も、その女性は以前と変わらず平然と洗濯物を干し続けており、特に何の問題もないと考えているようでした。春の暖かい季節になると、隣人夫婦は壁に取り付けた鉄のフックに二本のロープを張り、そのロープは我が子の寝室の窓からわずか1メートルも離れていませんでした。彼らは自分たちの家の窓からバルコニーに出て、そこに下着、パンツ、靴下、ズボン、服、シーツ、布団カバー、掛け布団などを干します。また、我が家の窓の位置に椅子を置き、枕を干すこともありました。こうして彼ら夫婦は、我が家の窓の外をまるで自分たちの庭のように行き来していました。その様子はまさに「他人の家」とは思えないものでした。

　特に夏の盛りになると、もともと暑い天気に加えて、隣人が干す二重の厚い布団が我が家の窓を完全に覆い隠してしまいます。昼間になると、隣人夫婦は交代で棒を持って布団や枕を叩き、「バン、バン」という音を立てます。その布団や枕が日差しを浴びた後の匂いが室内に漂い、非常に不快な気分にさせられました。それだけではありません。我が家の窓の下にある外壁にも鉄線が張られ、そこにはさまざまなものが干されていました。秋になると、女の隣人は我が家の窓の外にあるバルコニーで干し野菜や保存食を作り始めます。インゲンや大根の切り干し、さつまいもの干し物、よもぎ、魚の干物、紅豆などです。特に魚の干物から発する生臭く不快な匂いが室内に漂い、とても耐え難いものでした。それに加えて、バルコニーには複数の鉢植えの柿の木も並べられていました。

　彼らの行動について、私たち家族はこれまで一度も文句を言ったことはありません。子どもがたまに少し愚痴を言うこともありましたが、そのたびに修煉者の心構えで対処しようとお互いに声をかけ合い、すぐに気持ちを切り替えました。隣人と会うときは必ず挨拶をします。隣人の男性はいつも不機嫌そうに顔をしかめて、冷たく「ふん」と一言言うこともありますが、私たちはそれを気にせずにいます。ある日、隣家がいつものように布団を干していましたが、その日は風が強くて布団が地面に落ちてしまいました。布団はちょうど我が家の窓の前にありました。おそらく隣家は気づいていないと思い、私は自分からドアをノックして落ちたことを伝えました。うちの窓の網戸はネジでしっかり固定されていて外せなかったので、直接布団を拾いに行くことはできませんでした。

　その年の年末、突然隣家に長い間誰もいないことに気づきました。後で聞いた話によると、隣家の女性が肺がんを患い、天津のある病院で手術を受け、多額の費用がかかったとのことでした。賛成は自身のWeChatの友人欄に「家も車も売る準備をしている」と投稿していました。この話を聞いて、私は心の中で複雑な気持ちになりました。人が生きるのは本当に簡単ではないと。元気な時は利益のために争い合い、病気になればお金を使い苦しむ。もうすぐ年末なのに、家を売ってどこに住むのだろうか、と考えました。そうしているうちに、なぜか自然と慈悲の心が湧き上がり、隣人たちが戻ってきたら訪ねてみようと決めました。

　数日も経たないうちに、隣人たちは戻ってきました。私は夫に言いました。「隣人に会いに行くために500元（約1万円）持っていきたい」、夫は「今度は男の態度が変わるだろうな」と言いました。私は「彼の態度を変えさせたいわけじゃない。ただ彼らがかわいそうで、体に栄養をつけるために少しお金をあげたいだけ」と言いました。夫は「いいよ」と言いました。私がその500元を持って女性を訪ねたとき、2人ともとても驚きました。夢にも思わなかったようで、とても感動してくれました。

　年末が近づいた頃、また彼らの家を訪ねました。女性に「洗いたい服などある？」と聞くと、「大丈夫よ、主人が洗えるから。本当にありがとう！」と言われました。こうして、大法弟子の善意が隣の夫婦の心のわだかまりを解きほぐしました。それ以来、会うたびに彼らはとても親しげに挨拶してくれるようになりました。この２年間で、女性は洗濯物を干す際、私の子どもの寝室の窓をちゃんと避けるようになりました。

　女性には親戚で法輪大法の修煉者がいます。以前、彼女が時々私の家に来ると、偶然隣人の男性に会うことがありました。男性は「法輪功？　お前たちの集まりを通報してやる」と言うことがありました。同修が「そんなことはやめたほうがいい。あなたや家族のためにもよくない」と諭しましたが、彼は聞く耳を持たず、「お前たちにこの家を売ったことを後悔している」とも言いました。しかし、長年の付き合いを通じて、彼らは大法弟子の慈悲や善意、自己の利益にこだわらず他人を思いやる姿勢を身をもって感じるようになりました。彼らは法輪功が良いものだと、大法弟子が良い人たちだと理解するようになりました。こうして、隣人の男性も女性も法輪大法に対する態度が徐々に変わってきています。

　数年前、私と家族は真相資料を配布したため警察に拘束されました。その後、警察が何度も私の家に嫌がらせに来ましたが、隣人の男性は警察の不当な尋問に応じることを拒否しました。派出所の警察は男性に出頭して供述調書を取るよう要求しましたが、彼は協力しませんでした。大法の慈悲に感化されて、隣人は自らの正義と善良さを示しました。今年の初め、私は直接隣人宛に感謝の手紙を書き、彼らの正義の行いを称えました。そして、師父の経文『なぜ人類が存在するのか』『なぜ衆生を救い済度するのか』『人類はなぜ迷いの社会なのか』を贈り、彼らの家族や親戚友人がよく読んで真相を理解し、大法の救いを得られるよう願いました。

　長年にわたり隣人家族との付き合いの中で、私はずっと修煉者の心構えで接してきました。怒りや恨みもなく、不満もなく、利益を失った苦しみも感じず、心は軽やかで楽でした。大法の力こそが、私たちを真の良き隣人にしてくれました。家族全員が師父に、そして大法に心から感謝しています。

　今生で私は幸運にも師父の弟子となり、千古にまれな宇宙の大法に出会い、恩師の慈悲ある救いを受けました。師父は、かつては短気で自己中心的、争いごとに強かった私を、心が広く慈悲深く、無私に他者のために生きる人間へと導いてくださいました。これほどの光栄はありません。これは師父の偉大さであり、大法の偉大さです。

　心から願っています。もっと多くの中国の民衆が中共の嘘と欺瞞から解き放たれ、「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」という教えを心に刻み、天が中共を滅ぼす大淘汰の中で神仏の護りを得られますように。

　（明慧ネット2025年世界法輪大法デーの入選文章）